2023.02.13
高血圧予防には、どれくらい減塩すればいいの?身近な食品の塩分含有量ランキング
高血圧の予防には減塩がよく知られています。減塩と聞いてどのようなことをイメージしますか。
今回は、具体的な減塩方法と身近な食品の食塩含有量をランキング形式で紹介します。
高血圧になってしまうと、どんな問題が起きるの?
高血圧とは、収縮期血圧が140mmHg以上または拡張期血圧が90mmHg以上の状態が慢性的に続く病態をいいます。高血圧の原因には肥満、飲酒、運動不足、ストレス、遺伝的体質などがありますが、生活習慣における最大の原因は食塩のとりすぎです。
高血圧が進んで動脈硬化になると、心臓では狭心症や心筋梗塞、脳では脳梗塞、脳出血などが発症しやすくなり、命に関わる病気に繋がってしまう場合があります[1,2]。
減塩の目安ってどれくらい?
世界保健機関(WHO)の一般成人向けのガイドラインでは一般成人において食塩 5 g/日未満の目標値が設定されており現在、世界全体の目標となっています。日本人の食生活は食塩が多くなりやすい特徴があり、令和元年国民健康栄養調査によると日本人の食塩摂取量の平均値は 10.1g であり、男性 10.9 g、女性 9.3 gという結果が出ています。この日本人の平均食塩摂取量とWHOの目標値を踏まえて健康な日本人の成人男女が目標とする食塩摂取量が決まり、成人男性で7.5g/日未満、成人女性で6.5g/日未満となっているのです[1,2,3]。
日本人はどのような食品から食塩をとっている?
日本人の食事の主な食塩摂取源は、1番目が調味料、2 番目が魚介類、3 番目は男性でめん類、女性でパン類です。みそやしょうゆから食塩を摂取しているのは高齢者で多く、若年者はルーやドレッシングなどの他の調味料から食塩を摂取していることが明らかになっています。
調味料は日本人の食塩摂取源の中心となっているため、減塩のためにはよく使う調味料にどれくらいの食塩が含まれているのかを知ることが大切です[4]。
よく使う調味料の食塩含有量TOP5
100gあたりに含まれている食塩が多い調味料TOP5を紹介します。
まずは、食塩が多く含まれている調味料を知り、使い過ぎに注意しましょう。
実際は、調味料によって1回の使用量が異なるため、100gあたりの食塩含有量が多いものだけ気を付ければよいわけではないことに注意が必要です。また、調味料を使う時は目分量ではなく、しっかり計量して使うことが減塩をするうえで重要です。
出来上がった料理に調味料を使うときには、料理に直接かけず小皿などにとりわけて、つけながら食べるなどの工夫をしてみましょう[5]。
減塩を始めるコツは!
まずは、減塩の第一歩として食塩を多く含む食品や調味料を控えることから始めてみてはいかがでしょうか。食品に記載されている「栄養成分表示」の塩分(食塩相当量)をチェックしたり、食べ方を工夫するだけでストレスなく、減塩ができます。日々の食事を振り返り、減塩を意識して高血圧予防に努めましょう。
【参考文献】(すべて2022年11月25日閲覧)※外部サイトに遷移します
[2]厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2020年版)、高血圧
【プロフィール】管理栄養士 落水陽香里
調剤薬局の管理栄養士として栄養指導業務を経験後、フリーランス管理栄養士として独立。糖尿病や高血圧などで厳しい食事制限がある方を対象に「どんな状況でも食事を楽しめるような栄養指導」をコンセプトに個別の食事サポートしている。また、管理栄養士にとって就職後スキルアップする場が少ないことを痛感し、自信を持って栄養指導をするための専門家向け通信講座を開講中。
記事提供:リンクアンドコミュニケーション
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