2023.07.07
スマートな食べ方講座 – その2 「食事バランスでスマート」
減らした分を何でどのように補うかがカギ。塩分も要チェック
からだの中でエネルギーになるのは、糖質、たんぱく質、脂質の三大栄養素です。糖質の摂取量を減らすだけではエネルギー量が足りず、お腹も空きますから、たんぱく質や脂質でこれを埋め合わせることになります。
たんぱく質について、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2010年版)には1日の摂取量の上限が定められていません。ただし、「好ましくない代謝変化が生じることが報告されている」「高窒素血症が発症することが報告されている」とのことから、体重1kg当たり、1日に2g未満。つまり体重50㎏なら1日100g未満にしておくほうがいい、としています。でもこれって、結構な量が食べられます。っていうか、1日に100gのたんぱく質をとるのって、量的にもお財布的にも(笑)、結構大変です(下図)。
「日本人の食事摂取基準」(2010年版) ※外部サイトに遷移します
脂質の「質」と塩分が問題
糖質を控える代わりにたんぱく質の摂取量を多めにしても、健康な人であれば、たんぱく質のとり過ぎにはならなさそうですが、ここで気をつけるべきことがあります。それは脂質の「質」と塩分です。図に挙げたすべての食品を食べると、脂質の総量は91.8g。30~40代女性の1日にとるべきエネルギー量(1750kcal※)の約半分(826kcal)を脂質からとることになります。
脂質にもいくつかの種類がありますが、脂質の摂取量が増えればおのずと、肉類に多い「飽和脂肪酸」や揚げ物などに含まれる「トランス脂肪酸」の摂取量も増えてしまうのが問題です。これらの脂質成分のとり過ぎは、動脈硬化を進め、心臓病のリスクを上げることが知られています。
塩分もすごいことになってしまいます。もともと塩味のついているベーコン、あじの開き、プロセスチーズにはさらに塩分を加えず、ほかのものは重量の1%の食塩(おいしく食べるための必要量として)を加えたとすると、塩分(食塩相当量)は8.9gに。これに、野菜サラダのドレッシングに入っている塩分、漬物の塩分……なども加わるわけです。1日の総摂取塩分は、生活習慣病予防の観点から望ましいとされる摂取上限量の、女性で7.5g、男性で9.0gを、ゆうに超えるでしょう。塩分のとり過ぎは、高血圧のもと。脳卒中や心臓病、腎臓病につながります。
ダイエットできた、血糖値が下がってきた、といったうれしい成果が得られる一方で、ほかの病気のリスクを上げてしまうことがないように、注意が必要です。
例えば、脂質をとり過ぎないように、肉を食べるにしても脂身の少ない鶏のささみや胸肉、牛や豚も赤身の部分を選びましょう。肉よりも魚を選ぶほうが、同じ脂質をとるにしても、生活習慣病に予防的に働くドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)がとれます。
また、あらかじめ塩分が添加された加工肉よりも生肉を選び、味付けは薄めに! 炒め物にテフロン加工のフライパンを用いて調理油の使用量を減らしたり、油を使わない蒸し料理もオススメです。だしを利かせたり、ハーブやスパイスをうまく使えば、おいしく減塩できます。詳しくは、作る十ヵ条を参考に。
※生活の大部分が座位で、静かな活動が中心の場合
作る十ヵ条 ※外部サイトに遷移します
参考:農林水産省、油脂やトランス脂肪酸の健康に与える影響 ※外部サイトに遷移します
記事提供:リンクアンドコミュニケーション
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リンクアンドコミュニケーション ※外部サイトに遷移します
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