2023.02.20
ピーナッツの糖質は低い~ダイエット中に毎日食べても大丈夫?~
当記事を監修した専門家:管理栄養士・調理師 前間弘美、編集長 宮田亘造(詳しいプロフィールはこちらをご覧ください) ※外部サイトに遷移します
おつまみやおやつとして、手軽に食べられるピーナッツ。
ピーナッツは脂質が多くカロリーの高いイメージから、食べるのを躊躇している方もいらっしゃるかもしれません。
たしかにピーナッツはカロリーが高いです。ところが、実は糖質が低いことはご存知でしょうか?
今回はピーナッツの糖質量とダイエット中の食べ方について、わかりやすくお伝えいたします。ピーナッツを使った美味しいレシピも紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
ピーナッツの糖質・カロリー
ピーナッツ(炒り)100gあたりの糖質は10.8g、カロリーは613kcalです。
ピーナッツは糖質が低く、カロリーは高めといえます。
1粒の糖質・カロリー
ピーナッツ1粒の重さは約0.6~1gなので、糖質は約0.1gです。カロリーは4~6kcalあります。
ピーナッツの糖質量とGI値
ピーナッツの糖質量は少ないです。また、血糖値の上がりやすさを表すGI値は13~23と低いので、低GI値食品といえます。
なお、GI値は70以上を高GI値、56~69を中GI値、55以下を低GI値食品と分類します。
ピーナッツはGI値が低いため、血糖値の上昇が緩やかです。血糖値が緩やかに上昇すると、インスリンの分泌が少なくなります。インスリンは血糖値を下げるホルモンですが、脂肪を作り、脂肪の分解を抑えるホルモンでもあります。
つまりGI値の高い食品を食べて、インスリンが多く分泌されると、糖尿病だけでなく肥満の原因にもなるのです。
参考記事:ナッツ類と血糖値の関係〜見落としがちな点をシンプルに解説〜 ※外部サイトに遷移します
糖質制限ダイエット中は食べられる?
ピーナッツの糖質量は少ないので、糖質制限ダイエット中にも食べられます。
糖質制限ダイエットとは、1日に摂る糖質量を120g程度に抑えるダイエット方法です。食事だけでなく間食の糖質も抑える必要があるので、小腹が空いたときにピーナッツを食べるのはオススメです。
参考記事:糖質制限ダイエットって効果があるの?適切な食材と方法を徹底解説 ※外部サイトに遷移します
糖尿病でも大丈夫なのか
糖尿病の方がピーナッツを食べても大丈夫でしょう。ただし、ピーナッツはカロリーが高いため食べ過ぎは厳禁です。摂取カロリーが多すぎると、体重が増加し肥満になる可能性があります。
糖尿病の方が肥満になると、インスリンの効きが悪くなって血糖コントロールに影響が出ます。ピーナッツを食べる際は、主治医の指示のもと適正量を守るようにしましょう。
また、バターピーナッツのような味付きのものは、脂質や塩分が添加されています。糖尿病の方は素焼きのピーナッツを選んでくださいね。
他のナッツと比較
ピーナッツと一般的なナッツの糖質・カロリーを比較します。
上の表のとおり、ピーナッツはナッツの中で糖質・カロリーともに普通といえます。
ピーナッツは脂質が多い
なんと全体の50%が脂質で、できているピーナッツ。ピーナッツのカロリーが高いのは、脂質の多さが関係しているのです。
なお、脂質は健康に悪いと思われがちですが、私たちが生きていくために必要なエネルギー源や細胞を作る材料です。適量であれば、健康を害することはありませんのでご安心ください。
さらに、ピーナッツに含まれる脂肪は、体に有用な不飽和脂肪酸が多いのが特徴です。不飽和脂肪酸の働きについては、のちほど詳しくご紹介します。
毎日食べると太る?
ピーナッツはカロリーが高いので、毎日食べると太る可能性があります。
ピーナッツ1袋は100g前後のものが多く、カロリーは613kcalあります。これは、30~40代男性の1日に必要なエネルギーの約23%相当です。
毎日ピーナッツ1袋を食べると、当然体重増加の原因となります。適量を意識して食べましょう。
適量は何粒か
ピーナッツは多くても1日30粒程度が目安です。
健康な方の間食は1日200kcal までが適量とされています。ピーナッツは30粒で約180kcalなので、30粒程度でしたら適量といえるでしょう。
なお、ダイエット中の方の間食は1日100kcalまでが適量ですので、15粒程度が適量といえます。
ピーナッツの栄養と効能
それでは、ピーナッツの栄養と効能をかんたんにお伝えします。
動脈硬化を予防する脂質
ピーナッツに含まれる脂質は、約20%が飽和脂肪酸で残りの約80%は不飽和脂肪酸です。
ピーナッツに含まれる不飽和脂肪酸は、オレイン酸やリノール酸です。オレイン酸やリノール酸は悪玉コレステロールの働きを抑制する効果があり、血管の健康を保ち、生活習慣病を予防します。
またピーナッツのオレイン酸は、劣化しにくく安定性の高さが特徴です。
腸内環境を整える食物繊維
ピーナッツの食物繊維は、水に溶けにくい不溶性食物繊維が多いです。不溶性食物繊維は、腸内で水分を吸収しながら腸壁を刺激し、便通を促す効果が期待されます。
また、食物繊維は満腹感を得られます。ピーナッツはダイエット中の間食にピッタリですね。
抗酸化作用の強いレスベラトロール
ピーナッツの薄皮は、ポリフェノールであるレスベラトロールが豊富に含まれます。レスベラトロールは私たちの体の老化を防ぐ抗酸化作用が強く、健康を保つのです。
参考記事:ピーナッツの栄養成分と効果~適量や気になる薄皮についても徹底解説します~ ※外部サイトに遷移します
バターピーナッツは健康に効果的なの?
バターピーナッツは素焼きのピーナッツと同じ栄養成分が含まれるので、健康に効果的といえます。
ただし、バターピーナッツはバターや塩が添加されているため、素焼きのピーナッツと比べると脂質や塩分が多いです。脂質や塩分が多いと、肥満や高血圧のリスクを高める可能性があります。
バターピーナッツを食べてはいけないわけではありませんが、毎日食べ続けるのはやめておきましょう。
ピーナッツバターはどうか
ピーナッツバターも健康に効果的です。ピーナッツバターは、ピーナッツをなめらかにすりつぶしたものなので、基本的には素焼きのものと栄養成分は変わりません。
一方で、ピーナッツバターには塩や砂糖、油が添加されている商品もあります。調味料が多く添加されたものは、口当たりがよく食べやすいです。ただし、ピーナッツとまったく同じ健康効果は得られないでしょう。
ピーナッツバターはいろいろな商品がありますので、メリットやデメリットを理解した上で選ぶとよいですね。
手作りピーナッツバターレシピをご紹介
「砂糖や塩、油をまったく添加していない自然なピーナッツバターが食べたい」
そう思っても、近場のお店には売っていない場合もあるでしょう。ネット通販で無添加のものを探してもよいのですが、かんたんに作れるので試してみてはいかがでしょうか?
材料はなんと、ピーナッツだけです。薄皮付きのピーナッツを使うので、レスベラトロールも摂れますよ。
【無添加手作りピーナッツバター】
【作り方】
(1)薄皮付きのピーナッツをオーブン160℃(余熱なし)で5~15分ローストする
(2)粗熱が取れたら、フードプロセッサーで粉砕する
(3)クリーミーになったら、できあがり
※ピーナッツの加熱時間は、お使いのオーブンによって調節してください。
まとめ
以上、ピーナッツの糖質についてお話しいたしました。
ピーナッツは糖質量やGI値が低く、糖質制限ダイエットや糖尿病の方の間食に向いているといえます。一方で、カロリーが高いため、食べ過ぎると体重増加につながる可能性があります。
ピーナッツを間食として食べる時は多くても30粒まで、ダイエット中であれば15粒を目安にしましょう。糖尿病の方は主治医に指示を仰いでくださいね。
それでは当記事を参考に、ピーナッツをあなたの食生活に取り入れてくださると嬉しいです。
【参考文献】※外部サイトに遷移します
監修:編集長 宮田 亘造
早稲田大学社会科学部卒業後、証券会社での新規開拓営業、製薬会社でのMRなどを経て香港中文大学MBA卒業。同時に北京大学MBAに交換留学、そして北京語言大学にて漢語修習生として学ぶ。帰国後、Webマーケティングのコンサルティング会社を経て、デジタルと医療の融合が患者への新しい価値提供ができると感じ、H2株式会社に入社。
執筆者:管理栄養士・料理家 前間弘美
武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科卒業後、管理栄養士として給食会社や病院に勤務。糖尿病・高血圧の方に向けた献立作成や調理、栄養管理・栄養指導などを担当。特に病院勤務では、働き盛りの方が血糖値、血圧そして食事の記録を時間を作って手書きで行う手間や、その先にある健康面における自己管理の難しさを目の当たりにしてきた。身近なスマートフォンをベースにデジタルヘルスを展開することに可能性を感じたのとあわせ、より多くの方の生活習慣の改善に携わりたいという想いからH2株式会社に入社。管理栄養士、調理師の資格を保有。
記事提供:H2株式会社
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提供元:ピーナッツの糖質は低い~ダイエット中に毎日食べても大丈夫?~|【シンクヘルスブログ|H2株式会社】