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2022.05.30

アンケート企画:あなたの悩みに専門家が答えます(11)年とともに低下する筋力を維持するには?


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私たちは、インターネットなどの多種多様なメディアからさまざまな健康情報を入手することができますが、それって確かな情報でしょうか?専門家に聞いてみたいお悩み、ありませんか?
本企画では、リンククロスシル編集部が、アンケートで募集した健康に関するお悩みについて、専門家に聞いてみました。

第11回目は、50歳代女性より、筋肉を維持するための食事や運動についての質問です管理栄養士・一ノ木菜摘さんに回答していただきました。

Q. 年とともに低下する筋力を維持するには?

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回答

筋力は加齢に伴い筋肉量が減少することで低下していきます。加齢に伴う筋肉量の減少は“サルコペニア”と呼ばれ、高齢者において深刻な問題です。サルコペニアは転倒のリスクを高め、さらには日常動作が難しくなると介護が必要となる恐れがあります。

質問者様は現在50歳代ですが、将来を見据えて介護予防のためにも今のうちから筋肉を維持していきたいところ。そこで、筋肉を維持するために必要な食事と運動のポイントをお伝えします [1]。

筋肉を維持するための食事とは?

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筋肉は主にたんぱく質を材料として作られているため、不足しないように食事で肉・魚・豆腐・卵・乳製品などのたんぱく質を多く含む食品を十分に摂る必要があります。それ以外にも筋肉に必要な栄養素があるため、それぞれの栄養素を不足なく摂取できる食事を心がけることが大切です[1]。

■筋肉を維持するために必要な栄養素

筋肉を維持するためには、筋肉の元となるたんぱく質だけではなく、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラルといった幅広い栄養素が必要です。そのなかでも、エネルギーやたんぱく質の代謝に関わるビタミB群や筋肉の機能を維持するマグネシウムやカリウムを意識して摂ると良いでしょう[1, 2]。

■筋肉の維持に必要な栄養素を補いつつ食事バランスを意識する

栄養素を過不足なく摂取するためには、バランスの良い食事を摂ることが大切です。そのためには、単品の料理で済ませるのではなく、複数の料理を組み合わせてさまざまな食品を摂るようにしましょう。

特に、日本人が不足しがちなビタミンやミネラルを摂るために、野菜・果物・海藻・きのこ・豆類・ナッツ類・種実類などを普段の食事に積極的に取り入れると良いでしょう。味噌汁を良く飲む方は、野菜・きのこ・海藻などを入れた具沢山な味噌汁にすると、習慣的にこのような食品を摂ることができるのでおすすめです[2]。

無理なくできる運動とは?

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何歳になってからでも筋肉は鍛えることで強く大きくすることができます。筋肉を鍛えるために運動は必須であり、サルコペニアの予防にもつながります。

無理なく運動するために、ウォーキング程度の運動を取り入れる、掃除や自転車で移動するなど日頃から活動的に生活することが大切です。そのなかでおすすめの運動や運動するときのポイントを紹介していきます[3, 4]。

■足腰を鍛える運動

日常生活において、立ったり歩いたりなどの基盤の動作を行うためには足腰を鍛えることが非常に重要です。足腰を鍛えるには、座って立ち上がる動作を繰り返すスクワットのようなレジスタンス運動がおすすめです。この運動は10〜15回程度を1〜3セット程度で無理のない範囲で行うことがポイントになります。ただし、スクワットは膝関節に負担がかかり痛めやすいため、動作に慣れるまでは椅子から立ち上がる“椅子スクワット”から取り組むと良いでしょう[5, 6]。

■休息しながら継続することが大切

レジスタンス運動のように筋肉に負荷をかけると疲労が溜まるため、筋肉は疲労からの回復時間が必要になります。そのため、運動は毎日ではなく数日に1回程度、1週間に数回程度にして、間隔をあけることがポイントです[6]。

食事も運動も自分に合った方法にしよう

筋肉を維持するためには、食事と運動を継続することがとても大切ですが、自分に合わない方法で頑張りすぎてしまうと、ストレスや怪我につながり続けることが難しくなることも。今回の記事で紹介したポイント参考に、自分に合った方法を見つけて長期間続けてみてくださいね。

【参考文献】(すべて2022年5月8日閲覧)※外部サイトに遷移します

[1]厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2020年度版)

[2]文部科学省:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

[3]厚生労働省:e-ヘルスネット|QOLの維持・向上に大切な筋肉は?

[4]厚生労働省:運動基準・運動指針の改定に関する検討会 報告書

[5]厚生労働省:e-ヘルスネット|安全かつ効果的に「足腰」を鍛える方法

[6]厚生労働省:e-ヘルスネット|レジスタンス運動

【回答者プロフィール】管理栄養士 一ノ木菜摘

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短大を卒業後、精神科病院で調理、給食管理などの栄養士業務を経験し、管理栄養士の資格を取得。精神科病院や地方の総合病院で栄養管理などの管理栄養士業務を経験するが、働き方に悩み、管理栄養士の仕事から離れる。人間関係などに悩み食べることに苦しんでいる方を救ったことをきっかけに、フリーで活動を始める。現在は、コラム執筆を中心に活動中。

公式ブログ「幸せ食ライフ|管理栄養士 一ノ木菜摘ブログ」 ※外部サイトに遷移します

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