2021.06.30
アンケート企画:あなたの悩みに専門家が答えます(8)35歳を過ぎ、健康的に食べながら痩せられる方法は?
私たちは、インターネットなどの多種多様なメディアからさまざまな健康情報を入手することができますが、それって確かな情報でしょうか?専門家に聞いてみたいお悩み、ありませんか?
本企画では、リンククロスシル編集部が、アンケートで募集した健康に関するお悩みについて、専門家に聞いてみました。
第8回目は、30代女性より、ダイエットに関するお悩みです。管理栄養士・一ノ木菜摘さんに回答していただきました。
Q. 35歳を過ぎてから痩せにくくなりました。健康に食べながら痩せられる方法を教えてほしいです。
A. 一ノ木さんの回答
30代になると若い頃と比べて太りやすくなり、思うように痩せないと感じることがあると思います。痩せるために摂取エネルギー量を減らすことは大事になりますが、極端に減らしてしまうと、体の調子が悪くなり、疲れやすくなることもありますよね。
今回は、ご質問いただいた健康に食べながら痩せる方法について、食事にフォーカスして解説してきます。
30代になると痩せにくくなる原因
はじめに、なぜ歳を重ねると痩せにくくなるのかを知っておきましょう。私たちの体は、動いてなくてもエネルギーを消費し、その消費するエネルギー量を基礎代謝量といいます。基礎代謝量は、一般的に加齢に伴い、筋肉などの脂肪以外の量が減ることで低下します。このことは、活動時のエネルギー代謝量が低下して、若い頃と同じように運動をしても痩せにくくなることにつながるのです[1]。
健康に食べて痩せるには?
減量する基本は、食事で摂る摂取エネルギーを消費エネルギーよりも少なくすることです。そのため、摂取するエネルギー量を意識することがポイントになりますが、極端に制限をすると必須栄養素が不足して、健康を損なうリスクがあります。
そのため、食事は、主食・主菜・副菜を揃えて、栄養バランスを意識することが大切です。さらに、健康に食べて痩せるための食事のポイントをまとめましたので、参考にしてくださいね[2]。
(1)必要なエネルギー量を把握する
厚生労働省が定めている日本人の1日の推定エネルギー必要量は、デスクワーク中心のお仕事をされている場合、30〜49歳の女性は2,050kcal、30〜49歳の男性は2,700kcalとなります。このエネルギー量を目安にして、食事からとるエネルギー量が上回らないように留意すると良いでしょう[3]。
(2)間食は適量にする
間食は一般的に1日200kcal程度が適量といわれています。減量するなら朝食・昼食・夕食の3食と合わせて、1日の推定エネルギー必要量を超えないように間食の量を調節しましょう。また、飲み物にも注意が必要です。砂糖が多く含まれる炭酸飲料などの清涼飲料水、コーヒー飲料や乳飲料はカロリーが高く、余分なエネルギーをとってしまうので、0kcalのお茶や無糖のブラックコーヒー、無糖の炭酸水などを選ぶことをおすすめします[4]。
(3)食物繊維の多い食品をとる
食物繊維は、人の体では消化・吸収することができない食品成分で、肥満の予防・改善への効果が期待されています。また、現代の日本人にとって不足しがちな栄養素であるため、意識してとりたいところです。
食物繊維は、主に穀類・豆類・野菜類・果実類・きのこ類・海藻類など植物性食品に多く含まれています。そのため、野菜だけでとるのではなく、ご飯を白米ではなく雑穀米、玄米に変えてとることや、きのこ類や根菜類、海藻類などを入れた具沢山の味噌汁をとることで、さまざまな食品からとるようにすると良いですね[5-6]
(4)アルコールはできるだけ控える
お酒を飲む習慣がある場合、1日あたりビールだと約500ml、日本酒だと約1合程度にして、毎日ではなく休肝日を入れると良いでしょう。また、一緒にとるおつまみは、揚げ物などのカロリーの高い食品を選択しないように意識することが大切です[7]。
食事だけではなく規則正しい生活を意識しましょう
今回は、食事をメインにお話をしていきましたが、減量するには生活習慣を整えることも大切です。例えば、慢性的な睡眠不足は食欲が増大するため、肥満につながる可能性があります。そのため、生活習慣を見直して、規則正しい生活を送るように意識してみてくださいね[8]。
【参考文献】(すべて2021年6月14日閲覧)
[1]厚生労働省「e-ヘルスネット|加齢とエネルギー代謝」 ※外部サイトに遷移します
[2]厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年度版)」 ※外部サイトに遷移します
[3]厚生労働省「e-ヘルスネット|ダイエット」 ※外部サイトに遷移します
[4]厚生労働省「e-ヘルスネット|間食のエネルギー(カロリー)」 ※外部サイトに遷移します
[5]厚生労働省「e-ヘルスネット|食物繊維」 ※外部サイトに遷移します
[6]厚生労働省「e-ヘルスネット|食物繊維の必要性と健康」 ※外部サイトに遷移します
[7]厚生労働省「e-ヘルスネット|アルコールとメタボリックシンドローム」 ※外部サイトに遷移します
[8]厚生労働省「e-ヘルスネット|睡眠と生活習慣病との深い関係」 ※外部サイトに遷移します
【回答者プロフィール】管理栄養士 一ノ木菜摘
短大を卒業後、精神科病院で調理、給食管理などの栄養士業務を経験し、管理栄養士の資格を取得。精神科病院や地方の総合病院で栄養管理などの管理栄養士業務を経験するが、働き方に悩み、管理栄養士の仕事から離れる。その後、人間関係などに悩み食べることに苦しんでいる方を救ったことをきっかけに、摂食障害やダイエットに悩む方に向けてメンタルや食事の両面でサポートする活動をしている。
公式ブログ「幸せ食ライフ|管理栄養士 一ノ木菜摘ブログ」 ※外部サイトに遷移します
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