2022.06.07
【特集】健康寿命を延ばそう!未来が輝く健康習慣
長寿大国日本!といえども、“平均寿命”と、介護などを必要とせずに日常生活を送れる“健康寿命”に大きな差があることはご存知ですか?
令和元年度の調査によると、日本人の健康寿命は、平均寿命に比べて男性で約9年、女性で約12年短いことがわかっています。
今回は、いつまでも健康でイキイキとした未来を迎えるための、ちょっとしたコツを運動と食事の面でご紹介します。
平均寿命と健康寿命の差
平均寿命と健康寿命との差は、日常生活に制限のある「不健康な期間」を意味します。厚生労働省によると、平均寿命と健康寿命(日常生活に制限のない期間)の差は、令和元年で、男性8.73年、女性12.06年でした(下図)。つまり、この期間は病気などによって介護や支援が必要な期間ということになります。
日本は、厚生労働省が示す最新のデータでも男女ともに平均寿命が80歳を超えており、世界一の長寿大国です。しかし、平均寿命と健康寿命の差を見てみると、“健康に長生きしている”とは言えなさそうです。
それでは、どのように健康寿命を延ばしていくとよいのでしょうか?
まずは10分!すき間時間に体を動かしましょう
将来の病気や要介護状態のリスクを減らすには、生活習慣の改善が大切です。普段の食事や運動、喫煙、飲酒、休養などが鍵となりますが、今回は今日からでも実行できることとして、まずは10分、いつもより体を動かすことをおすすめします。
座っている時間を見直そう!ちょこちょこ動いて死亡率を改善
みなさんは、1日にどのくらいの時間、座っていますか?営業職で外出が多く、家でも家事に追われ座っている時間なんてほとんどない、という方もいると思いますが、デスクワークが中心、家ではテレビやスマホをずっと見ている、という方も多いのではないでしょうか?
近年、この座っている時間(座位時間)が長いと健康リスクが高まることがわかってきました。座位時間が増えれば増えるほど死亡率が高まるという調査結果が、複数の研究をまとめることで明らかになっています(Ekelund U et al.: BMJ 2019; 366: l4570)。
健康のためにはできるだけ座位時間を減らしたほうがよさそう、でも、「仕事から帰ってきたらゆっくりしたい」「運動は苦手」「運動にまとまった時間なんて取れない」そんな声も聞こえてきそうです。
1日1時間分、いつも座っている時間にちょこちょこ動くだけ
では、どうしたらよいのでしょうか。まずは、日常生活のなかでの座位時間を別の活動に置き換えたときの健康利益を評価した研究をご紹介します。この研究では、あまり活動的でない集団(1日の身体活動時間が2時間未満)と、比較的活動的な集団(1日の身体活動時間が2時間以上)の二つのグループに分けて死亡リスクを評価しました。
座位時間に活動したら死亡リスクが〇%低下!?結果はコチラから
日本式食生活が基本!健康に長生きする食生活のポイント3つ
世界の長寿大国といえば、日本。では、なぜ日本人はこれほど長生きするようになったのでしょうか?その理由の1つとして、「従来型の日本式食生活がほどよく変化していること」だと、日本の国立がん研究センターが2020年7月に研究結果を発表しました。今回、管理栄養士がこの最新文献を解説するとともに、健康に長生きする食生活のポイント3つを紹介します。
「なぜ日本人は長寿になった?食と栄養から探る」の研究結果を簡単に説明
研究方法とは?
日本型食生活と栄養素摂取量の変化の観点から、50年以上前の日本と現在の日本を比較しました。また、その際に平均寿命や死因順位なども照らし合わせました。
研究結果を要約
「現代の典型的な日本人の食生活では、植物性食品や魚の摂取に加え、ほどほどに西洋式食、つまり肉・牛乳・乳製品を取り入れることによって、日本での長寿に関連している可能性がある」と結論づけました。
従って、偏った食品を摂るのではなく、バランスのよい食生活が日本人を長寿にしている可能性が考えられます。もちろん、日本人の平均寿命が延びている理由は様々な理由が考えられるため、食生活だけとは言い切れません。その1つに日本の高度な医療技術や制度の充実は欠かせません。
一方、バランスのよい食生活は健康を維持・増進する際に欠かせないのは事実です。次に長寿につながる食生活のポイント3つを紹介したいと思います。
長寿につながる健康な食事とは?
ポイント1:主食、主菜、副菜を揃えよう
バランスのよい食事を考えるのはなかなか大変ですが、ご飯などの主食、肉類、魚介類、大豆製品を多く含む主菜、野菜などを使った副菜を基本とすることで、自然と必要な栄養素もバランスよく摂ることができます。
衰えは40代半ばから!?食べるためには「お口の機能」の維持も大切
近頃話題になっている「オーラルフレイル」。これは「オーラル=口腔」と「フレイル=虚弱」を組み合わせた言葉で、お口の機能の低下を表しています。具体的には「食事を食べこぼす」「お茶や汁物でむせる」「硬いものが食べづらい」「滑舌が悪くなる」といったささいなお口の衰えのことです。このオーラルフレイル、実は40代半ばから徐々にはじまっているということをご存じでしたか?
例えば、当たり前にできている「食べる」機能や「話す」機能が衰えたら、カラダの健康だけでなく、日常の楽しみが大きく損なわれてしまいますよね。お口の健康はカラダや心の健康にも深く関わっており、早くから気を付けていれば、将来の健康維持にとても効果的なのです。
また、健康寿命を長く保つためには、「歯周病やむし歯で歯を失わないこと」や「お口の機能を維持すること」がとても大切。歯周病やむし歯を防ぐためにはいろいろなケアが思い浮かびますが、特にお口の機能を維持するためにはどうすればいいのでしょうか?サンスターオーラルケアマーケティング部メンバーに取材しました。
お口の機能は「話す」「食べる」「飲み込む」「唾液分泌」の4つ
お口の機能には、大きく分けて以下の4つがあります。
・食べる
・飲み込む
・話す
・唾液分泌
食べるためには、口を開けて食べ物を口に入れ、歯でよく咀嚼し、飲み込む、といった一連の流れがあります。そのためには唾液が必要になるため、唾液の分泌も大切なお口の機能なのです。
唾液には抗菌成分があり、お口の中を洗い流す効果もあります。また、お口の中が乾くと話しにくいため、「話す」ためにも大切です。
食べるためのお口の機能について詳しくはこちらの動画もご覧ください。
お口の機能の衰えは40代半ばから!?
現代人は、昔の人に比べて1回の食事で噛む回数がかなり少なくなっています。あごの骨格が細くなり、筋肉が衰えているというのはよく聞く話ですよね。
お口の機能は40代半ばから衰えるといわれています。ただし、多少衰えても生活習慣を変えたり、トレーニングしたりすることで健康な状態に戻していくことができます。「年齢のせいだから仕方ない」と諦めるのではなく、早期に対策を取ることでお口の健康を取り戻せるのです。
東京大学高齢社会総合研究機構(T. Tanaka and K. Iijima et al., J Gerontol A Biol Sci Med Sci, 2017)の研究によると、オーラルフレイルの症状がある人は、そうでない人に比べて4年後の要介護リスクが2.5倍になるとの結果も出ています。
お口の元気度チェックの方法と「オーラルフレイル」の予防方法はコチラから
いかがでしたでしょうか?
健康でイキイキとした輝く未来を迎えることができるかどうかはあなた次第です。
将来を見据えて、無理なく続けられる健康習慣を身に付けましょう♪
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