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2022.03.10

“見えない油”に要注意!管理栄養士が解説!脂質異常症のリスクを高める食事とは?


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みなさんは、普段の食事で油のとり方を意識されていますか?脂質のとり過ぎに気を付けているという方でも、実は“見えない油”を無意識にとっていて、それが脂質のとり過ぎの原因になっているかもしれません。脂質のとり過ぎが習慣化すると、脂質異常症のリスクが高まってしまうことはご存知でしょうか?今回は、そんな脂質異常症のリスクを高めるNG食習慣と脂質異常症予防の食事のポイントを解説します。

“見えない油”って?

普段のお食事でとっている油と言えば、どんなものを思い浮かべますか?お料理に使うサラダ油やゴマ油、調味料のマヨネーズなどいわゆる“見える油”をイメージされる方が多いのではないでしょうか。しかし、日本人のとっている油のうち約7割が肉類や菓子類、加工食品に含まれている“見えない油”なのです[1]。

令和元年度の国民健康・栄養調査(厚生労働省)によると、日本人の男性の約35%、女性の約44%が脂質をとりすぎているという結果がでており、脂質のとり過ぎが現代人の食生活の課題となっています[2]。

脂質をとり過ぎると体にどんな悪影響がある?

脂質をとり過ぎる食生活を続けていると、肥満や生活習慣病につながります。また、循環器疾患(⾼⾎圧、⼼疾患、脳⾎管疾患、動脈瘤など)の危険因子となる脂質異常症のリスクが増加する可能性があります[2,3]。

脂質異常症とは血液中の脂質の値が基準値から外れた状態で、脂質の異常には、LDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)の高値、HDLコレステロール(いわゆる善玉コレステロール)の低値、トリグリセライド(中性脂肪)の高値といった血中濃度の異常があります[4]。

脂質異常症のリスクを高めるNG食習慣

以下に示すのは脂質異常症のリスクを高める可能性のあるNG食習慣です。当てはまるものが多い場合脂質をとり過ぎている可能性もあるので、是非チェックしてみてください。

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上記に示したNG習慣のうち、揚げ物や炒め物料理をよく食べる方は、 “蒸す・茹でる”といった油を使用しない調理法に変更するだけで、脂質の量を控えることができます。また、肉の脂身、バター・生クリームを使用した洋菓子、チョコレートやインスタントラーメンなどの加工食品にはいわゆる“見えない油”である飽和脂肪酸がたくさん含まれています[4]。

見えない油を控えるには?

普段あまり意識していない“見えない油”が含まれている食品にはどのようなものがあるか具体的に紹介していきます。

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上記の表は、サラダ油大さじ1(13g)と、加工食品(ポテトチップス、カップ焼きそば、チョコレート)の脂質量の比較です。普段何気なく食べている食品にも実は“見えない油”=脂質がたくさん含まれていることがわかりますね[5]。

脂質異常症予防の食生活のポイント

脂質異常症を予防するために、日頃の食生活で特に意識をしたいポイントを3つご紹介します。

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(1)飽和脂肪酸をとり過ぎない

飽和脂肪酸は肉類の脂身や鶏肉の皮、ラード、バター、乳脂肪、ココナッツミルクなどに多く含まれます。これらの動物性脂肪や脂身の多い肉を控え、お肉を食べる際は赤身肉や、脂身をとり除いた部位を選択しましょう。お肉を食べる頻度が高い方は、魚、大豆製品などからのたんぱく源もバランス良く取り入れるようにしましょう[6]。

(2)コレステロールをとり過ぎない

コレステロールは、卵類(鶏卵や魚卵)、内臓類(レバーやモツ)に多く含まれますので、食べる量に気を付けましょう[6]。

(3)食物繊維をとる

食物繊維は、脂質・糖・ナトリウムなどを吸着して体の外に排出する働きがあるため、脂質異常症を予防するうえで積極的にとりたい栄養素です。主食を精白度の低い胚芽米や麦飯、全粒粉のパン・ライ麦パンを選ぶと手軽に食物繊維をとることができます。また3度の食事ごとにたっぷり2皿の野菜類・海藻・きのこ・こんにゃくなどを食べましょう。豆類や納豆にも食物繊維は多く含まれていますので、普段の食事に取り入れてみましょう[7]。

選ぶ食品を少し工夫して脂質と上手に付き合おう

忙しくて料理をする時間がないという方は、手軽に調理できる加工食品に頼りがちな食生活になり、つい脂質をとり過ぎるNG習慣を続けてしまっているかもしれません。日々の食事の選び方を少し工夫して、食物繊維をプラスして取り入れてみるなど、脂質と上手に付き合うことで脂質異常症予防に努めましょう。

【参考文献】(すべて2022年1月31日閲覧)*外部サイトに遷移します

[1]農林水産省: みんなの食育|見えない塩分と脂肪に注意

[2]農林水産省: 脂質やトランス脂肪酸が健康に与える影響

[3] 農林水産省: 脂質による健康影響

[4]厚生労働省: e-ヘルスネット|脂質異常症

[5] 文部科学省: 日本食品標準成分表2020年版(八訂)

[6] 厚生労働省: e-ヘルスネット|脂質異常症(実践・応用)

[7]  厚生労働省: e-ヘルスネット|食物繊維

【プロフィール】管理栄養士/便秘改善アドバイザー 南田さとみ

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15年悩み続けた辛い便秘をたった3ヶ月で卒業できたオリジナルの食事法、10分以内で作れる「スルっと快便!ガチ速!腸改革メシ」で、便秘でお悩みの方をサポートする「腸改革講座」主宰。管理栄養士の資格取得後、委託給食会社、介護施設での栄養管理に携わり、現在はフリーランスとして、レシピ開発、コラム執筆など幅広く活動中。

記事提供:リンクアンドコミュニケーション

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