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2022.02.24

話題のヘルシーオイル「カメリナオイル」って何?人気の理由について管理栄養士が徹底解説!


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ひと昔前まで、油はカロリーが高いことから敬遠され、“油=悪者”と思われていましたが、そんな時代は終わりを迎え、今やいかに健康的に油を摂るかに注目が集まっています。ここ数年、オメガ3の亜麻仁油、エゴマ油の流行を皮切りとして、ヘルシーオイルブームが続いていますが、そのなかでも、最近YouTubeやSNSで美容や健康に良い油として話題になっている“カメリナオイル”をご存知でしょうか? 今回は、ブームが来つつある“カメリナオイル”について、栄養学的な特徴やおすすめのとり方を紹介します。

“カメリナオイル”の正体とは?

カメリナオイルは、カメリナサティバ(和名はナガミノアマナズナ)と呼ばれるアブラナ科の植物の種子から抽出したオイルです。カメリナは豊富な栄養成分と美しい黄金色から、欧米では「gold of pleasure(喜びの金)」と呼ばれています。

北ヨーロッパ、中央ヨーロッパ、中央アジア地域に自生していますが、主にカナダ、米国、スロベニア、イタリアで商業的に油糧種子作物として栽培されています。カメリナサティバの種子を小鳥の餌として与えていたところ、小鳥の羽のつやがよくなっていることから、その美容・健康効果が注目されはじめました。[1]

“カメリナオイル”の栄養学的な特徴

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カメリナオイルには、食べ物から摂取する必要がある必須脂肪酸のオメガ3、オメガ6が豊富に含まれています。特に抗炎症作用などさまざまな体に嬉しい作用をもつオメガ3は、外食や加工食品中心の食生活をしていると不足しがちなので意識して摂りたい栄養素の1つです。カメリナオイルが注目されている理由は、このオメガ3の含有量の多さにあり、脂質全体の約40%と数あるオイルのなかでも特に多い特徴があります。さらに、オメガ3、オメガ6、オメガ9の比率が2:1:2とバランスが良いことも人気の理由となっています。また、カメリナオイルは植物ステロールが豊富な点も魅力の1つ。植物ステロールとは、野菜・果物・海藻・いも類・豆類などの植物に含まれる抗酸化物質のフィトケミカルの一種で、血液中のLDL(悪玉)コレステロールと総コレステロールを下げる働きがあるといわれています。さらに、抗酸化作用をもつビタミンEを豊富に含むため、酸化しやすいオメガ3が豊富に含まれているオイルにも関わらず、酸化しにくい特徴があります。[1,2]

“カメリナオイル”のココがすごい!

カメリナオイルは、オメガ3が豊富なヘルシーオイルのなかでも次の点で優れています。

(1)常温保存ができる

亜麻仁油やエゴマ油など、これまで日本で流行したオメガ3が豊富なオイルは、酸化しやすいことから冷蔵庫での保存が適していますが、カメリナオイルは酸化しにくい特徴があるため、常温で保存が可能です。酸化をより防ぎたい場合は冷暗所で保存すると良いですが、常温で長期保存ができるとより購入のハードルが下がって嬉しいですよね。

(2)加熱調理に使える

上記の通り、カメリナオイルは酸化しにくく、発煙点が240℃と高く、加熱してもオメガ3がほとんど壊れないため、加熱調理用、生食用の両方で使用することができます。なんと、オメガ3のオイルは生で摂る、というこれまでの常識を覆す特徴があるのです。

どのように活用したらいいの?

カメリナオイルは、生のままサラダにかけるのはもちろん、加熱して炒め物に使うなどさまざまな使い方ができます。マイルドでナッツのようなアーモンドのような風味と緑の草本の香りがあると言われていますが、この特有の香りが気になる場合は、加熱して使うと良いでしょう。揚げ物にも使うことができますが、長時間加熱し高温にさらすことはおすすめできません。

厚生労働省が目安としているオメガ3の1日の適正摂取量は、18歳以上男性は2.0~2.2gで、女性は1.6~2.0gです。カメリナオイルに換算すると、1日6g程度、大さじ1/2くらいが適正量です。

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もちろん、どんなに健康的な成分が含まれているオイルとはいえ、脂質であることには変わりませんので、1gあたり9kcalと高カロリーであることは忘れてはいけません。大量に摂れば良いわけではありませんので、摂りすぎには注意しましょう。[3]

話題のヘルシーオイルを味方につけて、より健康的な食生活へ

カメリナオイルは、比較的高価で、なおかつ少し風味に癖があるので日本人の食卓にはやや馴染みにくいかもしれませんが、オメガ3が豊富なのに酸化しにくく、加熱調理に使えることなどのメリットがあります。外食や加工食品を食べることが多く、脂質のバランスが気になる方は、日々の食生活のなかで使っているオイルをカメリナオイルに置き換えるか、“適量を”プラスする形で活用してみるのも良いかもしれません。

【参考文献】(すべて2022年2月2日閲覧)

[1] Health Canada(カナダ保健省): Novel Food Information - Camelina Oil ※外部サイトに遷移します

[2] K Ratusz, et al.: Bioactive Compounds, Nutritional Quality and Oxidative Stability of Cold-Pressed Camelina (Camelina sativa L.) Oils. Appl. Sci. 2018; 8(12): 2606 ※外部サイトに遷移します

[3] 厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2020年版)」脂質 ※外部サイトに遷移します

【プロフィール】管理栄養士 藤橋ひとみ

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株式会社フードアンドヘルスラボ 代表取締役
毎日の食事で心身のトラブルを予防・改善できる社会の実現を目指し、フリーランスの管理栄養士として活動中。 東京大学大学院、医学博士課程在籍。EBN(科学的根拠に基づく栄養学)の考え方を大切に、コラム執筆・監修、メディア出演等、健康情報を伝える活動や、食と健康の専門家のスキルアップ支援を行う。大の大豆・発酵好きで、国内外にてその魅力を発信している。著書「おいしく食べてキレイになる!おから美腸レシピ」

https://is-food-health-labo.com/ ※外部サイトに遷移します

記事提供:リンクアンドコミュニケーション

リンクアンドコミュニケーションは、最新の健康情報の発信や健康課題を解決するサービスを提供します。最新の健康情報を医療・健康分野の専門家が評価し、コメント付きで紹介するサービス「HEALTH NUDGE」もチェックしてみてください。

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