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2021.01.26

犬を飼う人ほど「不幸を遠ざける」科学的根拠|猫好きも驚き!ワンダフルなメリットの数々


犬好きが享受する驚くべきメリットの数々とは?(写真:YAMATO/PIXTA)

犬好きが享受する驚くべきメリットの数々とは?(写真:YAMATO/PIXTA)

「愛犬の写真を持ち歩く人」や「子どもの写真を待ち受けにする人」ほど幸せになれる理由とは? 「カワイイ」ものが人に与える好影響の数々を、明治大学法学部教授の堀田秀吾氏による新刊『図解ストレス解消大全』より一部抜粋・再構成してお届けします。

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イライラが募ったり、ストレスがたまったりすると、心が落ち着かない。そういった経験は誰にでもあるはずです。ところが、「動物のカワイイ写真」や「愛くるしい動画」を見ると、どういうわけか心が穏やかになり、先ほどまで感じていたイライラが和らいでしまうから不思議です。

かわいければ何でも許してしまう――、俗に「カワイイは正義」などと呼ばれていますが、実は科学的にも「カワイイ」は有効な効果を生み出すことが示されているんですね。

「カワイイ」ものを机に置くと仕事が捗る?

広島大学の入戸野宏ら(2016年からは大阪大学教授)が大学生約130人を対象に行った実験によると、「カワイイものを身のまわりに置くことで、作業効率を上げることができるかもしれない」ことが報告されています。

実験では、穴からピンセットで小さな部品をとり出す作業や、数列から指定された数字を探しだすといった集中力を必要とする作業をしてもらいました。

この際、あらかじめ学生たちを、【①子猫・子犬】【②成長した猫・犬】【③すしなどの食べもの】の写真を見ながら作業する3つのグループに分け、作業のあいだにそれぞれ写真を見せて成績を比較しました。

その結果、【子猫・子犬】の写真を見たグループのみ、ピンセット作業で44パーセント、数字を探し出す作業で16パーセント、それぞれ通常時よりも向上したというのです。ほかの写真を見た2グループには、特に変化がなかったといいます。

「カワイイという感情が生まれたとき、対象に接近して詳しく知ろうとする機能が作動するため、より集中する効果が生まれたのでは」というのが、研究を主導した入戸野氏の見解です。

たしかに、多くの人はカワイイものを見ると、もっと「しっかり見よう」という気持ちが無意識に働きます。結果、注意力が上がり集中状態が持続したと考えられる、つまり“カワイければ、カワイイほどいい”というわけです。

ペンシルバニア大学のグロッカーらの研究では、カワイイ赤ちゃんの写真を見ると、やる気や集中力や喜びに関係する脳の部位が顕著に活性化されることが確認されています。集中力が散漫になっているときは、スマホで赤ちゃんや愛くるしい子猫や子犬、子パンダなどの動画を見てみてください。

ただし、ずっと見ているのは逆効果。研究では1分~1分半という長さがちょうどいいということです。それ以上はダラダラ見てしまうだけなので注意してくださいね。

あのGoogleが「犬」をとても大事にする理由

また、写真や動画を見るだけではなく、実際に動物と交流を持つことはストレス解消にも効果的です。

人間関係を形成することそのものにストレスを感じるという人にとって、「動物と触れ合うことで“幸せホルモン”のセロトニンやオキシトシンが増える」という“ペットセラピー”の研究は、心強い処方箋となるでしょう。

職場にネコを放し飼いにする企業などもありますが、ネコの愛くるしさをもって、ストレスを軽減させる、癒やされる、というのは良い効果をもたらす実践とも言えそうです。

世界的企業のGoogleも、自社を「ドッグカンパニー」と称するほどで、企業文化になくてはならない存在として犬を挙げているほど。従業員にペットの健康保険を提供するなど、海外では動物を家族のように扱う例が少なくありません。

実際に動物が、とりわけ犬が、人間に与える好影響を示す検証は数多くあります。カロリンスカ研究所のピーターソンらは、10人の被験者に自分の飼い犬と60分間接してもらい、その前後、また途中で、被験者の血液からセロトニンやコルチゾールの反応を調査しました。

その結果、最初にオキシトシンが少なかった被験者ほど、犬に頻繁に触りたがり、触ったあとに大きな反応がありました。ただ、残念なことに、触られる頻度が高いほど犬のほうのコルチゾール値が高くなる傾向がありました。つまり、人間は癒やされる一方で、ストレスが上がってしまう犬もいるということです。

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アメリカでは、動物と触れ合うことを「アニマル・アシステッド・アクティビティーズ(AAA)」「ペットセラピー」などと呼び、積極的にとり入れる医療現場も増えています。

ドイツでも、90パーセント以上の医療従事者が、動物がもたらす効果を認めているという調査結果もあるほどです。なかでも、大きなセラピー効果をもたらす動物が犬と言われています。

麻布大学の菊水健史らの研究では、犬はオキシトシンの分泌を活発化させるだけでなく、犬の健康のために朝と夕方の散歩が欠かせないことから、屋外に出て日光を浴び、セロトニンの分泌量が増えるという利点も挙げています。

犬を飼うことで、飼い主自身も規則正しい生活が身につき、セロトニンが出やすい環境がつくられていく点も長所と言えそうです。

電話番号を教えてもらえる確率も向上

最後に、ブルターニュ大学のゲーガンとシコッティーの興味深い研究を紹介しましょう。異性に対して、犬を連れて歩いて声をかけたケースと、1人で声をかけたケースを比較したところ、前者のほうが、異性が自分の電話番号を教えてくれる成功率が高かったそうです。

なんと犬を連れているケースは、3倍の確率で電話番号を教えてもらえたのです。犬を連れていることで、“ ワン” ダフルな人と思われて、警戒心も薄れたのかもしれません。

人付き合いは苦手だけど、動物は好きという方も多いはず。動物は、人間にとてもポジティブな反応をもたらしてくれる大きな存在。ストレスがたまっている人は、動物と交流をはかるようにしてくださいね。

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【あわせて読みたい】※外部サイトに遷移します

「36回ローンで購入された猫」の悲しすぎる結末

「小金持ちと大富豪の差」は出すゴミでわかる訳

コロナで「ひよこバカ売れ」アメリカの異常事態

提供元:犬を飼う人ほど「不幸を遠ざける」科学的根拠|東洋経済オンライン

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