2020.08.13
立秋(りっしゅう)/夏の終わりを楽しみつつ、疲労蓄積に注意
ひぐらしの声やほおずきの実に秋の始まりを感じる
立秋(8月7日〜)は、名前のごとく秋を感じ始める時期です。
季節の始まりの初候は、道端には紫色のつゆくさが咲き乱れ、秋の気配が漂い始めます。桃やしじみが旬を迎え、ときどき吹くそよ風や朝晩の涼しさに秋を感じるかもしれません。そして、季節が進む次候では、朝夕に響くひぐらしの声で夏の終わりを感じ、赤く熟したほおずきの実を見かけるようになります。
また、立秋の終わりである末候(8月18日以降)は、真ダコや新生姜が旬を迎えるとともに、濃い霧の林を歩いていると、木の葉から露が落ちてくる樹雨(きさめ)を感じたり、子孫を残すために交尾をしているおんぶばったを見かけたり。本格的な秋の始まりを感じるようになります。
夏バテ・夏かぜにご用心!
立秋は、温度調節が難しい時期です。日中はとても暑いにもかかわらず、朝晩は涼しく感じて温度差が大きく、からだが熱くなったり冷えたり、体温調節が必要になります。そのため、自律神経機能が低下し、夏なのに冷えを感じたり、冷房を寒く感じたり、食欲が低下したり、ひどいときには食中毒を起こしやすくなります。その結果起こる夏バテや夏カゼには、いつも以上に注意が必要です。
気温の変化により、消化吸収がうまく行えないと、心のバランスを整えてくれるセロトニンなどホルモン分泌にも影響を与え、気分が落ち込んだり、やる気が出ない状態に陥りがちです。
食で肝機能を高め疲労回復
この季節は栄養価の高いものをとるよう、心がけましょう。特にしじみは栄養価が高く、肝臓の機能を高め、疲労回復に優れています。また利尿作用があって、体内の毒素を排出し、むくみなどを解消する役目もあります。時折、貝類には毒素が多く含まれているため、産地や鮮度には十分気をつけて選びましょう。
こころとからだの二十四節気2019年<立秋>の記事はこちら ※外部サイトに遷移します
伊藤和憲(いとうかずのり)
鍼灸師・明治国際医療大学教授・鍼灸学部長・鍼灸臨床部長
1972年生まれ。鍼灸学博士。全日本鍼灸学会理事。明治国際医療大学鍼灸学部教授。明治国際医療大学大学院鍼灸学研究科教授、同大学大学院研究科長。2012年~2014年、厚生労働省科学研究費助成事業 地域医療基盤開発推進事業「慢性疼痛患者に対する統合医療的セルフケアプログラムの構築」, 2014年~2015年同研究助成事業「鍼灸における慢性疼痛患者の治療方針ならびに医師との連携に関するガイドライン」の研究班班長を務める。また、2016年より過疎化対策の一環として京都府南丹市にて養生の体験教室「MIYAMA 森の湯治場」、さらには奈良県宇陀郡曽爾村の美人プロジェクトを監修。明治国際医療大学附属鍼灸センター長を務め、「はり・きゅう」の治療に当たるとともに、慢性痛患者のためにセルフケアを指導している。
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文/伊藤和憲(鍼灸師・明治国際医療大学教授)
イラスト/中根ゆたか
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提供元:立秋(りっしゅう)/夏の終わりを楽しみつつ、疲労蓄積に注意|ワコール ボディブック