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2020.03.09

「睡眠が上手に取れる人」に共通する5つの法則|ムダな眠気に悩まず、すっきり仕事できる


眠気をうまくコントロールできる人の特徴とは?(写真:Milatas/iStock)

眠気をうまくコントロールできる人の特徴とは?(写真:Milatas/iStock)

よい眠りが取れているビジネスパーソンは、日中高い集中力を発揮し、ここぞというときの判断力にも長けています。

拙著『ハイパフォーマーの睡眠技術 人生100年時代、人と組織の成長を支える眠りの戦略』でも詳しく解説していますが、私が運営する会社が1万人以上のビジネスパーソンから睡眠に関わるデータを集めてわかったことは、よりよい睡眠を取れている人ほど、会社からの評価だけでなく、周囲からの信頼が厚く、数字での結果を残していることです。

『ハイパフォーマーの睡眠技術 人生100年時代、人と組織の成長を支える眠りの戦略』 ※外部サイトに遷移します

ハイパフォーマーの睡眠の定義

仕事ができる人――つまり、「ハイパフォーマーであるビジネスパーソン」の睡眠の定義は3つです。

<1>朝起きたときに頭がすっきりしている

<2>日中に来る眠気をコントロールできている

<3>リラックスしたいときに眠気が来る

<1>は、とくに起きてから4時間以内に強い眠気が来ないことが指標となります。前の晩に質のよい眠りがとれていれば、起床後4時間以内に強い眠気は起きづらい傾向があります。

<2>は、眠気によって仕事に支障をきたしていないことがハイパフォーマーの睡眠の定義の1つです。「そもそも、ハイパフォーマーは眠気を感じないのでは?」という声が聞こえてきそうですが、そんなことはありません。私たち人間には、起きて光を浴びたタイミングからだいたい7〜8時間後に眠気を感じる「サーカディアンリズム」と呼ばれる身体のメカニズムが備わっています。これは、正常な睡眠がとれているのであれば誰しもに訪れるもので、この日中の眠りに対して適切に対応できているのが、ハイパフォーマーの特徴です。

<3>は、寝る時間、つまりリラックスしたい時間帯にちゃんと眠気が来ているかどうかということが重要です。ハイパフォーマーには、身体のオンとオフの切り替えがしっかりとあり、寝たいときに眠れる身体のリズムを持っています。

【ハイパフォーマーの睡眠の法則】
(1)ベッドに入ってからの寝つきがいい
(2)起床時間が整っている
(3)本睡眠前にうとうとしていない
(4)仮眠をフルに活用している
(5)寝る時間に拘束されない

ビジネスパーソン1万人以上の睡眠データから導き出した法則は、以上の5つです。順番に解説していきましょう。

(外部配信先では図表やグラフを全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

効率のいい睡眠とは?

(1)ベッドに入ってからの寝つきがいい

N(Normal)は、一般的なビジネスパーソンのもの、H(High)はハイパフォーマーの定義に当てはまるビジネスパーソンの睡眠習慣を表した図です。

(1)の部分に着目すると、Hはベッドにいた時間と寝た時間にほとんど差が見られないのに対し、Nは、ベッドに入ってからしばらくの間、眠れていないことがわかります。

寝つきのよさは「睡眠効率」といい、次の公式によって割り出すことができます。

(寝ていた時間)/(ベッドにいた時間)×100=睡眠効率(%)

このパーセンテージが高いほうが効率よく睡眠がとれたことになり、逆に低くなるほど睡眠効率が悪いことを示します。

例えば23時にベッドに入り、眠りに落ちたのは午前1時。起床時間が6時だったとすると、睡眠効率は「5時間(寝ていた時間)/7時間(ベッドにいた時間)×100」となり、71.4%となります。質のよい睡眠は、睡眠効率85%以上になります。

そもそもなぜ、Nはベッドに入ってからなかなか寝ついていないのか。それは、眠りに関係のないこと、スマートフォンやパソコンをいじる、読書をするなどの行為をベッドの上で行っているのです。これを習慣化してしまうと、脳は寝室を「遊ぶ部屋」「学習をする場」と認識します。脳は行為をセットで記憶するため、こういった行動を続けていると寝室を「眠る場所」として認識しなくなり、その結果、寝つきにくくなったり、眠りの質が悪化したりしてしまいます。

ただ、寝つきがよすぎるのも問題。ベッドに入ってから1分以内に眠ってしまう状態は慢性的な睡眠不足の証拠です。理想的な寝つき方は3〜10分かけてまどろみを感じ、徐々に入眠していくことです。

(2)起床時間が整っている

次に、2つの図の(2)の部分、起床時間を見比べてみましょう。

Hは土日を含めて起きる時間がほとんど整っていますが、Nは起床時間にばらつきがあります。とくに土日は、昼頃まで寝ている様子がうかがえます。

結論からいうと、ハイパフォーマーと呼ばれるビジネスパーソンは、1週間を通して起床時間が整っています。

一定の時間に起床し、光を浴びる。このセットを継続することによって身体のサーカディアンリズム(概日リズム、一般的に体内時計とも言う)が規則的になります。逆に、極端なズレが生じると、リズムが後ろ倒しになり、眠気に襲われやすくパフォーマンスの低下につながってしまうのです。

平日と休日の生活リズムに悩むBさん

起床時間を整えろと言われて悩むのが平日と休日の生活リズムです。私が睡眠アドバイスを行ったコンサルティング業界に勤めている30代OLのBさんは、毎週月曜の朝に「会社に行きたくない……」という気持ちに悩まされていました。いわゆるブルーマンデー症候群といいますが、月曜日に限らず、長期連休明けなどにこの症状に陥る人も多いです。

私は、Bさんにサーカディアンリズムを整えることを提案し、土日の起床時間も平日と同じ時間にそろえることを推奨しました。

睡眠のリズムを一定に保つことを徹底し、週末の過ごし方を変えたBさんは、ブルーマンデー症候群の特徴である、だるさや意欲の低下を感じなくなったことはもちろん、自分のベストパフォーマンスが発揮できる時間帯を見つけられたと言います。

起床時間を整えたことで、「平日のとくに13時頃になると眠たくなる」「10時頃は集中力を出しやすい」といった自分のパフォーマンスの傾向が見えてきたBさんは、うまく業務の振り分けができようになったのです。

重大な決断をする会議や頭を使う資料作成をパフォーマンスが発揮しやすい時間帯に、逆に眠気に襲われやすい時間帯は頭を使わない単純作業をするなど、仕事を割り振ることで業務効率は飛躍的にアップします。

(3)本睡眠前にうとうとしていない

仕事を終え、帰りの電車内。座ったとたん、つい、うたた寝をして最寄り駅を乗り過ごしてしまった……多くの人がこのような経験をしています。

座席も温かく、電車のゆらぎによって寝つきやすくなってしまうことは否定しません。しかし、この時間帯に寝てしまうと、夜の睡眠に悪影響が出てしまいます。

図の帰宅時間帯の部分(3)を見比べてみると、Nのほうは平日の21時前後に短時間眠っている箇所がいくつかありますね。帰りの電車でのうたた寝、もしくは帰宅後に自宅のソファーに座ってそのまま寝落ちしてしまったといったところでしょう。逆にハイパフォーマーであるHの図を見てみると、眠気を感じてはいるものの、帰宅時間帯に寝ている様子は見当たりません。

睡眠の仕組みは、バネの原理に似ており、起きている時間が長いほど眠る力がたまっていきます。これを専門用語で「睡眠圧(睡眠の恒常性)」といい、深く長い眠りである「本睡眠」に向け、この睡眠圧をしっかりと貯蓄していくことが大切になってきます。ためにためてきた睡眠圧を本睡眠の直前に一気に解放することが、深い眠りに入るための条件となるのです。

(4)仮眠をフルに活用している

先ほども書いたように、私たちは起きて光を浴びてから7〜8時間後には、眠気が訪れます。また、睡眠圧の原理によって、起きている時間が長ければ長いほど眠気を感じやすくなることにも抗えません。

これらの眠気を感じることは、身体の異常ではなくむしろ正常なリズムを持っている証しです。ここで重要になってくるのは、日中に感じてしまうこの眠気をどう解消していくかです。

眠気を解消したいとき、多くの人はコーヒーなどカフェインを取っていますが、それはただ眠気を一時的にブロックしているにすぎません。この対処法はドーピングのようなもので、根本的な眠気の解決にはならず、一定の時間をすぎるとまた眠気が押し寄せて、再びパフォーマンスが低下します。

質のよい仮眠を取るための方法

質のよい仮眠をとるためには、以下の3つが重要です。

(1)仮眠時間は15〜30分

(2)心臓より頭が上にくるように眠る

(3)仮眠前にカフェインを取る

この3つを意識すると、質のよい仮眠が取れ、その後のパフォーマンスがアップします。

記事画像

『ハイパフォーマーの睡眠技術 人生100年時代、人と組織の成長を支える眠りの戦略』(実業之日本社)。 ※外部サイトに遷移します

(5)寝る時間に拘束されない

これは大変シンプルなことですが、ハイパフォーマーは早く眠れるときは、潔く早く寝ています。睡眠において大切なのは、リズムであり、寝る時間を一定にすることではありません。早く寝られるときに、早く寝ることが、日頃の睡眠不足を解消するために大切なのです。

なぜ、改めてこのことに言及するのかというと、「睡眠のリズムを一定に保つ」という強い意識のせいで、かたくなに寝る時間を一定に保とうとする人がいるからです。「絶対に0時に寝て6時に起きる。6時間睡眠を死守する」という意識の人は思いのほか多いのですが、眠れるときは眠る時間を確保することが大切です。

基本的には「眠い」と感じたら、それは身体が眠りを求めているサイン。疲れ具合や脳の負担は毎日同じではないため、身体と脳の状態に耳を傾け、早く寝たいときは身体に正直になるといいでしょう。

記事画像

【あわせて読みたい】※外部サイトに遷移します

寝ても疲れがとれない人がすべき「3つのこと」

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提供元:「睡眠が上手に取れる人」に共通する5つの法則|東洋経済オンライン

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