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2019.09.20

「夏の終わりに甘酒」


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発酵食品がからだにいいと聞くけれど、普通の食品と何が違うのでしょう?
そもそも発酵食品とは、微生物の力を借りて保存性を高めた食品のこと。微生物は酵素などを使って、糖などの栄養分を分解し、その過程でエネルギーを得て、いらなくなった副産物を外へ排出します。この一連の流れを発酵と呼びます。この発酵によって、食品はおいしくなったり、栄養価がアップすることがわかっています。
「発酵」は、人間のからだに役立つものを作り出す過程、「腐敗」は発酵と同じように微生物が繁殖しても食べられない状態になること。同じ微生物の作用でも、発酵と腐敗は紙一重なんです。

今回、その発酵食品の中で取り上げたいのは「甘酒」。
甘酒と聞くと、なんだか冬の寒いときを連想してしまいますが、江戸時代には夏の飲みものとして親しまれ、俳句でも「夏の季語」となっているそうです。「飲む点滴」と言われているほど、栄養価の高い飲み物として、昔から飲まれていたものです。

甘酒には2種類の作り方があり、米こうじと米を原料として作るものと、酒粕を原料にして作るものとがあります。酒粕を溶いて、砂糖を加えて飲む甘酒も、もちろん酒粕自体が発酵食品。なので栄養価はこちらも高いです。しかし、砂糖を加えるという点と、アルコールが含まれるという点で注意が必要ですね。一方、米に米こうじを加えて作る甘酒は、酵素がでんぷんを糖化して甘みを出すので、自然な甘さで低カロリーです。

また、栄養価としては、発酵によって糖とたんぱく質は分解され、ブドウ糖、アミノ酸といった吸収されやすい状態になっています。ビタミンB群などは麹菌が増殖する際にたくさん作られ、元の米の数倍にもなるともいわれています。
ビタミンB群といえば、疲労回復ビタミンとして有名で、糖質・脂質・たんぱく質それぞれの代謝にビタミンB群が深く関わっています。このビタミンB群がとれていなければ、せっかくとった糖質や脂質も、からだの中でうまく機能しないというわけ。

暑い時にジュースやビールも爽快ですが、夏バテしそうになったときこそ冷やし甘酒、おすすめです!!

おくだじゅんこ(管理栄養士)

広島生まれ。国立病院勤務の後、8年間にわたり株式会社ワコールに勤務。陸上選手から社員まで幅広く健康管理に携わる。2012年に再び地元広島へ戻り診療所の栄養士に。
自身が根っから食いしん坊☆自分自身の栄養管理に日々奮闘中!

イラスト/いしわたりきわこ

東京生まれ。テキスタイルデザイナーを経て、コピーライター、ライター、イラストレーターに。渾身の著書「駅弁の旅」、「ぜいたくはひとりごはん」共著に「東京ナチュラルスイーツ」、「おいしいごはんの店~自然派レストラン全国ガイド」などがある。

※この記事の内容について、株式会社ワコールは監修を行っておりません。
※この記事に含まれる情報の利用は、お客様の判断と責任において行なってください。

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提供元:「夏の終わりに甘酒」|ワコール ボディブック

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