2018.11.06
糖尿病ってどんな病気?なりにくい生活習慣?!【特集】
11月14日は「世界糖尿病デー」です!
これは、国連が2006年に認定したものであり、毎年この日に世界中で糖尿病の予防や治療、療養を喚起する啓発運動が推進されています。日本では、毎年全国で一斉に各地の観光施設がブルーにライトアップされ、啓発活動が行われています。ブルーは「どこまでも続く空」と、国連のシンボルカラーに由来しているそうですよ。
厚生労働省の平成28年「国民健康・栄養調査」によると、現在糖尿病の「予備群」とされる人口はおよそ1000万人。これだけの数の糖尿病患者や「予備群」が存在するとされていながら、自身の健康状況を把握できていない人が多い、というのが現状です。糖尿病の恐いところは、痛みなどの自覚症状がないにかかわらず、重大な合併症を引き起こし、命を奪う恐ろしい危険があるという点です。そのため、重症になる前に早期発見・早期治療を行うがとても大切です。
そこで今回、糖尿病の診断方法や予防策などを一挙ご紹介します!
ぜひこのイベントを機に、ご自身や大切な人とともに、糖尿病について考え、予防にむけた一歩を踏してみませんか?
糖尿病になったらどうなるの?
糖尿病は、血液の中の糖濃度(血糖値)が高い状態(高血糖状態)が続く病気です。
血糖値を下げるホルモン(インスリン)の効きが悪くなり、すい臓は血糖値を下げる為により多くのインスリンを分泌しなければならず、酷使され続けることで疲弊し、働きが低下します。その結果、血糖が下がりにくくなります。
血糖値が下がりにくくなり、身体に余剰な糖がある状態が続くと、糖化が進みやすくなります。さらに糖化が進むと、AGEsが蓄積され、様々な合併症を併発するなど、病状に悪影響を及ぼします。
(1)糖尿病合併症の発症・深刻化
網膜症・腎症・神経障害・心筋梗塞・脳梗塞・歯周病など
(2)糖化に起因する症状にも、さらに悪影響を及ぼす
肌老化・歯周病・アルツハイマー症・骨粗しょう症・不妊症・白内障など
AGEsが増えると、身体の細胞にくっつき、糖尿病合併症などを悪化させる一因である”酸化ストレス”を増大させます。しかし、 AGEsと細胞の結合をブロックし、体外に排出を促すブロッカーが血液中には存在します。
実はこのブロッカーは、日々の食生活で増やすことができるのです。
これを機に、ご自身の今の食生活を見直して、血糖値ケアを実践してみませんか?
>>自宅で簡単に血糖値ケアを実践する方法とは?記事の続きはコチラ!
健康診断では見つからない!?「食後高血糖」にご注意!
健康診断を受けていてもダメ?
「私も家族も、年に1度の健康診断を必ず受けているから、健康状態はバッチリ把握できているはず!」と思っている人は油断大敵。健康診断では見つからない「食後高血糖」という症状があるのだとか。健診で見つからないならどうすればいいのでしょうか?食後高血糖は予防はできるのでしょうか?
疑問を解決するべく、サンスター研究員で博士(医学)でもある石角篤さんにお答えいただきました!
食後高血糖とはどのような症状なのでしょうか?
食事をすると、誰でも血糖値が上昇します。インスリンの分泌機能が正常なら、上昇の程度はゆるやかで、すぐに正常値(110mg/dl未満)に戻ります。けれどもインスリンの分泌機能が落ちていると、上昇した血糖値がなかなか正常値に戻りません。食後2時間の血糖値が140mg/dl以上になると、耐糖能異常と診断されます。
血糖値は健康診断で測るのに、食後高血糖が見つからないのはなぜですか?
健診で血糖状態を測る値として「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)」があります。HbA1cの値が高い=高血糖ですが、HbA1cは血糖値の平均をしめすため、食後の血糖値はわからないのです。
また、食後高血糖は自覚することもできません。
気づかないうちに食後高血糖になっているかもしれない。では、どんなリスクがあるのでしょうか?
まずは肥満のリスクが高まります。そして、食後高血糖は「隠れ糖尿病」とも言われるように、生活習慣が原因の2型糖尿病のリスクが高まります。日本人は欧米人に比べてインスリンを分泌する能力が低いため、軽度の肥満でも糖尿病になりやすいのです。
さらに心筋梗塞、脳卒中のリスクも高まることが知られています。
教えて!診断法と予防策
健康診断にて食後高血糖が見つからないとしたら、気になるのは診断法と予防策ですよね。
食後高血糖かどうかを知り、それを防ぐためには、一体何をしたらよいのでしょうか。
答えは、下記のリンクを開いてチェックしてみてください。
>>食後高血糖の確認および予防する方法とは?記事の続きはコチラ!
睡眠負債で糖尿病リスクが上昇!糖尿病になりやすい睡眠習慣とは
糖尿病を防ぐためには、食事や運動を見直し、改善すべきであると言われていますが、大切なのはそれだけではありません。
それは「睡眠」です。皆さんは、毎日しっかりと睡眠がとれていますか?
今のところ糖尿病の予防や治療は、食事と運動、薬が主な柱です。しかし、これからはもっと睡眠に注目して、快眠することで糖尿病を予防し治療していくことが大切になると思われます。
ぜひ、ご自身の睡眠習慣を振り返りながら読んでみてください。
糖尿病患者さんの半数に睡眠障害がある
糖尿病患者さんは健康人に比べて寝つきが悪く(入眠障害)、夜中に目覚めやすく(中途覚醒)、朝早くに目が覚めてしまう(早朝覚醒)傾向にあるとの研究報告があります。糖尿病患者さんでは、4人に1人で眠っている間に息が止まる「睡眠時無呼吸症候群」が見られたとか…。このように、糖尿病の人はかなり高い確率で睡眠の問題を抱えていると考えられれています。
また、糖尿病患者さんでは、夜間の低血糖が心配で間食をしたり、脚のしびれ・痛みを紛らわせるためにアルコールを飲んだりすることがあります。眠る前の食事や寝酒は睡眠の質を悪くするので、これらのことが睡眠障害の原因の一つになっています。
糖尿病になりやすい睡眠習慣
どのような睡眠習慣が糖尿病を引き起こしやすいのでしょうか。
特徴は大きく3つ。
これを機に、ご自身の睡眠習慣と照らし合わせて、見直してみましょう!
1.睡眠時間が短いと糖尿病に2~3倍なりやすい
不眠症や睡眠不足だと、肥満や糖尿病になりやすいことが明らかです。欧米で6,000人以上の中年男性を対象に15年間行われた追跡調査では、不眠がある人はない人に比べて、糖尿病を発症するリスクが1.5倍に上昇しました。
日本で行われた調査でも、同様のことが明らかになっています。糖尿病ではない男性約2,600人を8年間、追跡調査したところ、寝つきが悪い人(入眠障害群)はそうでない人に比べて糖尿病を発症するリスクが3.0倍になり、夜中に目が覚めてしまう人(中途覚醒群)はそうでない人に比べて2.3倍に上昇することが分かりました。
睡眠時間と糖尿病の発症率にも関連があります。約1,500名の一般人を対象に、平均睡眠時間と糖尿病の関係を調査した研究では、睡眠時間が7~8時間の人の糖尿病有病率を基準にすると、睡眠時間が6時間以下の人は1.7倍、5時間以下では2.5倍に上昇します。一方、睡眠時間が長くても糖尿病の人が多く、9時間以上眠っている人では1.8倍になっていました。
睡眠時間が5時間以下の者を不眠のある・なしで2つのグループに分けてみても、両者の糖尿病発症リスクに明らかな差はありませんでした。このことは、不眠症という病気のために睡眠時間が短くなっている人だけでなく、仕事や勉強、趣味などのために睡眠時間を削っている人も、同様に糖尿病になりやすいことを示しています。
>>あと2つの「糖尿病になりやすい睡眠習慣」とは?記事の続きはコチラ!
以上、糖尿病の診断方法や予防策に関するご紹介でした!
糖尿病のことを、少しでも知っていただけましたでしょうか?
出来ることからぜひ、実践してみてください。
記事に関するご意見、ご感想がありましたら、お気軽にお問い合わせフォームよりご連絡ください。