2024.07.08
日光浴は健康にいい?紫外線がリスクとなる病気とその対策とは
「うっかり日焼け止めを塗るのを忘れてしまった!」
誰でも一度はそんな経験があるのではないでしょうか。紫外線は肌にダメージを与えるイメージがありますが、実は肌以外のダメージやリスクになる病気があることを知っていますか?
この記事では、紫外線による身体への影響やその対策について詳しく解説していきます。この夏しっかりと紫外線対策をするために、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
すでに紫外線は真夏と同じ量
紫外線の強さは時期や季節、天候、オゾン量によって大きく変化します。環境省によると、日本は雨や曇りの多い6月と7・8月の紫外線の強さはほぼ変わらないということが分かっています。紫外線は同じ気象条件の場合、太陽が頭上にくる正午ごろが一番強くなります。日本の季節では6~8月にかけて紫外線が強くなるため、対策が必要です[1]。
紫外線は肌だけじゃない!目の影響も
紫外線対策を怠ったり、正しい方法で対策できていないと、肌だけでなく目も悪い影響を受けてしまいます。順番にどのような影響があるのか見ていきましょう。
肌の影響
紫外線が及ぼす肌への影響は、太陽にあたってすぐにみられる“急性傷害”と長年にわたって現れる“慢性傷害”に分類されます。急性傷害とは、真っ赤で痛い日焼け(サンバーン)と、その後に黒っぽくなる日焼け(サンタン)のことを指します。慢性傷害は、皮膚のシミやしわだけでなく、ときに良性の腫瘍や・皮膚がんに繋がる悪性の腫瘍が現れることも。皮膚がんは前がん症である日光角化症の段階で治療すれば生命に関わることはありませんが、治療をしなければ悪化し、転移すれば生命に関わる病気です[1]。
目の影響
紫外線は目にも悪影響を及ぼします。強い紫外線を浴びたときに見られる紫外線角膜炎は、白目の充血、異物感、流涙、ひどくなると強い痛みを感じます。そのほかに、組織が翼状に白目から黒目に増殖する翼状片や、水晶体が濁ってしまい見え方の質が低下する白内障の原因にも紫外線が関係しています [1]。
日焼けする前に紫外線対策をしよう!
紫外線から長期的な健康への悪影響を予防するためには、紫外線の浴び過ぎを予防することが一番大切です。紫外線は正午前後に最も強くなるため、まずはなるべく出かける際に紫外線が多い時間帯を避け、屋内で生活するよう心がけましょう[1]。
もしも日中の外出が避けられない場合には、以下の対策がおすすめです。
日傘・帽子を利用する
日中の外出や外にいる時間が長い場合は、積極的に日傘や帽子を利用しましょう。そのほかにも袖の長いシャツのような、体を覆う部分の多い衣服も紫外線から肌を守ってくれます。なるべく目が詰まっている衣類であるほど紫外線を通しにくくしますが、暑い時期は熱中症のリスクも考慮しなければなりません。そのため、無理のない範囲で着られるものを選ぶようにしましょう[1]。
サングラスをかける
紫外線から目を守ることができるアイテムのひとつとして、サングラスや眼鏡があります。使用するサングラスや眼鏡がプラスチックの場合は“UVカット”表示のあるものを選ぶようにしましょう[1]。
サングラスや眼鏡は、レンズの小さなものや、顔の骨格に合わないものは十分な予防効果は期待できません。そのため、なるべくゴーグルタイプのものや、顔にフィットしたある程度の大きさがある眼鏡をかけるようにするとよいでしょう[1]。
日焼け止めを上手に使う
衣類などで覆うことができない顔や首などは、日焼け止めを使うのが効果的です。日焼け止めの効果は“SPFとPA”で表示されており、SPFは数字、PAは+で表されています。どちらも数が多いほど防止効果が高くなることを覚えておきましょう[1]。
日焼け止めを塗るタイミングは“外出する前”がおすすめです。顔に塗る場合、額、鼻の上、両頬、あごに分けて点置きし、まんべんなく丁寧に塗りのばしましょう。その後、もう一度同じ量をつけることでムラなく塗ることができます。腕や脚の場合、容器から直接直線を描くようにつけてから、手のひらでらせんを描くようにムラなく伸ばすようにしましょう。この工程を腕や脚の表だけでなく裏も忘れずに行ってくださいね[1]。
日焼け止めは手や衣服に触れたり、汗をかいてタオルやハンカチで拭くことで落ちてしまいます。日焼け止めを塗りなおす際は、落ちたと思ったとき、もしくは2~3時間おきに塗りなおすのがおすすめです[1]。
実は、紫外線を避けすぎると別のリスクがある!?
ここまで紫外線を浴びることで起こるリスクをお話ししましたが、実は、紫外線は私たちの体に必要不可欠な栄養素を産生することができます。その栄養素とは“ビタミンD”です[1]。
ビタミンDは、骨を作るカルシウムの吸収を助ける作用があり、丈夫な骨を作るのには欠かせない栄養素です。不足することで骨の軟化や骨粗鬆症のリスクが高まります。そのため紫外線を徹底的に避けるのではなく、浴び過ぎないように意識することがとても大切です[2]。
上手に紫外線対策をして病気から身を守ろう
紫外線の浴び過ぎは日焼けだけではなく、皮膚がんや白内障などの発症リスクを高めます。しかし、紫外線は骨を作る栄養素のひとつであるビタミンDを産生するために必要です。日頃から外出の際は日傘や帽子、サングラスを利用したり、出かける前に顔や首などは日焼け止めを塗ることで、紫外線の浴び過ぎを防止していきましょう。
【参考文献】(すべて2024年5月20日閲覧)※外部サイトに遷移します
【プロフィール】管理栄養士 石川桃子
歯の健康は全身の健康に関わること広めたい、そして心身のトラブルを薬に頼らず、毎日の食事から予防・改善したいという方を一人でも多くサポートをしたいという想いから、現在歯科医院で専属管理栄養士として栄養指導を中心に活動中。そのほかにコラム執筆・監修、食育講演、セミナー講師など幅広く活動している。
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記事提供:株式会社Wellmira
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