2024.06.11
玄米とは~白米との違いや肝臓に悪いという噂について管理栄養士が解説~
当記事の執筆は、管理栄養士 佐藤久美が担当しました。 ※外部サイトに遷移します
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完全栄養食品と言われる玄米。
メディアで取り上げられることも多いので「なんとなく体に良いイメージはあるけれど、何が良いのか分からない」と感じる方も多いでしょう。
そこで、今回は玄米とはなにかわかりやすく解説いたします。白米だけでなく、発芽玄米との違いの違いや今話題の酵素玄米についてもお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
玄米とは
玄米とは収穫した「もみ」からもみ殻を取ったもので、精米する前のお米のことです。
玄米は精白米に比べて品質の劣化が進みにくいため、貯蔵性に優れています。
精白米として食べる場合でも玄米の状態で保存し、食べる分だけ精米すると風味が豊かでよりおいしく食べられますよ。
白米との違い
白米との違いは、ぬかと胚芽を除いている点です。
多くの家庭や飲食店で目にするご飯は白米(精白米)で、玄米を精米したものです。白米は玄米に比べて消化吸収率が高く、甘みを感じやすいのが特長です。
参考記事:玄米&白米の糖質とカロリー量~比較しながらポイント解説~ ※外部サイトに遷移します
発芽玄米は何が違うのか
発芽玄米は玄米を水につけて発芽させたものです。発芽前よりも表皮がやわらかいため、食べやすくなります。
また発芽することで、新芽の成長に必要な栄養素が増えます。たとえば、気持ちを落ち着かせたり血圧を低下させる作用のあるGABAが豊富です。
玄米のメリットとデメリット
玄米のメリットは、
・ビタミンB群や食物繊維、マグネシウムといった栄養成分が豊富に含まれる
・ダイエットに適している
点です。そしてデメリットには、
・消化不良の恐れがある
・炊きあがりまでの時間が長い
ことが挙げられます。
玄米の栄養と効能
玄米は、ビタミンB1・B6・食物繊維・マグネシウムが豊富に含まれます。
・ビタミンB1:糖をエネルギーに変えるために必要
・ビタミンB6:たんぱく質の分解を助ける
・食物繊維:腸内環境の改善
・マグネシウム:骨や歯を作ったり、エネルギーを産生するために必要不可欠
上記の栄養素は白米と比べて玄米に多く含まれます。
*炊飯後茶碗1杯あたり
参考記事:玄米の栄養成分と効能効果~理想的な健康食なのか管理栄養士が解説~ ※外部サイトに遷移します
ダイエット効果について
玄米は白米と比べて、ダイエットに適した食材です。というのも玄米は白米に比べて硬く、自然と噛む回数が増えるからです。
噛む回数が増加すると満腹感を得られ食べ過ぎを防止できるほか、内臓脂肪の分解が期待できるのでダイエット効果が期待できます。
とはいえ、玄米も食べ過ぎれば当然肥満の原因となります。玄米はお茶碗1膳分(150g)は228kcal、糖質は52.7gです。同量の白米は234kcal、糖質は57.2gなので、玄米の方がやや糖質は低いですが、カロリーには大きな差がないことがわかります。
つまり、ダイエット中に玄米を食べる際は、よく噛んで適量を心がけましょう。
参考記事:玄米ダイエットのやり方とは〜栄養・注意点・レシピをシンプルに紹介〜 ※外部サイトに遷移します
消化不良を起こす理由
玄米は表皮が硬いため、よく噛まずに飲み込むと消化不良を起こし、胃腸に負担のかかる可能性があります。
とく胃腸の弱い方や、噛む力が弱くなっている高齢者は注意しましょう。
炊きあがりに時間がかかるのはなぜか
玄米が炊きあがるまでの時間が長いのは、白米に比べて吸水に時間がかかるからです。
ふっくらとした美味しい玄米を炊きあげるには、1晩吸水させるとよいといわれています。
肝臓に悪いって本当?
玄米は肝臓に悪くありません。
なぜそのような噂があるのか調べたところ、玄米は精米していないため農薬が残っているのではないか、と不安に感じる方がいらっしゃるようでした。
現在日本で販売されている玄米は国の基準をクリアしたものなので、心配し過ぎる必要はないでしょう。もし、心配な方は無農薬の玄米を選ぶと安心ですね。
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毎日食べ続けてもいいのか
玄米は毎日食べても問題ありません。
白米の代わりに玄米を食べれば、より多くの栄養素が摂れますよ。
参考記事:玄米は糖尿病にいい?~血糖値の上がり方をもち麦や雑穀米と比較~ ※外部サイトに遷移します
玄米の美味しい炊き方
ここでは、美味しい玄米を炊くポイントを3つご紹介します。
(1)玄米は軽く洗う:白米のようにとぐ必要はなく、汚れを流すために2~3回さっと洗いましょう。
(2)1合あたり300ccの水で炊く:水加減は白米より多めです。
(3)一晩浸す:芯までふっくらさせるために、米の中央まで水を浸透させる必要があります。硬い皮に覆われている玄米は、白米より吸水に時間が必要です。なお、雑菌が繁殖しないよう冷蔵庫で浸すことをオススメします。
基本的な炊き方は白米と変わりませんので上記のポイントを抑えて、玄米を美味しく食べてくださいね。
また玄米炊き機能のある炊飯器は、長時間の浸水が不要の場合がありますので説明書で確認してください。
初心者にオススメの食べ方
初心者は発芽玄米から始めるほか、白米に発芽玄米を混ぜて食べるといった方法がオススメです。
玄米を食べ慣れていない方にとっては、独特の味や食感が気になる方もいらっしゃいますよね。発芽玄米は玄米に比べて表皮が柔らかくなっているので、白米と同様の方法で炊飯できるものが多いです。浸水時間や水加減を変えずに炊飯できるので、玄米ほど手間がかかりません。
もちろん発芽玄米の商品によっては炊飯方法に注意が必要なものもありますので、購入時には詳細を確認しましょう。
酵素玄米の作り方
初心者にオススメしたいもう1つの食べ方は酵素玄米です。
酵素玄米とは玄米を小豆と少量の塩で炊き、3日程度保温したもの(炊飯器を保温にしたまま1日1回混ぜる)で「寝かせ玄米」とも呼ばれます。
酵素玄米は通常の玄米に比べてもちもちの食感になるので、玄米の食感が苦手な方でも食べやすいです。
また玄米に比べて消化吸収が良いので、胃腸が弱い方や年配の方にも酵素玄米はオススメです。
最近ではレトルトのパックご飯でも酵素玄米が売っているので、手軽に試すことができますよ。
まとめ
以上、玄米とは精白していないお米だとわかりました。玄米はぬかや胚芽が残っているため、白米に比べてビタミンB群や食物繊維、マグネシウムなど栄養が豊富に含まれています。
噛み応えがありダイエットに適している玄米は、よく噛まずに食べると消化不良の恐れがあります。胃腸の弱い方や、玄米独特の味や風味が気になる方は無理に玄米を食べず、発芽玄米や酵素玄米を取り入れるとよいでしょう。
また玄米は肝臓に悪くありませんが、農薬が気になる方は無農薬のものを選ぶと安心です。
それでは当記事を参考に、玄米のことを知り日々の食生活に取り入れていただけると、嬉しいです。
参考文献 ※外部サイトに遷移します
日本肥満学会 肥満症診療ガイドライン2022
執筆者:管理栄養士 佐藤 久美
和洋女子大学家政学部健康栄養学科卒業。卒業後は管理栄養士、登録販売者、健康運動指導士としてドラックストアに勤務。 健康相談、個別ダイエット指導、フレイル予防の運動指導に携わりながら、栄養・運動講座の講師を務める。 たくさんの方とお話しする中で、健康に関する正しい情報・自分に適した情報を得るのは難しいことだと知った。そこで現在は「食や健康に関する正しい情報をわかりやすく伝えたい」という思いで、記事の執筆や監修を中心に活動している。
記事提供:シンクヘルス株式会社
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