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2024.05.20

【新連載】国がすすめる健康づくり対策とは?~健康日本21(第三次)を優しく解説


第3回 栄養・食生活の改善と生活習慣病の予防

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前回は、健康日本21(第三次)が最終的な目標としている健康寿命の延伸と健康格差の縮小について説明しました。今回からは、健康状態を改善するための個人の行動目標について説明していきます。

この連載について――――――――――――
2024年から始まる「健康日本21(第三次)」について、身体活動ガイドラインの策定にも関わられていらっしゃる筑波大学体育系 教授の中田由夫先生に解説していただきます。
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栄養・食生活の目標について

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健康状態を改善するための個人の行動としては、(1)栄養・食生活、(2)身体活動・運動、(3)休養・睡眠、(4)飲酒、(5)喫煙、(6)歯・口腔の健康、の6つが挙げられています。今回は、1つ目の栄養・食生活を説明します。

 栄養・食生活の目標として第一に挙げられているのは、「適正体重を維持している者の増加」です。特に、肥満、若年女性のやせ、高齢者の低栄養、児童・生徒における肥満傾向児が問題視されています。

肥満もやせも問題です

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肥満は、がん、心臓疾患などの循環器病、2型糖尿病等の生活習慣病と関連します。特に中年期の肥満が問題視されていますが、小児期における肥満についても注意喚起されています。

一方で、若年女性のやせは、将来の骨量減少や低出生体重児出産のリスクとなることが知られており、20~30歳代が主な対象となります。また、高齢期においては、肥満よりもやせで死亡率が高いことが知られており、低栄養に対する対応が重要視されています。

野菜・果物を増やし、食塩を減らす

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具体的な食生活として推奨されているのは、主食・主菜・副菜を組み合わせてバランスの良い食事をとること、野菜摂取量を増加させること、果物摂取量を増加させること、食塩摂取量を減少させることです。

バランスの良い食事をとっていると、たんぱく質やミネラル、ビタミンが適正に摂取できることが報告されています。また、野菜と果物の摂取量増加と食塩摂取量の減少は、血圧の改善を通じて、循環器病の予防につながります。

毎日バランスのよい食事をし、みんなで目標クリア!

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バランスの良い食事の指標としては、「主食・主菜・副菜を組み合わせた食事が1日2回以上の日がほぼ毎日の者の割合」が用いられます。野菜摂取量は1日350 g以上、果物摂取量は1日200 g以上、食塩摂取量は7 g未満が目標値です。

ここで挙げた目標は、国の目標であると同時に、国民ひとりひとりが目標にできる数値でもあります。皆さんは、主食(ごはん・パン・麺類など)、主菜(肉・魚・卵・豆類など)、副菜(野菜・海藻類など)を組み合わせたバランスの良い食事を1日2回以上とれていますか?野菜、果物、食塩の摂取量はどうですか?クリアできているものはその継続を、クリアできていないものはその改善を図り、生活習慣病予防と健康寿命の延伸を目指しましょう。

著者:中田由夫(筑波大学体育系 教授 博士 体育科学)

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2004年3月筑波大学大学院博士課程体育科学専攻修了。筑波大学大学院人間総合科学研究科助手、助教、筑波大学医学医療系助教、准教授を経て現職。食事と運動を中心とした行動変容が生活習慣病の予防および改善に及ぼす影響を明らかにする研究を進めている。

【主な論文】
Nakata Y et al. Web-based intervention to promote weight-loss maintenance using anactivity monitor: A randomized controlled trial. Preventive Medicine Reports 14:100839, 2019.

【主な書籍】
江口泰正, 中田由夫(編著). 産業保健スタッフ必携 職場における身体活動・運動指導の進め方. 大修館書店, 東京, 2018.

【主な所属学会】
日本運動疫学会(副理事長)、日本健康支援学会(理事長)、日本体力医学会(常務理事)、日本疫学会(理事)など。

記事提供:株式会社Wellmira

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『世界中の誰もが、自然に健康になれる社会を創る』をミッションとし、「テクノロジー・エビデンス・専門家ネットワークを活用し毎日の健康を自然にサポートできる社会システムの構築」を目指しています。

株式会社Wellmira ※外部サイトに遷移します

【合わせて読みたい】

第1回 日本における健康づくり対策

第2回 健康寿命の延伸と健康格差の縮小

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