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2024.03.05

中性脂肪が気になる方へ、おすすめの食べ物は?科学的根拠をもとにご紹介!


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健康診断で中性脂肪の値が高いと指摘された方もいらっしゃるかもしれません。中性脂肪が高いとさまざまな病気のリスクが高まるため、食事をはじめ生活習慣を見直すことが重要です[1]。
そうはいっても、「食事ではどのようなことを意識すれば良いの?」「中性脂肪を下げるには何を食べたら良いの?」といったような疑問を持っている方も多いでしょう。

そこで、今回の記事では中性脂肪が高いときに意識したい食事のコツを、科学的根拠をもとに解説します。

そもそも中性脂肪とは?高いとどうなる?

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中性脂肪とは、食品中の脂質や体の脂肪のほとんどを占めているものです。体のエネルギー源となるため私たちにとって必要な栄養素ですが、摂り過ぎると肥満を招いたり、血液中の中性脂肪が増え脂質異常症を引き起こしたりします。
なお、脂質異常症とは血液中の中性脂肪などの脂質の値が基準値から外れた状態のことです。中性脂肪の場合は、空腹時に150mg/dL以上であると脂質異常症と診断されます。脂質異常症を放置していると、血管が厚く硬くなる動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳卒中など重篤な病気のリスクが高くなります。そのため、中性脂肪が高い場合は、早めに改善することが重要なのです[1,2]。

中性脂肪の値を下げるのにおすすめの食品とは?

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中性脂肪の値を下げるにはn-3系不飽和脂肪酸を含む食品を摂取することが有効とされています。n-3系不飽和脂肪酸とは脂質を構成する脂肪酸の一種で、主に魚や植物油などに含まれています[1]。

また、食品と中性脂肪の関連を調査した研究が国内外で行われています。そこで、これらの研究のなかから、中性脂肪を下げるために期待できるとされる食品を3つご紹介します。

(1)アマニ

アマニはアマという植物の種子で、n-3系不飽和脂肪酸を含んでいます。
健康な人と脂質異常症を発症している人を対象に、アマニもしくはアマニ由来の食品の摂取による血清脂質への影響を検証した研究をまとめたレビュー論文では、アマニを摂取することで中性脂肪をはじめ血清脂質の値が改善する可能性があることが報告されています[3,4]。

アマニを手軽に摂取するためには、アマニから抽出した「アマニ油」を食事に取り入れるのがおすすめです。アマニ油はスーパーなどで手に入れやすく、健康に役立つ食品として注目されています。熱に弱く酸化しやすい性質があるため、サラダやヨーグルトなどにかけるといったように生のままで摂取すると良いでしょう。

(2)くるみ

ナッツ類の中で、くるみはn-3系不飽和脂肪酸を多く含んでいる特徴があります。また、ビタミンやミネラル、食物繊維も多く含んでおり、生活習慣病の予防や改善に役立つといわれています。
くるみの摂取と血清脂質の関連を検証した海外の研究によると、肥満の人がくるみを摂取することで中性脂肪の値が下がる可能性があることが示されました[3,5]。
くるみを摂取する際には、いつもの間食を置き換えるのがおすすめです。なるべく味付けがされていない素焼きのものを選びましょう。ただし、くるみはカロリー(エネルギー)が高い食品であるため、食べ過ぎに注意してくださいね[4]。

(3)魚(青魚)

中性脂肪の値を下げるのに最もおすすめの食品は魚です。魚もn-3系不飽和脂肪酸を含む食品であり、特にさんまやサバなどの青魚には豊富に含まれています。
魚油を摂取することによる血清脂質への影響を検証した研究をまとめた論文では、魚油を摂取することで中性脂肪の値が下がることが報告されています。このことから、中性脂肪の値を下げるには、魚油の摂取量を増やすことが有効だと考えられているのです[1,3]。
魚油の摂取量を増やすためには、食事に生魚を取り入れることがおすすめです。または、加熱しても魚油を一緒に摂れる鮭のホイル焼きなどの魚の蒸し料理も良いでしょう。

中性脂肪の値を改善するための食事のポイント

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ここまでは中性脂肪値を下げる作用が期待できる食品をご紹介しました。
しかし、中性脂肪の値を改善するには、ご紹介した食品を取り入れるだけではなく、中性脂肪の上昇の原因となる食べ過ぎや飲み過ぎを改善する必要があります[1]。
ここからは、中性脂肪値を下げるための食事のポイントを解説します。

(1)食べ過ぎに注意する

カロリーオーバーは中性脂肪の値の上昇につながるため、食べ過ぎや高カロリー食品の摂取に注意しましょう。特に肥満の方は体に余分な脂肪が溜まっているため、適正体重になるように減量することが重要です。なお、適正体重の目安は18〜49歳の場合、「身長(m)×身長(m)×(18.5~24.9)で求められます。
また、糖質の過剰摂取は中性脂肪の値に影響するため、糖質の多い食品を控えることもポイントです。ご飯や麺は大盛りではなく普通盛りにする、果糖を多く含む清涼飲料水(ジュースやコーラなど)や菓子類の摂取を減らすといったことを意識しましょう[1]。

(2)アルコールを控える

アルコールの多量摂取も中性脂肪の値を上昇させるため、お酒の飲み過ぎに注意し、節度ある飲酒量を心掛けることが重要です。節度ある飲酒量として、1回あたりの飲む量はビール1瓶もしくは日本酒1合程度が目安となります。また、休肝日を設けることも必要です[1,6]。

特定の食品のみに頼らず、食事全体を改善しよう!

中性脂肪値が高い場合は、食生活を見直しご紹介した食品を取り入れることで改善が見込まれます。ただし、中性脂肪を下げるからといって特定の食品ばかり食べると栄養が偏るためバランスを意識することが重要です。また、食事だけではなく、運動も中性脂肪の値の改善につながるため、併せて行うと良いでしょう[1]。
食生活を改善しても中性脂肪値が下がらない場合は、一人で悩まず医師などの専門家に相談してくださいね。

【参考文献】(すべて2024年1月17日閲覧)※外部サイトに遷移します

[1] 一般社団法人日本動脈硬化学会, 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版

[2] 厚生労働省, e-ヘルスネット|中性脂肪 / トリグリセリド

[3] 文部科学省, 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

[4] MS Masjedi ,et al. Effects of Flaxseed on Blood Lipids in Healthy and Dyslipidemic Subjects: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials. Curr Probl Cardiol, 2022 ;47(7):100931.

[5] MS Masjedi ,et al. Effects of Flaxseed on Blood Lipids in Healthy and Dyslipidemic Subjects: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials. Curr Probl Cardiol, 2022 ;47(7):100931.

[6] 厚生労働省: e-ヘルスネット|栄養・食事・血圧から見た許容飲酒量

【プロフィール】管理栄養士 一ノ木菜摘

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巷にある健康情報について、科学的根拠をもとにできるだけ分かりやすく伝えるために、ヘルスケアライターとして活動している。最近では大手企業のサイトやWeb雑誌などのメディアで掲載されるコラムを執筆中。得意なジャンルはダイエットや生活習慣病など。最近では論文読解にも力を入れており、食の専門家を対象に論文読解を向上させるためのサポートをしている。またコラムの執筆・監修・講師などを行う。

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記事提供:リンクアンドコミュニケーション

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