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2023.11.21

認知症は予防できる?いつまでも健康な脳でいるためのポイントを解説!


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歳を重ねるごとに認知症が他人事ではなくなり、何かしら予防できる方法があるのであれば、取り組んでおきたいと考える方も多いのではないでしょうか。
今回は、日常生活に気軽に取り入れやすい認知症の予防につながる生活習慣のポイントを解説します。

認知症ってどんな病気?

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認知症とは、記憶障害など脳の認知機能障害により、日常生活に支障をきたすようになる疾患のことを言います。認知症の中でも最も多く、代表的な疾患はアルツハイマー病です。その他の原疾患としては脳梗塞に引き続いておこる脳血管性認知症、幻視を伴うレビー小体病、前側頭型認知症などがあります。
認知症の症状は、記憶障害、見当識障害、理解判断力の障害、実行機能障害、感情表現の変化などです[1,2]。

普通の“もの忘れ”と認知症のちがいは?

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誰でも加齢により、友人の名前を思い出せないけど、1分ぐらいしてからやっと思い出した、といったような“もの忘れ”をするようになります。
こうした“もの忘れ”は、いわゆる度忘れで、歳相応の“もの忘れ”です。このような“もの忘れ”は、日常生活、社会生活に支障はないため、認知症とは呼びません。

一方、認知症の“もの忘れ”は、例えば、昨日友達と会って食事をしたことを忘れて思い出せないといった、出来事(エピソード)自体を忘れてしまう“もの忘れ”です。このように出来事を忘れてしまうような“もの忘れ”が頻回にあると日常生活、社会生活に支障が出てきてしまうため、認知症と呼ばれるのです[3]。

認知症のように日常生活に支障をきたすほどではありませんが、記憶などの能力が低下し、正常とも認知症ともいえない状態のことを“軽度認知障害(MCI)”と言います。MCIの方の約半数は5年以内に認知症に移行すると言われています。MCIの方のうち、すべての人が認知症になるわけではありませんが、MCIの段階からまたはMCIになる前から認知症予防につながる行動をすることが大切です[4]。

認知症予防につながる生活習慣の4つのポイント

ここでは、MCIの段階から気軽に取り組みやすい認知症予防につながる生活習慣のポイントを4つご紹介します。

1.定期的な運動をする

高齢者を対象とした調査で、定期的な運動(週3回・週2時間以上)は認知症になる
危険性を低くすることが報告されています。運動の種類は、ウォーキング、ジョギング、ダンスなどの有酸素運動やスクワット、腹筋運動などレジスタンストレーニングを組み合わせることが推奨されています。週3日以上の頻度で中強度以上(通常の歩行またはそれと同等以上の強度)の運動をする習慣があると、認知症予防が期待できることが明らかにされているのです [5]。

2.趣味の時間を作ったり、自分が興味のある社会活動に参加する

自分がやりたいと思ったボランティア活動など社会活動に参加することは、認知症の予防に有効とされています。ボランティアや趣味のスポーツなど何らかの役割をもつことが
認知症予防になるのです。しかし、ボランティア活動にイヤイヤ参加している高齢者は、参加していない高齢者と同程度に生活機能低下のリスクが高まってしまいます。自分の能力、関心、興味に応じた活動に参加することが大切です[5]。

3.外出して人と会話する

人との会話や交流は、認知症の予防に重要です。また、外出することは、ネガティブな気持ちを防ぐことができます。日中出かけることで日の光を浴びることができ、睡眠などに良い影響がもたらされるのです。外出以外にも電話やビデオ通話などをうまく活用し、週1回以上は同居人以外とも会話の機会をもつようにしましょう [5]。

4.減塩を意識する

収縮期血圧が高いと、脳血管損傷を引き起こす可能性があるため、アルツハイマー病発症のリスクが高くなることが明らかにされています。高血圧の予防は、食塩を摂りすぎないようにすることが大切です。厚生労働省が策定する『日本人の食事摂取基準(2020年版)』では、食塩摂取量の1日の目標量は成人男性で7.5g未満、成人女性で6.5g未満とされています。日本人の食生活は、食塩を摂りすぎている傾向があるため、むやみに調味料を使わないようにしたり、漬け物をたくさん食べる習慣や味噌汁を毎日2杯以上飲む習慣がある方は、1回の量を減らすようにしましょう[6,7,8]。

まとめ:認知症予防は日々の生活習慣の改善から!

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日々の生活習慣の改善が認知症の予防につながることをお分かりいただけたでしょうか。いつまでも健康な脳を維持するためには、日頃の生活習慣が大切です。一度自分の生活習慣を振り返り、できそうなことから取り組んでみましょう。

【参考文献】(すべて2023年10月17日閲覧)※外部サイトに遷移します

[1]厚生労働省:e-ヘルスネット|認知症

[2]厚生労働省:政策レポート|認知症を理解する

[3]一般社団法人 日本神経学会:脳神経内科の主な病気|もの忘れ

[4]国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所:こころの情報サイト|認知症

[5]国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター:あたまと からだを 元気にするMCIハンドブック

[6]O Sáiz-Vazquez, et al. Blood pressure and Alzheimer's disease: A review of meta-analysis, Front Neurol. 2023 Jan 11:13:1065335.

[7]厚生労働省:e-ヘルスネット|高血圧

[8]厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2020年版)|ミネラル(多量ミネラル)

【プロフィール】管理栄養士 落水陽香里

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調剤薬局の管理栄養士として栄養指導業務を経験後、フリーランス管理栄養士として独立。糖尿病や高血圧などで厳しい食事制限がある方を対象に「どんな状況でも食事を楽しめるような栄養指導」をコンセプトに個別の食事サポートしている。また、管理栄養士にとって就職後スキルアップする場が少ないことを痛感し、自信を持って栄養指導をするための専門家向け通信講座を開講中。

記事提供:リンクアンドコミュニケーション

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