2023.10.30
あなたの理想の体重は?ダイエットを成功させる食事のポイント
“健康を維持するため”“病気を改善するため”“美しい体になるため”などダイエットを決意する理由は、十人十色だと思います。
しかし、どのような理由であっても、多くの人が共通して“理想の体重”を目標に掲げるのではないでしょうか。その理想の体重はどのように決定していますか?
今回は、ダイエットをするうえで知っておきたい理想の体重と肥満を防ぐ食事のポイントを管理栄養士が解説します。
肥満は病気ではないけど早いうちの改善がカギ
肥満予防・改善を意識して、ダイエットを行っている人も多いと思いますが、肥満について正しく説明することはできますか?
肥満とは、ただ体重が重いというだけでなく、体内に脂肪が過剰に蓄積した状態の事です。タイプは2種類あり、“皮下脂肪型肥満”と“内臓脂肪型肥満”に分けられます。肥満になったら直ちに病気と診断されるわけではありません。しかし、肥満を放置すると、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの病気になり、日本人の死因の上位を占めている、がんや心臓病、脳卒中などを引き起こす原因となります。
特に、内臓脂肪型肥満は、病気になるリスクが高いと言われています。肥満と診断されたら放置せず、早いうちから改善していきましょう[1]。
ダイエットの必要性はBMIを確認しよう
肥満の判定は、体重と身長を使って計算される、Body Mass Index(以下BMI)で行われます。日本肥満学会で定めた基準では、どの年代も、BMI25.0(kg/m²)以上で肥満と定義されます。しかし、脂肪より筋肉の方が重い為、筋肉量が多い傾向がある人は、BMIの数値だけではなく、体脂肪率の計測も一緒に行い、判断をしましょう。
また、BMIは低ければ低いほど良いというわけではありません。将来的にフレイル(虚弱)を引き起こし、寝たきりになってしまう可能性があるため、無理な減量はやめておきましょう。ダイエットを行う際は、BMIの範囲内を目指して目標を設定しましょう[1-4]。
ズバリ!あなたの理想の体重は?
標準体重という言葉を耳にしたことはありますか?標準体重とはBMIが22(kg/m²)のときの体重の事で、最も病気になりにくい理想の体重と言われています。必ずしも、標準体重を目指さなければいけないという事ではありませんが、ダイエットをする際に一つの目安として、把握しておきましょう[2]。
標準体重=身長(m)×身長(m)×22
ここに注目!気を付けたい食事のポイント
体重は食事から摂取するエネルギー(カロリー)が消費するエネルギー(カロリー)より大きいと増加してしまうため、肥満を予防するにはカロリーオーバーを防ぐことが大切です。ダイエット成功させるためにも注意したい食事の3つのポイントを紹介します[4]。
(1)主食を減らすことだけ意識するのはN G
ダイエットをする際にまずは主食を抜いてしまう人は、少なくないのではないでしょうか。しかし、代わりにおかずをたくさん食べていたら、脂質が過剰摂取の傾向に。
1gあたりのエネルギー(カロリー)量は炭水化物4kcal、たんぱく質4kcal、脂質9kcalです。炭水化物が多く含まれる主食を減らしても、おかずから脂質をたくさん摂取してしまったら、カロリーオーバーになってしまうので注意しましょう[5]。
(2)間食を意識しよう
間食には生活に潤いを与え、気分転換の役割もあるため、全く食べてはいけないということではありません。しかし、間食をしたいからと食事を減らすのはNG。菓子と呼ばれるものは、炭水化物や脂質、塩分が多く含まれているものが多いため、栄養バランスが崩れがちになってしまいます。間食は1日200kcal程度を目安に摂取するのがベスト。袋に記載されている栄養成分表示を確認して、よく食べるおやつのエネルギー(カロリー)を把握しておくことも大切です。食べすぎてしまった時は、前後数日間の間食の量を調整しましょう[6]。
(3)飲料に注意する
意外と見落としがちなのが嗜好飲料のエネルギー(カロリー)です。
休憩中に飲むカフェラテや健康に良いと思って飲む野菜ジュースや乳酸菌飲料が原因でカロリーオーバーになっていることも。嗜好品飲料は間食として考え、生活の中に取り入れましょう。水、お茶、ブラックコーヒーや無糖の紅茶などに変え、飲料からのエネルギー(カロリー)を減らすこともダイエット成功のコツの1つです。
ダイエットはコツコツ継続を!猪突猛進は避けて
ダイエットを行う時に避けたい事は、急激な変化です。目標を明確に持つことは大切ですが、目標を達成させるために、無理な食事制限や急激な減量は、体調不良やリバンドを招き、ダイエットの失敗に繋がることも。ダイエット成功の秘訣は、コツコツ継続させること。ご自身の現状を把握し、理想の目標を掲げたら、今の生活から小さな変化を起こしてみましょう。
【参考文献】(すべて2023年9月15日閲覧)※外部サイトに遷移します
[2] 日本肥満学会 : 肥満症診療ガイドライン2022 | 肥満症治療と日本肥満学会が目指すもの
[3] 厚生労働省 : 日本人の食事摂取基準(2020年版) | 高齢者
[4]厚生労働省 : 日本人の食事摂取基準(2020年版) | エネルギー
[5]厚生労働省 : 日本人の食事摂取基準(2020年版) | エネルギー産生栄養バランス
【プロフィール】管理栄養士 金澤りな
大学卒業後、保育園施設で栄養士業務の経験を経て、管理栄養士の免許を取得。現在は栄養士養成課程の助手をしながら糖尿病専門クリニックに勤務。科学的根拠を基に正しい情報を発信し、健康な人を増やしたいという想いから、コラム執筆やセミナー講師などフリーランスとしても活動中。
記事提供:リンクアンドコミュニケーション
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