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2023.07.26

1日10分で血圧・血糖値に効くストレッチの正体|短期間で血管年齢にポジティブな効果が出た!


生活習慣病も怖くない、血管を強くする「循環系ストレッチ」とは(写真:den-sen/PIXTA)

生活習慣病も怖くない、血管を強くする「循環系ストレッチ」とは(写真:den-sen/PIXTA)

高血圧、高血糖、肥満などが気になる、という人は増加傾向にあります。この状態で何も手を打たずにいると生活習慣病を発症し、心疾患や脳血管疾患、糖尿病に繋がります。つまり死亡リスクが跳ね上がりますが、有効と言われる運動の習慣化も進んでいません。

こうした状況を鑑み、医師監修のもと米国スポーツ医学会認定運動生理学士でもある中野ジェームズ修一氏がエクササイズを開発。それをまとめた書籍『血管を強くする 循環系ストレッチ』の内容の一部を改編し、紹介します。

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医師も太鼓判の「循環系ストレッチ」

“人生100年時代”などと言われますが、長く生きられるからといって、体が衰えないとか不調や不具合がウソのように消えてなくなるとかいうわけではありません。むしろ体のトラブルを抱えながら長く生きることになります。そうすると最も重要になるのは、自分で体をメンテナンスする知恵ではないでしょうか。

何も手を打たずにいると、待っているのは日本人の半数以上(56.8%)が亡くなっている、がん、心疾患、脳血管疾患、高血圧性疾患、糖尿病、腎疾患、肝疾患などの生活習慣病(厚生労働省「令和3年人口動態統計月報年計の概況」)です。

しかも生活習慣病には特効薬がありません。それは日々の生活が原因だからです。

生活習慣病のリスクは運動で低減できるものが多いのですが、そのことを知ってはいても「具体的に何をすればいいのか」「やる気にならない」と考える人が多いことは、老若男女あらゆるクライアントを30年以上見てきた私もよく知っています。

そのような方々の特効薬をイメージして考案したのが「循環系ストレッチ」です。私自身も驚くほどポジティブな効果が得られた内容について、これからお話ししていきましょう。

循環系ストレッチは、生活習慣の乱れや加齢によって生じた血流の低下と血管の老化に働きかけ、体の中から健康になる運動プログラムです。その効果を検証すべく、本書の監修者である田畑尚吾医師の協力のもと、クリニックに通院する患者さんを対象にモニタリングを実施しました。

田畑医師は糖尿病専門医であり、国際オリンピック委員会(IOC)認定のスポーツドクターでもあり、ご自身も長距離走やクロスカントリースキーを実践する市民アスリート。エクササイズにも深い知識と理解をお持ちの医師です。そうした背景もあって2021年に開設したご自身のクリニックには、全国でもあまり類を見ない先進的な取り組みとしてエクササイズルームを併設し、積極的に運動療法を取り入れています。

モニタリングの結果としては、多くの方に体重・体脂肪、血圧などにおいて改善傾向が確認され、CAVI(心臓〈Cardio〉から足首〈Ankle〉までの動脈〈Vascular〉の硬さの指標〈Index〉の略)という機械を用いたところ、動脈硬化の指標となる数値に改善傾向が見られました。また、糖尿病患者のモニターからは血糖値の急激な変動を抑えられたというデータも得られ、全体にポジティブな結果が。

「医学的なエビデンスとするには継続しサンプル数も増やす必要があります」という指摘はあったものの「循環系ストレッチには血管機能の改善効果があると考えられ、将来的に起こりうる病気の予防につながっていくでしょう」と田畑医師は言います。

1回10分程度で、血流が改善し弱った部位や気になる部位が次々とよくなっていく。こうイメージして開発した循環系ストレッチは、短い時間で成果を出すことにこだわりました。

糖尿病患者の運動療法の実施状況の調査によると、運動の維持、継続に必要なのは「時間」だと6割の患者が答え、また運動を実施していない患者も4割が「時間がない」ことを「やらない理由」に挙げています。

運動が体にいいことはわかっているし、やる気は多少ある。でも日々、仕事や家庭の用事をこなすのに精いっぱいで余裕がないというのが、多くの方の悩みのようです。

健康的な体に導いてくれる運動は、世の中にたくさんあります。また、時間や体力に余裕のある人、体を鍛える行為そのものが好きな人なら、時間をかけて体を鍛えることもできるでしょう。しかし多くの方はそうではありません。

写真はイメージです(写真:Ushico/PIXTA)

写真はイメージです(写真:Ushico/PIXTA)

「効果」と「継続率」のバランスが重要

運動による効果を得るために最も大切なのは「継続」です。これまでの生活習慣をなるべく変えずに体を改善できるなら、継続率もグッと上がります。「やる気はあるけれど続かない」「運動は面倒くさい」「嫌い」という方でも、循環系ストレッチなら自宅で手軽に着替えをしなくてもできます。

以下でモニターのデータを紹介しているので、ぜひご覧ください。

<循環系ストレッチ モニターデータ 血圧が下がった>

20歳以上の国民の2人に1人が該当すると言われる高血圧(※)。日本人に最も多い生活習慣病で、喫煙と並んで命をリスクにさらす要因とされています。

血圧は、心臓が血液を押し出す力と血管の弾力性で決まるものです。血管がしなやかで、血液がいわゆる「サラサラ」状態なら血圧は正常値に落ち着きますが、血管が硬く血液が「ドロドロ」だと血液が通りにくくなったぶんだけ血圧は高くなります。

そして高血圧の状態が続くと血管の壁はますます硬くなり、動脈硬化に至ってしまうわけです。

今回、高血圧の患者さんに3カ月間、循環系ストレッチを実践してもらったところ血圧の数値に改善傾向が得られました。67歳の女性は上が155から136に、下が85から77に。62歳の女性は上が140から131に、下が90から82に自然に下がりました。

「1人は肥満と高血圧、もう一人は高血圧と脂質異常症で通院している患者さんです。

治療の内容は変えずに3か月間実施したところ、月を追うごとに数値が改善されていきました」(田畑尚吾医師)

※厚生労働省「令和元年国民健康・栄養調査」より

<循環系ストレッチ モニターデータ 血糖値の大きな変動を抑制>

日本では糖尿病患者が急速に増加しており、糖尿病予備軍も合わせると2500万人に達すると言われています。

糖尿病は血液中のブドウ糖濃度が高くなってしまう病気で、多くの患者さんに見られるのが食後高血糖です。体が健康なら、たとえ血中にブドウ糖がドッと流れ込んだとしても、すい臓からインスリンが分泌され血糖値の上昇を抑えてくれます。しかしインスリンの分泌が減ったり働きが悪くなったりすると高血糖に。食事のたびに血糖が急上昇すると、血管は糖まみれの血液が通るごとにダメージを受けてしまいます。

<循環系ストレッチ モニターデータ 血管年齢が若返った(動脈硬化指数)>

クリニックでのモニタリングで、特に多くの方に改善傾向が見られたのが動脈硬化指数でした。

記事画像

『血管を強くする 循環系ストレッチ』(サンマーク出版) クリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします

血管の老化現象とも言える動脈硬化は、動脈にドロドロの血液が流れて血管の内壁が傷つき、弾力が失われた状態を指します。さらに悪化すると、血管が詰まったり破れたりする原因となる、プラークが発生するわけです。

血管は加齢によって誰もがある程度は硬くなりますが、肥満や高血圧に加え、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸の過剰摂取・喫煙・運動不足などが重なると動脈硬化の発症につながります。重症化すると命にかかわる心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす危険が。それを示す指標の一つである動脈硬化指数が、46歳の方で7.2から6.7に、68歳の方で8.9から7.4に低下しました。通常は上がる一方の数値が下がっています。

「メタボリックシンドロームの症状は“ドミノ倒し”のように一気に病気が進行するおそれがあります。そのため、なるべく初期段階で進行する流れをせき止めたい。動脈硬化指数が改善傾向にあるのは、血管の機能、特に内皮機能と血流がよくなったのでは、と考えられます」(田畑医師)

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【あわせて読みたい】※外部サイトに遷移します

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「歩く」がどれだけ体に効くか知っていますか

提供元:1日10分で血圧・血糖値に効くストレッチの正体|東洋経済オンライン

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