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2023.08.01

意外と盲点「夏の水分補給」!飲み物選びを間違えると病気を招く!?


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熱中症を防ぐためにも、こまめな水分補給を心がけたい夏の時期。
積極的に水分をとろうと意識を向けている人は多いと思いますが、飲み物の選び方は気にかけていますか?何も考えずに好きなものを飲んでいると、病気を招いてしまうこともあるので注意が必要です。
この記事では、飲み物選びを失敗して熱中症以外の病気にならないよう、知っておきたい飲み物の選び方のコツをご紹介します。

そもそも水分補給はどのくらい必要?

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成人の体重の約60%は水分が占めています。体の水分を一定に保つために必要な1日の推定摂取量は、日々の活動量が少ない人は約2.3~2.5L、活動量が多い人は3.3~3.5Lです。日本人は水分を、食事から約50%、飲み物から約50%摂取していると言われているので、デスクワークが主であまり運動しない人は約1.2L、激しい運動をする習慣がある、外で体を使う仕事をしている人は約1.7Lを、飲み物の1日の目安量とし、水分補給を心がけましょう。特に、夏は知らず知らずのうちに汗をかいているため、のどの渇きがなくてもこまめに水分補給を意識する必要があります[1,2]。

病気を招く恐れがあるNG水分補給とは?

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飲み物の中には、大きく分けて、水と嗜好飲料があります。
コンビニやスーパーの飲料コーナーや自動販売機を見ると、何を選べば良いのか悩まされるほど、多くの種類の飲み物が並んでいます。普段から、“嗜好飲料”を飲む習慣がある方も多いのではないでしょうか?
嗜好飲料とは、茶類、コーヒー、炭酸飲料、清涼飲料、ジュース・果汁入り飲料、スポーツドリンクなど、個人の嗜好を満足させるために用いられる飲み物のことです。これらの飲み物の中には糖質や食塩が含まれているものもあり、カロリーも高い傾向があるため、飲みすぎてしまうと水分補給の目的以上に肥満や病気を招いてしまう可能性があります [3,4]。

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甘い誘惑にご用心!嗜好飲料が招くリスクとは?

夏バテによって食事量が減っていたり、短時間に大量の汗をかいた時などは、熱中症対策として、水分以外にも糖質や食塩が必要になることもありますが、摂取量には要注意。
では、糖質や食塩が含まれている飲み物をたくさん飲んでしまうと、どのように健康を害してしまうのでしょうか?嗜好飲料が招く3つの病気リスクを解説していきます。

(1)肥満

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糖質が含まれる嗜好飲料をたくさん飲んでしまうと、カロリーオーバーを招き、肥満を引き起こす原因に。甘い飲み物が飲みたい時は、水分補給としてではなく、間食として捉え、1日200kcalまでを意識しましょう。例として、カフェラテはカップ約2杯、スポーツドリンクは500mlのペットボトル約2本、炭酸飲料ならペットボトル約1本がおおよそ200kcalと言われています。よく購入する飲み物は栄養成分表示を確認しておきましょう[3,4,5]。

(2)糖尿病

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“ペットボトル症候群”という言葉を耳にしたことはありますか?正式には”ソフトドリンクケトーシス”と呼ばれ、急性の糖尿病の状態を引き起こします。
炭酸飲料や清涼飲料など、糖質が大量に含まれた飲み物を飲むと、健康な人でも血糖値は上昇します。その影響で喉が渇き、さらに清涼飲料を飲むという悪循環を繰り返すと、血糖値が高い状態が続いてしまい、喉の渇きに加え、倦怠感や体重減少などの糖尿病の症状が出てきます。また、重篤な場合は意識障害を招くことも。特に、普段から炭酸飲料や清涼飲料を飲む習慣がある人は要注意。喉の渇きや倦怠感など、熱中症だと思っていたら、実は糖尿病だったなんてこともあるので、異変を感じたら早めに病院を受診しましょう[3,6]。

(3)高血圧

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熱中症対策として、スポーツドリンクや塩分入りドリンクを選んでいませんか?
食塩のとりすぎは高血圧などの原因となるため、気をつける必要があります。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、食塩は男性7.5g未満、女性6.5g未満にすることが推奨されています。しかし、2019年の国民健康・栄養調査では、日本人の食塩の1日の摂取量は平均約10gと報告されており、とりすぎている傾向があるのです。激しいスポーツや外での長時間労働で大量の汗をかいた場合は、熱中症対策として、食塩の摂取が勧められていますが、室内で1日のほとんどを過ごしていたり、デスクワークなどで活動量が少ない場合は、過剰摂取になる恐れがあるので注意しましょう[1,7,8]。

水分補給は種類にも意識を向けて

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健康のために、食事は気にかけていても、飲み物は意外と盲点になりやすいのではないでしょうか?水分の摂取量が増える暑い時期は特に、飲み物の選択が病気を予防する鍵となります。熱中症だけでなく他の病気も予防するという視点を持って、夏の水分補給を意識していきましょう。

【参考文献】(すべて2023年6月16日閲覧)※外部サイトに遷移します

[1] 厚生労働省: 日本人の食事摂取基準2020年版

[2] 厚生労働省: 「健康のため水を飲もう」推進運動

[3] 厚生労働省: e-ヘルスネット | 嗜好品飲料

[4]厚生労働省: 日本食品標準成分表2020年版(八訂)

[5]厚生労働省: e-ヘルスネット | 間食

[6]糖尿病学会: 糖尿病診療ガイドライン2019 | 糖尿病における急性代謝失調・シックデイ(感染症を含む)

[7]厚生労働省: 令和元年「国民健康・栄養調査」の結果

[8]環境省: 熱中症環境保健マニュアル2020

【プロフィール】管理栄養士 金澤りな

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大学を卒業後、保育園施設で調理、給食管理、食育活動などの栄養士業務を経験。管理栄養士の資格を取得後、現在は糖尿病のクリニックで食事指導を行う。長年、生理不順に悩まされ不妊体質と告げられたことをきっかけに食事の大切さを実感する。「トラブルによって同じ思いをしている人の力になりたい」と生理不順やPMSなどの女性ホルモンの悩みを抱える人の心と体づくりを食事を通じて支える活動をしている。

記事提供:リンクアンドコミュニケーション

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