2021.12.02
だから疲れが溜まってしまう:睡眠の質を下げるN G行動3選
“日本人は世界で最も睡眠時間が短い”と言われているのはご存知ですか?特に、日本では女性が家事や育児をメインで担うことが多いことから、慢性的な睡眠不足の女性が多いと言われています。
睡眠不足を解消するには、睡眠時間だけでなく睡眠の質も大事だと言われているのは、既にご存知の方も多いと思います。しかし、現代社会では、短時間睡眠や夜型生活の増加など睡眠や体内時計を乱す要因が溢れ返っています。
さらに、リモートワークで外に出る機会が減り、スマホを見ることが増え、睡眠の質も落ちて、常に疲れが取れない体になってしまっているのではないでしょうか?
その眠気!放っておくと大変なことに
忙しい現代を生きる私たちは、何かと睡眠を犠牲にしがち。1日くらい大丈夫と夜更かしをしていたら、気がつくと何日も睡眠不足が続いていることありますよね。しかし、睡眠不足を放置しておくのは危険です。慢性的な睡眠不足の状態にある人は、ない人と比べ糖尿病や心筋梗塞などの生活習慣病にかかるリスクが高くなります。さらに、睡眠不足は身体的な不調だけでなく、うつ病などの心の病気にもかかりやすくなってしまうのです[1]。
睡眠に問題を感じていて、布団や枕などの寝具を見直してみたり、寝る前にスマホやP Cを見る時間を減らしたりするなど、さまざまな努力をされている方も多いのではないでしょうか。
近年、睡眠の質を左右する要因の1つとして食事も深く関係しているのではないかと言われています。病気を予防するために食事を意識する方は多いと思いますが、睡眠のことを考えて食事をしている方はあまりいないのでないでしょうか?
今日は私たちの睡眠の質を下げてしまう食事のNG行動を管理栄養士の視点から3つ紹介していきます[1]。
だから疲れが溜まってしまう:睡眠の質を下げるN G行動3選
NG行動1:炭水化物が多い夕食
近年、ダイエットや健康で注目されている炭水化物ですが、実は睡眠にも関係していると考えられています。いくつかの研究データでは炭水化物の多い食事をとると睡眠の質が下がってしまうと言われています。
しかし、炭水化物を抜けば良いというわけではありません。炭水化物が少なすぎる食事は逆に寝付きを悪くしてしまうため、注意が必要です。仕事に疲れて帰宅すると、ついつい簡単に済ましてしまいがちな夕食ですが、ぐっすり眠り、翌日まで疲れを残さないためには、バランスを意識し、色々な食品を取り入れましょう[2]。
NG行動2:朝食欠食
睡眠の質を高めるためには、規則正しい生活が必要不可欠という話をよく耳にしますよね。その理由は、私たちの体には体内時計があり、体内時計が正しく働くことによって、睡眠のタイミングが決められ、ホルモン分泌などが整い、睡眠の準備が整うからです。体内時計は運動や日光浴、入浴などのさまざまな影響を受けますが、食事もその1つです。忙しい毎日を過ごしていると、朝はギリギリまで寝ていたいと朝食欠食してしまいがちですが、まずは1日の始まりに簡単なものでも良いので口にすることを心がけましょう[3,4]。
NG行動3:寝る前の飲酒
仕事終わりのリフレッシュや、寝つきを良くするために、寝る前に飲酒する習慣がある人も多いのではないでしょうか。寝る前にお酒を飲むと、一見よく眠れると錯覚してしまいますが、実はそうではありません。寝る前の飲酒は、眠りを浅くし、夜中に目を覚ましてしまうなど睡眠の質を下げる原因になると言われています。少量でも睡眠に影響を及ぼしてしまうと言われているので、お酒は寝る1時間前まででやめておきましょう[5]。
快眠生活への一歩を踏み出そう!
今回は食事の視点から3つご紹介させていただきましたが、ほかにも喫煙によるニコチンや、お茶、コーヒー、チョコレートなどに含まれるカフェインも睡眠の質を下げてしまう要因になるので就寝前は避けることをおすすめします[3]。
私たちの日々の習慣が、実は睡眠に大きな影響を与えているかもしれません。睡眠時間が短いと感じる人はもちろんですが、十分に寝ているのに疲れや眠気が取れないと感じる人や寝付くまでに時間がかかってしまう人は、一度ご自身の食事や生活に意識を向け、快眠生活を目指しましょう!
【参考文献】(すべて2021年7月17日閲覧)
[1]厚生労働省|e-ヘルスネット|睡眠と生活習慣病との深い関係 ※外部サイトに遷移します
[2]Marie-Pierre St-Onge,”Effects of Diet on Sleep Quality.”Advances in Nutrition.2016;7;938-949 ※外部サイトに遷移します
[3]厚生労働省|e-ヘルスネット| 快眠と生活習慣 ※外部サイトに遷移します
[4]厚生労働省|e-ヘルスネット|睡眠と覚醒リズム障害 ※外部サイトに遷移します
[5]厚生労働省|e-ヘルスネット| アルコールの作用 ※外部サイトに遷移します
【プロフィール】管理栄養士 金澤りな
大学を卒業後、保育園施設で調理、給食管理、食育活動などの栄養士業務を経験。管理栄養士の資格を取得後、現在は糖尿病のクリニックで食事指導を行う。長年、生理不順に悩まされ不妊体質と告げられたことをきっかけに食事の大切さを実感する。「トラブルによって同じ思いをしている人の力になりたい」と生理不順やPMSなどの女性ホルモンの悩みを抱える人の心と体づくりを食事を通じて支える活動をしている。
記事提供:リンクアンドコミュニケーション
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