2023.01.23
水菜の栄養成分と効能〜食べ方やシンプルで美味しいレシピも解説〜
当記事を監修した専門家:管理栄養士・調理師 前間弘美、編集長 宮田亘造(詳しいプロフィールはこちらをご覧ください) ※外部サイトに遷移します
シャキシャキとした食感が魅力の水菜。伝統的な野菜である水菜は、京野菜のひとつとして、古くから愛されています。
生のままサラダにして食べるのが人気ですが、漬物や鍋の具などにも向いています。水菜は下処理の必要がないため手軽に食べられるのも嬉しいですね。
一方で水菜の栄養にはどのようなものがあるのか、あまり深く考えたことがない方も多いのではないでしょうか?そこで今回は水菜の栄養成分と効能について詳しく解説していきます。
水菜の栄養素を効率よく摂ることができる簡単レシピもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
水菜の主な栄養素と効能
水菜はビタミン、ミネラル、食物繊維がバランスよく含まれた緑黄色野菜です。
特に注目したい栄養素がβ‐カロテン、ビタミンC、カルシウム、鉄、食物繊維で、ここではそれぞれの効能について解説していきます。
免疫力を高めるビタミン
【β‐カロテン】
β‐カロテンは活性酸素と呼ばれる老化に関わる物質の発生を抑えたり、取り除いたりする抗酸化作用があります。またβ‐カロテンは体内で必要な分だけビタミンAに変換され、目や皮膚の粘膜を健康に保つ働きを持つ栄養素です。
【ビタミンC】
ビタミンCはストレスや風邪などの病気に対する抵抗力を強めます。β‐カロテン同様、抗酸化作用がある抗酸化ビタミンの1つです。
骨を作り、酸素を運ぶミネラル
【カルシウム】
カルシウムは骨や歯の主要な構成成分となるほか、神経興奮の抑制や血液凝固作用の促進などに関わる栄養素です。
水菜には牛乳の約2倍のカルシウム量が含まれますが、動物性のカルシウムに比べると吸収率がよくありません。ただし、ビタミンDやクエン酸などと一緒に摂ることで吸収率を高めることができます。
【鉄】
鉄は体内で酸素の輸送に関与しているため、不足すると息切れや顔色が悪い、疲れやすいなどの症状が現れます。
また食品中に含まれる鉄は、動物性食品に多く含まれる「ヘム鉄」と植物性食品に多く含まれる「非ヘム」の2つに分けられ、水菜に多く含まれるのは非ヘム鉄です。非ヘム鉄はヘム鉄に比べ体内での吸収率が低いですが、ビタミンCや動物性たんぱく質と一緒に摂ることで吸収率を高められます。
便秘解消に食物繊維
【食物繊維】
食物繊維は水に溶けにくい「不溶性食物繊維」と、水に溶けやすい「水溶性食物繊維」に大別され、水菜には不溶性食物繊維が多く含まれます。
不溶性食物繊維は水分を吸収し便のカサを増やすため、整腸作用が期待される栄養素です。
水菜が体に悪い・栄養がないと言われるのは本当か
結論から申し上げますと、水菜を適量食べる分には体に悪影響を与えることはありません。
また栄養がないと言われることもあるようですが、先ほどお伝えしたように水菜には私たちに必要な栄養素がたくさん含まれています。
では水菜はなぜ「体に悪い」「栄養がない」といわれてしまうのでしょうか?
その一番の理由は、水菜の水分量が多いことが挙げられます。水菜の約90%は水分であり、大量に食べることで体を冷やすため体に悪いと噂されているようですが、適量を食べる分には問題ありません。
【加熱・ゆで・生】効果的な水菜の食べ方はどれか
水菜の栄養を効果的に摂るには「生」で食べることをおすすめします。なぜならビタミンCは水に溶けやすく、熱に弱い性質を持っているため、加熱や茹でることで大幅に損失してしまうからです。
新鮮な水菜の選び方について
冬が旬でありながらもスーパーで1年中見かける水菜。そこで、
・葉の緑が濃く、みずみずしい
・茎から葉先までまっすぐで、ハリのあるもの
を選ぶことをオススメします。逆に、
・根元が変色している
・茎がつぶれている
・葉がしおれている
ものは、新鮮とはいえないでしょう。水菜を購入する際はぜひ参考にしてみてくださいね。
保存はどうすればよいか
水菜は葉先が乾燥しないよう、濡れた新聞紙に包んでからビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。この時に立てて保存することで、より鮮度を保つことができます。
どうしても食べきれない場合は冷凍保存もできますが、食感が変わるため鍋やスープに入れるなど加熱調理に活用するとよいでしょう。
【保存版】水菜を使ったさっぱりレシピ
今回ご紹介するのは、水菜に含まれるカルシウムや鉄分の吸収率を高める食材を使ったレシピ「水菜とサーモンのさっぱり和え」です。
カルシウムの吸収を高めるビタミンDはサーモンに、鉄分の吸収を高めるビタミンCはレモン汁に含まれていますよ。
【作り方】
(1)水菜とサーモンを食べやすい大きさに切る。
(2)ボウルに水菜、サーモン以外の材料を入れて混ぜ合わせる。
(3)(2)のボウルに(1)の水菜とサーモンを加えて、和えたら完成。
※わさびの量はお好みで調整してください。わさび無しでも美味しいですよ。
参考記事:【簡単】サラダでダイエット!〜おすすめ食材・レシピをわかりやすく紹介〜 ※外部サイトに遷移します
まとめ
以上、水菜の栄養成分と効能について解説しました。水菜は健康に嬉しい栄養素が多く含まれていることがわかりましたね。
新鮮な水菜の選び方のポイントは「葉の緑が濃く、みずみずしい」「茎から葉先までまっすぐで、ハリのあるもの」です。ご紹介した「水菜とサーモンのさっぱり和え」もぜひお試しください。
それでは当記事が参考となり、新鮮な水菜を美味しく楽しんでいただけたら嬉しいです。
参考文献 ※外部サイトに遷移します
監修:編集長 宮田 亘造
早稲田大学社会科学部卒業後、証券会社での新規開拓営業、製薬会社でのMRなどを経て香港中文大学MBA卒業。同時に北京大学MBAに交換留学、そして北京語言大学にて漢語修習生として学ぶ。帰国後、Webマーケティングのコンサルティング会社を経て、デジタルと医療の融合が患者への新しい価値提供ができると感じ、H2株式会社に入社。
執筆者:管理栄養士・料理家 前間弘美
武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科卒業後、管理栄養士として給食会社や病院に勤務。糖尿病・高血圧の方に向けた献立作成や調理、栄養管理・栄養指導などを担当。特に病院勤務では、働き盛りの方が血糖値、血圧そして食事の記録を時間を作って手書きで行う手間や、その先にある健康面における自己管理の難しさを目の当たりにしてきた。身近なスマートフォンをベースにデジタルヘルスを展開することに可能性を感じたのとあわせ、より多くの方の生活習慣の改善に携わりたいという想いからH2株式会社に入社。管理栄養士、調理師の資格を保有。
記事提供:H2株式会社
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提供元:水菜の栄養成分と効能〜食べ方やシンプルで美味しいレシピも解説〜|【シンクヘルスブログ|H2株式会社】