2022.11.07
いちじくの体に嬉しい栄養成分!~効能を活かした健康レシピを大公開~
当記事を監修した専門家:管理栄養士・調理師 前間弘美、編集長 宮田亘造(詳しいプロフィールはこちらをご覧ください) ※外部サイトに遷移します
やさしい甘さとプツプツとした食感が特徴のいちじく。そんないちじくには、食物繊維やカリウム、他の果物にはないフィシン(たんぱく質分解酵素)など体に嬉しい栄養素が豊富に含まれています。
今回は、いちじくに含まれる栄養素について詳しく解説していきたいと思います。いちじくを使った簡単なレシピもご紹介いたしますので、ぜひ最後までご覧ください。
いちじくの栄養素と効能
いちじくに主に含まれている栄養素は炭水化物(糖質、水溶性食物繊維)、カリウム、カルシウム、たんぱく質分解酵素(フィシン)です。
では、それぞれどのような効能があるのか説明していきます。
脳や体のエネルギー源である炭水化物
炭水化物は人間にとって脳や体を動かすために必要な栄養素の一つです。脳や体のエネルギー源となる糖質や体内で消化することができない食物繊維は炭水化物の中に含まれます。
なお、いちじくなど果物の甘さはブドウ糖や果糖(フルクトース)といった糖質からきています。
ブドウ糖や果糖は私たちの体のエネルギー源になる一方で、摂りすぎると中性脂肪を増加させ肥満に繋がる可能性もあるので過剰摂取には気をつけましょう。
参照記事:糖尿病に果物は良い悪い?血糖値をあげにくいフルーツの食べ方を紹介 ※外部サイトに遷移します
腸内環境を整える食物繊維
先ほども述べましたように、食物繊維は炭水化物の一つです。食物繊維には体内で水に溶ける水溶性食物繊維と溶けない不溶性食物繊維があります。
いちじくにはそのうちの水溶性食物繊維(ペクチン)が多く含まれます。ペクチンの働きは、腸内環境を整え、食後の血糖値の上昇を抑制し、コレステロールを排泄することです。便秘で悩む女性や、糖尿病、脂質異常症の方にはおすすめの栄養素と言えるでしょう。
むくみに効果的なミネラル、カリウム
カリウムは人間の体に必要なミネラルの一つです。
体に塩分がたまるとむくみや高血圧の原因になりますが、カリウムには体内にたまった余分な塩分(ナトリウム)を排泄する作用があります。むくみやすい方や高血圧の方は積極的に摂りたい栄養素です。
骨粗しょう症予防にカルシウム
カルシウムは骨や歯を形成するのに欠かせないミネラルの一つです。また、出血を予防する働きなどもあります。不足すると骨粗しょう症の原因にもなるので、意識的に摂っていきましょう。
ちなみに、カルシウムはビタミンDと一緒に摂ることで吸収率がアップしますよ。
胃もたれや二日酔いに効く、たんぱく質分解酵素
いちじくの軸を切ると白い液体が出てきます。これはフィシンといういちじく特有のたんぱく質分解酵素で、肉や魚などのたんぱく質を分解して消化を促進する作用があります。
消化を促してくれるので、食べ過ぎてしまった日や胃もたれ、二日酔いなどに効果的です。
いちじくが肌に良いと言われる理由
「いちじくの種子には植物性エストロゲンが含まれており、これによりコラーゲンの再生力が高まり美肌になる」と言われているようですが、実際のところ真偽は定かではありません。
なお、植物性エストロゲンについては初めて聞くという方も多いと思うので、もう少し説明していきましょう。
女性ホルモンと同じ作用があるって本当?
植物性エストロゲンは、有名なものですと大豆イソフラボンがあります。体内で女性ホルモンであるエストロゲンと同じ様な作用をすることから植物性エストロゲンと呼ばれています。
ホルモンバランスによる乱れを整えて自律神経を安定させる働きがあるので、特に更年期障害で悩んでいる女性におすすめです。
生と加熱、どちらが効能を活かせる?
では、いちじくは生と加熱して食べるのとどちらが効能を活かせるかと言いますと、ずばり生です。
いちじくに含まれているカリウムやペクチン(水溶性食物繊維)は、加熱する際に水に溶けだして流れ出てしまう性質を持っているので、いちじくの栄養素を意識して摂りたいのであれば生のまま食べることをおすすめします。
いちじくを乾燥させると栄養成分は変わるのか
最近ではいちじくを乾燥させ、ドライフルーツとして売られているのをよく見かけます。
下記の表の通り、ドライいちじくは乾燥させ水分を飛ばすので栄養素が凝縮され生のいちじくよりも栄養価が高くなります。しかし、その分カロリーや糖質も高くなるので食べ過ぎには気をつけたいところです。
参考記事:プルーンの栄養と効果~美容に良い成分や効率的な食べ方をご紹介~ ※外部サイトに遷移します
いちじくを食べ過ぎるとどうなるの?食べ方の注意点を解説
いちじくに含まれる水溶性食物繊維のペクチンは、便秘解消に効果的ですが、一方で食べ過ぎると下痢症状をきたす可能性があります。
とくにドライいちじくには食物繊維が豊富に含まれているので、食べ過ぎに注意しましょう。
糖尿病や糖質制限中でもドライいちじくは食べてOK?
繰り返しになりますが、ドライいちじくの糖質は高いので、糖尿病の方は控える方が良いでしょう。どうしても食べたい場合は、主治医や管理栄養士に相談することをおすすめします。
なお、糖質制限中に食べる際は、一日1~2個程度にすると良いでしょう。
ダイエット中はどうか
いちじくに含まれる食物繊維やカリウムは、ダイエットの敵でもある便秘やむくみに効果的です。しかし、カロリー・糖質を気にするのであれば一日1~2個と決めて食べることをおすすめします。
健康に効果的!いちじくを使ったレシピをご紹介
いちじくを使った簡単なレシピを紹介します。
【いちじくと生ハムとチーズのサラダ】
【作り方】
(1)ドレッシングは混ぜておく
(2)いちじくは皮を剥いて一口サイズにカットし、生ハムを巻く
(3)お皿に野菜を並べ、上から生ハムを巻いたいちじく、カッテージチーズ、砕いたミックスナッツを散らす
(4)ドレッシングをかけて完成
まとめ
以上、いちじくには食物繊維やカリウム、カルシウム、またフィシン(たんぱく質分解酵素)など他の果物にはない体に嬉しい栄養素も含まれていることが分かりましたね。
生のいちじくの旬は6〜10月と短いこともあり、他の果物に比べ食べる機会も少ないかと思われます。ぜひ旬の時期にはいちじくを手に取って食べてみてくださいね。
それでは当記事が参考となり、いちじくの効能を活かしていただければ幸いです。
参考文献
新食品成分表FOODS2021 東京法令出版株式会社
カロリーSlism いちじく ※外部サイトに遷移します
NHK出版 からだのための食材大全
薬膳と漢方の食材小辞典 日本文芸社
厚生労働省 食物性エストロゲン 大豆イソフラボン ※外部サイトに遷移します
監修:編集長 宮田 亘造
早稲田大学社会科学部卒業後、証券会社での新規開拓営業、製薬会社でのMRなどを経て香港中文大学MBA卒業。同時に北京大学MBAに交換留学、そして北京語言大学にて漢語修習生として学ぶ。帰国後、Webマーケティングのコンサルティング会社を経て、デジタルと医療の融合が患者への新しい価値提供ができると感じ、H2株式会社に入社。
執筆者:管理栄養士・料理家 前間弘美
武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科卒業後、管理栄養士として給食会社や病院に勤務。糖尿病・高血圧の方に向けた献立作成や調理、栄養管理・栄養指導などを担当。特に病院勤務では、働き盛りの方が血糖値、血圧そして食事の記録を時間を作って手書きで行う手間や、その先にある健康面における自己管理の難しさを目の当たりにしてきた。身近なスマートフォンをベースにデジタルヘルスを展開することに可能性を感じたのとあわせ、より多くの方の生活習慣の改善に携わりたいという想いからH2株式会社に入社。管理栄養士、調理師の資格を保有。
記事提供:H2株式会社
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提供元:いちじくの体に嬉しい栄養成分!~効能を活かした健康レシピを大公開~|【シンクヘルスブログ|H2株式会社】