2022.09.23
トマトジュースの効果効能~飲み方を知るともっと効果的に~
当記事を監修した専門家:管理栄養士・斉藤裕子、編集長 宮田亘造(詳しいプロフィールはこちらをご覧ください) ※外部サイトに遷移します
赤い野菜の代名詞といえばトマト。このトマトを加工したジュースは、加工前と同様の栄養素が確保できるのか気になるところですよね。
「トマトが赤くなると医者が青くなる」とも言われていることから、栄養価が高いことがうかがえます。
そこで当記事では、栄養価が高いトマトを利用したトマトジュースのメリットや飲み方について解説します。
それではぜひ最後までご覧ください。
トマトジュースの栄養とは
トマトジュースはトマトをぎゅぎゅっと凝縮してつくられており、ものによってはトマトを5個分に近い栄養素を含んだものもあるとか。
ではトマトジュースにすることで、どのような栄養価があるのか見ていきましょう。
カロリーと糖質量
トマトジュースのカロリーは、100mlあたり15kcal、糖質は3.3gです。比較的カロリーも糖質もその他の野菜類と比較して高くはありません。おおよその一回量としては、コップ一杯200mlで換算してもそれほど高くはならないため、これらの値を気にされている方も、日ごろの生活に取り入れやすいかと思います。
抗酸化力の高いビタミン
トマトジュースに含まれるビタミンはビタミンA、ビタミンC、ビタミンEを含んでいます。これらは抗酸化ビタミンと呼ばれており、ストレスや病気に対する抵抗力を高める役割を持つビタミンです。
生で摂取する点から比べると多少、栄養価が落ちる場合もありますが、それでもトマトの成分自体は多く含まれていますので、オススメです。
身体の働きを援護するミネラル
トマトジュースにはカリウムやマグネシウムなどのミネラルが含まれます。
カリウムは、ナトリウムを排泄することによる血圧効果作用を持ちます。また、マグネシウムは代謝を助ける補酵素として働き、その他、筋肉を弛緩させ、筋肉が痙攣をおこすのを防ぐ働きがあるのです。
老化に対抗するリコピン
トマトの最大の特長とも呼べる栄養素の一つにリコピンがあります。トマトに含まれる赤い色素であるリコピンは生活習慣病予防や老化の進行を遅らせる働きを持つ抗酸化力が優れています。
同じように抗酸化力が高いと言われている他の成分よりも、数倍も多く抗酸化力が高いと言われるほどです。
最近のトマトジュースではリコピン含有量が高いものも出回っていますが、トマトジュースおおよそ150~200mlほどで、一日の目安量となる15~20mgを摂取することが出来ますので、トマトジュースで手軽に補給することが出来るでしょう。
リコピンは、日光に浴びたことによるメラニン生成を抑える働きがあるともいわれています。よって、日に焼けてしまう夏場にはぜひ利用してみる価値もあるでしょう。夏が旬のトマトだからこその効果として納得ですね。
参考記事:リコピンとは?効能・効果の観点からわかりやすく解説 ※外部サイトに遷移します
トマトジュースに期待される効果とは
生食用として出回っているトマトよりも、トマトジュース類に利用される加工用トマトのほうが多い場合で3倍もリコピンが高いといわれています。よって、トマトを食べる以上にこのリコピンの効果がトマトジュースに期待できるのです。
では、どのような効果が期待できるのか見てみましょう。
悪玉コレステロールを低下させる
リコピンには、LDLと呼ばれる悪玉コレステロールを低下させる働きがあることが分かってきています。
また、善玉コレステロールと呼ばれるコレステロールを増やす作用もあるため、生活習慣病予防に効果があると期待されています。
高めの血圧を低下させる
トマトジュースには、血圧改善効果のあるカリウムが含まれているため、この栄養素自体が血圧によい効果をもたらすと考えられています。しかし、トマトジュースはそれだけではなく、リコピンの血圧上昇抑制効果の報告も多くあり、トマトジュースを飲むことで血圧が下がったという報告もあるようです。
血圧が少し高めの方には活用のしがいがあるものかもしれませんね。
いつ飲むのが効果的か
効率よくリコピンを身体に取り入れたいというのであれば、ズバリ朝がオススメです。
リコピンの体内への吸収率を見た研究によると、朝に摂取すると最も吸収率が高かったと報告されています。
特に夏場や陽が差し込むときなどは、日に浴びる前に摂取しておくのも良いかもしれませんね。
トマトジュースを飲み続けた結果
トマトジュースのそれぞれの特長がわかったところで、ではどのように飲んだらよいのか、毎日飲んだ場合に考えられることを検証していきましょう。
メリット
トマトジュースの効果でも触れましたが、リコピン摂取により悪玉コレステロール低下や高めの血圧低下といったメリットがあります。しかも、、これらは1ヶ月以上といった長期飲用した場合での報告が多く見受けられるので、トマトジュースを飲み続けることは私たちの体に有益であるといえるでしょう。
デメリットはあるのか
何においても、そればかりの摂りすぎは良くないですが、特にトマトジュースについては、その種類によって塩分が添加されているものもあります。この場合、トマトジュースを良かれと思って飲んでいても、塩分を過剰に摂取してしまう場合があるので、注意が必要です。
また、カロリーにおいても同様です。1本あたりで効果的なリコピンはおおよそ摂取できますので、1本200mlくらいを目安に飲むと良いでしょう。
トマトジュースの選び方
トマトジュースによる血圧降下やコレステロール改善を期待するのであれば、各メーカーが記述しているその目的に合わせた摂取、飲み方を実施するのが良いでしょう。特にトマトジュースについては、特定保健食品に認定されているものと、機能性表示食品に分類されているものそれぞれがあります。
特定保健食品とは、その商品そのものを摂取することにより、特定の目的に対して期待できる効果があると認定されたものに記載がされています。
そして機能性表示食品は、科学的根拠に基づいた情報が消費者庁へ届けられ、食品の機能性を事業者の責任において表示されているものです。
この点を理解して選ぶと良いでしょう。いずれにしても、そればかり飲むことが良いわけではありませんので、日ごろの食事状況に応じて摂取すると良いでしょう。
まとめ
トマトジュースを飲むことによって、リコピンの効果である血圧やコレステロールの改善、その他ビタミン、ミネラルの補給が可能であることがわかりました。最近では、様々な種類のトマトジュースが販売されていますので、その内容を確認しながら健康効果に役立てる補給を行ってみてください。
それでは当記事が皆様の健康のお役に立てれば幸いです。
【参考文献】
Protective effect of lycopene on serum cholesterol and blood pressure: Meta-analyses of intervention trials.Maturitas. 2011 Apr;68(4):299-310.
Tomato and lycopene supplementation and cardiovascular risk factors: A systematic review Atherosclerosis. 2017 Feb;257:100-108.
リコピン摂取時間帯がラットおよびヒトにおける体内吸収に与える影響 日本栄養・食糧学会誌
監修:編集長 宮田 亘造
早稲田大学社会科学部卒業後、証券会社での新規開拓営業、製薬会社でのMRなどを経て香港中文大学MBA卒業。同時に北京大学MBAに交換留学、そして北京語言大学にて漢語修習生として学ぶ。帰国後、Webマーケティングのコンサルティング会社を経て、デジタルと医療の融合が患者への新しい価値提供ができると感じ、H2株式会社に入社。
執筆者:管理栄養士 斉藤裕子
実践女子大学卒業、東京学芸大学大学院修了。卒業後は食品メーカーやスポーツアパレルメーカーに所属し、管理栄養士としてプロスポーツ選手の試合帯同・栄養サポートや運動愛好者に対する栄養アドバイスを実施。また、セミナーなどを通し、ジュニア世代から一般成人まで生活スタイルに応じた健康増進アドバイスを行う。2018年から4年間プロ野球チームに常駐した後、個人アスリートサポートや健康増進に従事、食事面から対象者を支える。公認スポーツ栄養士、NSCA-CPTを保有。
記事提供:H2株式会社
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