2022.08.31
脂質異常症には豆腐がいいってホント?~種類による違いからレシピまで管理栄養士が徹底解説!~
当記事を監修した専門家:管理栄養士・松原知香、編集長 宮田亘造(詳しいプロフィールはこちらをご覧ください) ※外部サイトに遷移します
豆腐といえば言わずと知れた健康食品の1つですが、最近では豆腐に含まれる成分が脂質異常症の改善に一役買うという報告も聞かれます。
ところが豆腐と一口に言っても木綿や絹、さらに乾物の高野豆腐までさまざまな種類があり、それらにすべて脂質異常症の改善が期待できるのか、疑問ですよね。
そこで今回は、豆腐に含まれる脂質異常症改善の成分について詳しく解説します。
さらに、いつもとは一味違った豆腐レシピを3つご紹介します。
夏にオススメの郷土料理からひんやりスイーツまで、暑い時期にピッタリです。
ぜひ最後までご覧ください。
なぜ脂質異常症に豆腐がよいのか
脂質異常症は、悪玉(LDL)コレステロールと中性脂肪の増加や善玉(HDL)コレステロールの減少といった、血中脂質が異常値を示した際に診断されます。
豆腐のもとである大豆は、コレステロールに対してアプローチをする栄養成分を含んでいるとして、脂質異常症の方は豆腐をはじめとした大豆製品は積極的にとることが推奨されているのです。
大豆イソフラボンは悪玉コレステロールを減らす
豆腐には大豆イソフラボンという栄養成分が含まれており、増加した悪玉(LDL)コレステロールや中性脂肪を減少させる効果が期待できます。
どんな豆腐でもいいの?
豆腐は木綿豆腐と絹豆腐に分けられますが、基本的にどちらにもイソフラボンが含まれているので、どの豆腐でもよいでしょう。
強いて言えば、製法の違いにより木綿豆腐のほうが絹豆腐よりも多くイソフラボンが含まれます。
高野豆腐はどうか
豆腐を乾燥して作られる高野豆腐にも、大豆イソフラボンはしっかりと含まれています。
生の豆腐は日持ちしないため、高野豆腐を常備しておくと「献立にあと一品豆腐料理を加えたい」という時に役立ちますよ。
脂質異常症の方必見!豆腐を使った簡単レシピ3選
突然ですが、あなたは豆腐を使ったレシピのレパートリーをいくつお持ちですか?
脂質異常症に豆腐がよいとわかっても、レシピが思い浮かばないという方は多いと思います。。
みそ汁の具や醤油をかけて冷ややっことして食べるものよいですが、毎日同じ食べ方では飽きてしまいますよね
そこで、今回はいつもとちょっと違う豆腐レシピをご紹介します。
脂質異常症の方でも安心して食べていただけるよう、カロリーと糖質、脂質は控え目ですよ。
暑い夏にピッタリ♪宮崎名物冷や汁
【作り方】
(1)きゅうりを薄切りし塩もみして水気を絞る
(2)みょうが、大葉は細切りにし水にさらしてあく抜きをする
(3)ボールに冷たいだし汁、サバ味噌缶(汁ごと)、(1)のきゅうり、すりごま、手でくずした豆腐を入れて混ぜる
(4)麦ごはんに(3)をかけて(2)のみょうがと大葉を飾ったら出来上がり
【ポイント】
・サバ味噌缶は汁ごと入れることで汁に溶けだしたEPA・DHAを余すことなくとれる
・麦ごはんにすると食物繊維アップ!
・すりごまに含まれるビタミンEの抗酸化作用で脂質の酸化を抑制
揚げない!肉も使わない!高野豆腐のジューシー唐揚げ
【作り方】
(1)戻した高野豆腐の水をよく絞り、手で一口大にちぎる
(2)(1)としょうゆ、みりん、酒、鶏ガラスープの素、ショウガチューブ、ニンニクチューブを保存袋に入れてよく揉みこむ
(3)別の保存袋に片栗粉を入れて(3)を加えて振る
(4)全体に片栗粉がいきわたったらアルミホイルをしいたトースターに並べて10分加熱する
(5)5分たったらひっくり返し、表面がカリカリになったら出来上がり
【ワンポイント】
・鶏ガラスープの素を加えて本物の唐揚げに近い味にすることで満足感アップ!
・高野豆腐を手でちぎると味がよく染みる
・油を使わない唐揚げのため、カロリーは通常の唐揚げの半分以下
豆乳+豆腐で濃厚な味わい 豆腐のレアチーズケーキ
【作り方】
(1)ボールに絹豆腐を入れて泡立て器でトロトロになるまでよく混ぜる
(2)(1)に豆乳、ラカント、レモン汁、バニラエッセンスを加えて再びよく混ぜる
(3)ゼラチンに大さじ3の水を加えて、500W30秒加熱したものを(2)に加えて混ぜる
(4)お好みの器によそり、冷蔵庫で3時間冷やし固める
(5)冷凍ブルーベリーにラカント、レモン汁を加えて500W1分加熱し冷ましたソースをかけたら出来上がり
【ポイント】
・豆乳だけではなく豆腐も入れることでより濃厚なレアチーズケーキに!
・ソースに使うフルーツを変えるのも◎
豆腐以外の脂質異常症に良い食べ物
脂質異常症の方におすすめの食品の特徴は以下の3つです。
(1)食物繊維が豊富
食物繊維がコレステロールを吸着して体の外に排出する働きがあります。
主に海藻やきのこ類に豊富なので、汁物や小鉢などにして取り入れるとよいでしょう。
(2)EPA・DHAを含む
EPA・DHAは善玉コレステロールを増加させる働きがあります。
あじやサバなどの青魚に多く含まれているので、積極的にとりましょう。理想は生の魚から調理することですが、難しい場合は缶詰を活用すると便利ですよ。
(3)抗酸化作用がある
抗酸化作用は体内の脂質の酸化を抑える働きがあります。
ビタミンCやビタミンE、βカロテンなどの栄養成分を含む食品に期待できるため、果物や緑黄色野菜を取り入れましょう。ただし、果物には果糖が含まれているので、食べ過ぎには注意が必要ですよ。
脂質異常症の人が食べてはいけないものはあるのか
脂質異常症の方が食べてはいけないものはありません。一度にたくさん食べない限りは、ほとんどの食品を食べられるのです。
ただし、控えたほうがよい食品はあります。
例えば肉やバターには飽和脂肪酸が多く含まれており、血中の悪玉コレステロールを増加させます。肉を魚を大豆製品に、バターはオリーブ油などに置き換えるとよいですよ。
また、はちみつやアボカドは脂質異常症になったら食べてはいけないのかという声が聞かれますが、適量であれば食べても問題ありません。ただし、はちみつは糖質、アボカドは脂質を多く含んでいるので食べ過ぎは禁物です。
まとめ
豆腐は悪玉(LDL)コレステロールを下げる働きのある大豆イソフラボンを豊富に含んでいるため、脂質異常症の方にオススメの食材です。
豆腐の種類もさまざまありますが、基本的にどの豆腐にも大豆イソフラボンは含まれています。
そんな豆腐を使ったレシピを、今回は3品ご紹介しました。暑い夏にピッタリの涼やかなレシピもありますので、ぜひ一度お試しください。
最後に、脂質異常症は豆腐を食べるだけでは改善されません。
豆腐を食べる以外の基本的な食事管理、さらには運動習慣をつけるといった生活習慣の改善を同時に行って、はじめて豆腐の効果が発揮されます。
当ブログでは食習慣、生活習慣の改善に役立つ情報を発信していますので、ご参考になさってみてはいかがでしょうか。
それでは、当記事が皆様の脂質異常症改善の一助になれば幸いです。
【参考文献】※外部サイトに遷移します
国立健康・栄養研究所 大豆イソフラボンはヒトの血中総コレステロールおよびLDLコレステロールを低下させる
監修:編集長 宮田 亘造
早稲田大学社会科学部卒業後、証券会社での新規開拓営業、製薬会社でのMRなどを経て香港中文大学MBA卒業。同時に北京大学MBAに交換留学、そして北京語言大学にて漢語修習生として学ぶ。帰国後、Webマーケティングのコンサルティング会社を経て、デジタルと医療の融合が患者への新しい価値提供ができると感じ、H2株式会社に入社。
執筆者:管理栄養士・松原知香
宮城学院女子大学食品栄養学科卒業。幼少期、入院中に絶食を経験し食べて健康に過ごす大切さを感じて管理栄養士を目指す。卒業後は食品メーカーにて介護食の営業に従事。病院や老人ホームの管理栄養士をはじめ医師、看護師、薬剤師への商品紹介や研修会を通して、業務上での悩み解決や患者様・利用者様のQOL(生活の質)向上に尽力。情報にあふれた現代で「誤った情報に惑わされずに、日々の食事を楽しめる人を増やしたい」という思いからH2株式会社に入社。
記事提供:H2株式会社
【あわせて読みたい】
脂質異常症と高脂血症は違うもの?~メタボとの関係についても詳しく解説します~
お茶は脂質異常症を予防・改善できるの?〜オススメのお茶も紹介〜
【管理栄養士解説】脂質異常症の食事で気を付けたいポイント~脂質代謝改善に期待できるレシピ紹介~
提供元:脂質異常症には豆腐がいいってホント?~種類による違いからレシピまで管理栄養士が徹底解説!~|【シンクヘルスブログ|H2株式会社】