2022.08.24
脂質異常症と高脂血症は違うもの?~メタボとの関係についても詳しく解説します~
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「脂質異常症のことを調べると高脂血症という病名も出てくるけどなんで?」と疑問に思われている方もいらっしゃるでしょう。
今回はその疑問にズバリお答えする内容となっています。
さらにメタボや生活習慣病との関連についても詳しく解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
脂質異常症と高脂血症の違いはどこか
結論からお伝えしますと、脂質異常症と高脂血症は同じ病気を指します。
脂質異常症はもともと高脂血症と呼ばれていましたが、2007年に名称が改められて現在の名前になりました。
脂質異常症とは、血中脂質の量が正常の範囲から外れている病気のことです。これには基準より多すぎるものと少なすぎるものの両方があるため、病気の本質を新たな名前に反映させたワケです。
脂質異常症と高コレステロール血症は同じ?
脂質異常症の中にはいくつかの分類がありますが、高コレステロール血症はそのうちの1つで、正確には高LDLコレステロール血症といいます。
参考までに、脂質異常症の分類は以下の通りです。
※non-HDLコレステロールとは、総コレステロール値からHDLコレステロール値を差し引いたもののこと
症状や見た目の変化
脂質異常症は血管内に脂質が溜まって負担を掛ける病気のため、動脈硬化が進行する要因となります。動脈硬化は、血管が硬く弾力を失った状態のため血流が悪くなり、全身にさまざまな弊害が表れます。
脂質異常症そのものには、自覚症状や見た目の変化などはほとんどありません。
つまり、自覚症状(足のしびれなど)が出てきたときは動脈硬化が進行しているサインというわけです。
メタボと脂質異常症は関係あるのか
メタボ(メタボリックシンドロームの略)とは、内臓肥満があるところに血圧高値・脂質異常・高血糖の中から2つ以上が合わさったものです。
一方で脂質異常症は、内臓肥満の有無は問わず血中脂質の量が異常値を示すものです。
内臓肥満とは内臓のまわりに脂肪が蓄積された状態で、皮下脂肪が溜まる肥満よりもタチが悪く、心筋梗塞や脳梗塞を発症しやすいと言われています。
糖尿病になると脂質異常症になりやすい?
答えはYESです。
脂質異常症・糖尿病・高血圧症は生活習慣病と呼ばれ、内臓肥満や好ましくない生活習慣(過食や運動不足など)が引き金になり発症するため、互いに密接な関係にある病気です。
ゆえに内臓肥満が進むと、これら3つの病気を併発しやすくなります。そして、生活習慣病は動脈硬化を進行させる原因となり、合併する病気の種類が増えるほど動脈硬化を悪化させるため、生活習慣の改善は不可欠です。
【食事療法】脂質異常症にケトジェニックは効果的なのか
ケトジェニックとはダイエット手法の1つで、「ケトジェニック食」「ケトン体ダイエット」などと呼ばれています。
ケトジェニックダイエットの特長は、糖質の摂取量を極限まで控えることに重点を置いて、代わりに脂質とたんぱく質は好きなだけ食べる(高脂肪食・カロリー制限はしない)ところにあります。糖質をほとんど摂らないため、食後に血糖値が上がりにくいことからダイエットの方法として一定の人気があるようです。
さて元来、私たちの体は糖質不足になると貯蔵されている脂質(を代謝したときに作られるケトン体)をエネルギー源として使う仕組みが備わっていますが、この仕組みを利用したのがケトジェニックダイエットです。
ケトジェニックについては安全と言い切れない部分が多く、専門家の間でも賛否が分かれています。
そのため特に悪玉コレステロール値や中性脂肪値の高い方は、食事から摂取する脂質の量には注意が必要なためオススメできませんが、どうしてもやってみたい方は主治医の許可を取って上で実施しましょう。
食べてはいけないものはある?
脂質異常症になっても食べてはいけない食品はありません。
しかし脂質異常症の病態ごとに気を付けた方がよい食品はありますので、簡単にご説明します。
【悪玉コレステロール値が高いと言われた方(高LDLコレステロール血症)】
・コレステロールを多く含む食品(レバーや魚卵など)
・飽和脂肪酸を多く含む食品(バター・ラード・肉の脂身など)
・マーガリンやショートニング
【中性脂肪値が高いと言われた方(高トリグリセライド血症)】
・糖質を多く含む食品(菓子類・菓子パン・加糖飲料)
・果物や穀類
・お酒
【善玉コレステロール値が低いと言われた方(低HDLコレステロール血症)】
・マーガリンやショートニング
・ベニバナ油やコーン油
関連記事:脂質異常症になったら食べてはいけないものってあるの?~コンビニ食の活用方法の解説付き~ ※外部サイトに遷移します
まとめ
以上、脂質異常症関連の疑問について解説しましたが、脂質異常症と高脂血症は同じものだと分かりましたね。
脂質異常症の治療にとって食事療法は欠かせませんが、ケトジェニックなど極端は手法は健康を害する恐れがあるため、必ず医師の指示に従いましょう。
それでは、当記事があなたの健康づくりに役立てば幸いです。
執筆者:副編集長 白石香代子
山口県立大学家政学部栄養学科卒業後、人材業界を中心にセールスやコンサルタントとして交渉力・語彙力など幅広いコミュニケーションスキルを培う。その後、中国大連にて日系企業のフードアドバイザー、日本人学校の食育セミナー講師として活動。現在、H2株式会社とクリニックでの栄養士業務、特定保健指導を兼任。その他、中国高齢者施設の栄養監修なども手掛けている。管理栄養士、東京糖尿病療養指導士の資格を保有。
記事提供:H2株式会社
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提供元:脂質異常症と高脂血症は違うもの?~メタボとの関係についても詳しく解説します~|【シンクヘルスブログ|H2株式会社】