2022.08.17
タンパク質ダイエットとは〜効果・方法・メニューをわかりやすく紹介〜
当記事を監修した専門家:管理栄養士・糖尿病療養指導士 白石香代子、編集長 宮田亘造(詳しいプロフィールはこちらをご覧ください) ※外部サイトに遷移します
「最近大きくなってきたお腹周りをなんとかしたい」
年齢を重ねてくると多くの人が思うことですよね。
そして「若いころは少しご飯を減らしただけで痩せられたのに、最近は何をやってもダメ…」そんな悩みはありませんか?
これからも健康に過ごすためには、体重の管理はとても重要です。しかしだからといって極端な食事制限では、逆に体調を崩してしまうことも。
じゃあ何をしたらいいの?というあなたへ、失敗の少ない「タンパク質ダイエット」を紹介します。
難しいことはやらなくてOK!今日の食事から取り入れられるポイントが1つでも見つかりますように。
タンパク質ダイエットとはどのような減量法か
私たちが普段食事でとっている栄養素は、大きく分けて3つあります。
1つ目は炭水化物、2つ目は脂質、そして3つ目がタンパク質です。この3つにミネラルとビタミンを加えたものが「五大栄養素」と言われています。
この中のタンパク質を多く食事に取り入れていくのが、タンパク質ダイエットです。
痩せるのはなぜ?タンパク質とダイエットの関係と効果
実は、タンパク質をたくさん食べたからといって痩せるわけではありません。
タンパク質ダイエットの本質は、「タンパク質の量を増やすことで、炭水化物と脂質の割合を減らしていくこと」にあります。
現代の日本人は炭水化物に偏った食事をしている人が多く見受けられます。例えばご飯や麺、パンなどに多く含まれるのが炭水化物です。
そして炭水化物のほとんどは糖質です。
糖質は血糖値を上げるため、人の体内で唯一血糖値を下げる働きをするインスリンというホルモンが放出されます。
しかし、このインスリンは余ったエネルギーを体脂肪として溜め込む働きもあるので、糖質を摂りすぎるとインスリンが必要以上に増え、太りやすい状態になってしまいます。
また、炭水化物とタンパク質は1g当たり4kcalなのに対して、脂質は1g当たり9kcalと、少ない量でも多くのカロリーをとることになります。
つまり、同じ量を食べたとしても、脂質はタンパク質の2倍以上のカロリーとなってしまうのです。
そしてダイエットをする上で、タンパク質はとても大切な栄養素です。
「ダイエット=食事制限」と考えがちですが、食事制限だけで痩せようとすると、筋肉が分解されてしまいます。
その理由ですが、極端に食事を減らすことで私たちの体を動かすエネルギー源(糖質)の供給が間に合わず糖質が不足気味になると、糖質の代用として筋肉を分解し、エネルギーを作るようになるからです。
筋肉が減ってしまうと基礎代謝(※)が下がってしまうため、リバウンドしやすい体になってしまいます。
(※)基礎代謝とは、私たちが生きていくために最低限必要なエネルギーのことです。
特にタンパク質の量が少ないと筋肉が減りやすい傾向があります。なぜなら、筋肉はたんぱく質で作られるからです。
ですからタンパク質を含む食材をしっかり食べて、筋肉量をなるべく減らさないことがポイントです。
参考記事:プロテインダイエットは痩せる?〜効果や方法をカンタン紹介〜 ※外部サイトに遷移します
タンパク質ダイエットのやり方
どのダイエットにも共通して言えるのが、極端にやりすぎないこと。
頑張ってタンパク質を含む食べ物ばかり食べたり、間違った方法で取り組んだりすると、逆に健康を損ねるリスクもあります。
ここではタンパク質ダイエットの正しいやり方を紹介していきます。
1日のタンパク質はどのくらいが適量?
タンパク質ダイエットを始めるのであれば、まずは1日に必要なタンパク質の量を知りましょう。
おおよその目安としては、男性でも女性でも体重60kgで60gほど(50kgの場合は約50g)にするとわかりやすいです。
しかし厳密には体重や、普段の活動量によって変わってきます。
自分に合った量を知るためには【体重(kg)×体重1kg当たりのタンパク質必要量(g)】で計算することができます。
普段運動の習慣がなければ0.8〜1.1、仕事でよく動いたり、運動(筋力トレーニングやランニングなど)の習慣があれば1.2〜1.4を当てはめると良いでしょう。
※アスリートのようなトレーニングを日頃から行なっている場合は1.6〜1.7を当てはめます。
運動がダイエット効果を高める
当然ながら「タンパク質を食べただけ」では痩せません。なぜなら食べただけでは筋肉は増えないからです。
ですので、タンパク質ダイエットを始める時にぜひ一緒に取り入れてほしいのが運動です。
タンパク質ダイエットのメリットの1つは筋肉量の減少を最小限に抑えることですが、この効果を最大限に活かすためには運動は切り離せません。
適切な量のタンパク質を食べて運動をすることで、筋肉が作られます。筋肉が増えることで基礎代謝が上がるので、いわゆる「燃えやすい体」に。
つまり、タンパク質ダイエットと運動を一緒に行うことで、痩せやすくリバウンドしにくい体を手に入れることができます。
タンパク質を多く含む食材を紹介
それではどのような食べ物にタンパク質が多いのか、ご紹介しますね。
さらに、タンパク質ダイエットにお勧めなのは低脂質・高タンパク質のメニューです。
鶏肉ではむね肉やささみが高たんぱく質でオススメです。なおバラ肉は脂質が多いので控えるようにします。
これらの食材を毎食1〜2個取り入れるようにしてみましょう。
関連記事:海のスプリンター『カツオ』の栄養~お刺身からかつお節まで詳しく解説~ ※外部サイトに遷移します
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タンパク質ダイエット・朝食にぴったりなメニューを紹介
忙しい朝は〈パンとコーヒー〉など簡単なメニューになりがち。朝は特にタンパク質が不足しやすいので、ここでは朝食にお勧めのレシピを紹介します。
ご飯派には【納豆卵かけご飯+わかめと豆腐の味噌汁】
パン派には【ツナサンドor卵サンド+牛乳】
忙しい朝には手間をかけずに食べられるメニューがオススメ。
このメニューなら手軽に一食で必要なタンパク質量を摂ることができます。
だれでも簡単!豆腐サラダのレシピ
朝食の1品でも、夕食時のお酒のお供にもぴったりなサラダをご紹介しますね。
【豆腐とツナのサラダ】
【作り方】
(1)豆腐はサイコロ状に切る。ツナ缶は汁気を切る。レタスは洗って食べやすい大きさに切る(ちぎる)。
(2)器にレタス、豆腐、ツナを入れてドレッシングをかけて完成。
コンビニで買えるタンパク質ダイエットに良い食べ物
お昼ご飯や仕事の休憩中にコンビニで食べるものを買う人も多いですよね。
ダイエット中には誘惑の多いコンビニですが、賢く選べばバランスの良い食事を揃えることができます。
【オススメの食べ物】
・サラダチキン
ダイエッターから絶大な支持を集めているサラダチキン。サラダチキンは鶏胸肉で作られています。そしてコンビニでは手軽に食べられるスティックタイプも販売されています。忙しくてゆっくり食事をとる時間のない人にもお勧めです。
・焼き鳥
レジに並んでいる時に目に入ってくるのがホットスナック。焼き鳥はホットスナックの中でもダイエット中にお勧めです。
・豆乳
コーヒーを買うのはもったいない!タンパク質ダイエットをするならぜひ飲み物も意識してみてください。満腹感が得られるので、食前や間食に取り入れてみるのもお勧めです。
・プロテインバー
間食にコンビニスイーツやチョコ、スナック菓子などを選んでしまうとタンパク質ダイエットはなかなか成功しません。タンパク質は腹持ちがいいので、間食にプロテインバーをチョイスすると、次の食事まで空腹を感じにくくなります。
タンパク質ダイエットで痩せた!ポイントは間食
タンパク質ダイエットのメリットは、食事の満足度が上がることです。
満足度の高い食事をとると、驚くほど間食の欲求が抑えられます。つまり、間食を我慢しようと頑張らなくても良くなるのです。
間食が習慣になっている人は必然と摂取カロリーが増えてしまうので、どうしてもダイエットのペースがゆっくりになってしまいます。
また、過度の我慢は反動で食べ過ぎを招きやすいです。
タンパク質ダイエットは自然と間食の量を減らせるので、リバウンドもしにくいダイエット方法です。
まとめ
タンパク質ダイエットとは、タンパク質の割合を増やして炭水化物と脂質を減らすダイエット方法であることが分かりましたね。
そして運動も一緒に行うことで基礎代謝を上げることが期待できるので、太りにくい体を手に入れることができます。
手軽にタンパク質をとれる食品もたくさんあるので、毎食1〜2品は食べるように意識しましょう。タンパク質は腹持ちも良いので、自然と間食も減る効果も期待できます。
たくさんのメリットがあるタンパク質ダイエット、ぜひ次の食事から取り入れてみてください。
参考文献
文部科学省 食品成分データベース ※外部サイトに遷移します
厚生労働省 eヘルスネット たんぱく質
厚生労働省 e-ヘルスネット ダイエット
監修:編集長 宮田 亘造
早稲田大学社会科学部卒業後、証券会社での新規開拓営業、製薬会社でのMRなどを経て香港中文大学MBA卒業。同時に北京大学MBAに交換留学、そして北京語言大学にて漢語修習生として学ぶ。帰国後、Webマーケティングのコンサルティング会社を経て、デジタルと医療の融合が患者への新しい価値提供ができると感じ、H2株式会社に入社。
執筆者:管理栄養士・糖尿病療養指導士 白石香代子
山口県立大学家政学部栄養学科卒業後、人材業界を中心にセールスやコンサルタントとして交渉力・語彙力など幅広いコミュニケーションスキルを培う。その後、中国大連にて日系企業のフードアドバイザー、日本人学校の食育セミナー講師として活動。現在、H2株式会社とクリニックでの栄養士業務、特定保健指導を兼任。その他、中国高齢者施設の栄養監修なども手掛けている。管理栄養士、東京糖尿病療養指導士の資格を保有。
記事提供:H2株式会社
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提供元:タンパク質ダイエットとは〜効果・方法・メニューをわかりやすく紹介〜|【シンクヘルスブログ|H2株式会社】