2022.04.11
ブルーベリーの栄養と効能~健康効果だけでなく注意点も詳しく解説~
当記事を監修した専門家:管理栄養士・調理師 前間弘美、編集長 宮田亘造(詳しいプロフィールはこちらをご覧ください) ※外部サイトに遷移します
夏が旬で栄養満点のブルーベリー。
ブルーベリーは、生はもちろんスムージーやヨーグルトなど色々な食べ方がありますね。
そして北アメリカ原産の果物であるブルーベリーは、今では日本全国で栽培され意外にも東京が収穫量日本一と言われています。
そこで今回は、ブルーベリーの栄養と効能について分かりやすくお伝えしていきます。冷凍ブルーベリーやジャムの栄養についてもご紹介しますので、最後までお付き合いください。
ブルーベリーの栄養素と効果
ブルーベリーの多くは水分ですが、私たちに嬉しい栄養素もたくさん含まれています。
それでは、順に解説していきますね。
目の疲れに効くアントシアニン
ブルーベリーは、ポリフェノールのひとつであるアントシアニンが豊富です。
ポリフェノールとは植物の色素成分のことで、抗酸化作用(※)が強く動脈硬化など生活習慣病の予防に役立つと言われています。
(※)活性酸素の働きをおさえて、私たちの体をサビつかせないようにする作用のこと
またアントシアニンは、目の働きを活性化する作用を持つとも言われており、目の疲れや視力低下の予防にも効果が期待できます。
参考記事:ブルーベリーのカロリー&糖質は低め 〜糖質制限や糖尿病に良いのか解説〜 ※外部サイトに遷移します
食物繊維で便秘解消
ブルーベリーは、水溶性食物繊維(※)も含まれていますが多くが不溶性食物繊維です。
(※)水に溶けやすい性質があり、食後血糖値をゆるやかに上げる働きが期待できます。
この不溶性食物繊維は、便秘予防に効果があると言われています。
なぜなら水に溶けにくい不溶性食物繊維は、水分を吸収すると数倍にカサが増し腸を刺激することで排便が促進されるためです。
なお、ドライブルーベリーの方が生のものより約5倍もの不溶性食物繊維を含みます。(100gあたりで比較)
参考記事:きな粉の栄養成分と効能~健康効果だけでなく注意点も解説~ ※外部サイトに遷移します
ビタミンEで美肌に
ブルーベリーは、抗酸化作用が強いビタミンEも豊富です。
ビタミンEは、LDLコレステロールの酸化を抑えるため脂質異常症の予防に役立ちます。
さらに、抗酸化作用があるビタミンEは老化防止にも役立つため、ブルーベリーは美肌効果にも期待できる食材と言えます。
参考記事:たこの栄養成分と効果~ダイエット中や妊娠中の影響についても詳しく解説~ ※外部サイトに遷移します
【生・冷凍】ブルーベリーの栄養面での違い
冷凍ブルーベリーは生のブルーベリーをマイナス20度で急速冷凍するため、栄養素の変化は少ないです。ただしビタミンCは水に溶けやすい栄養素であるため、少しでも温度が上がると溶けた水分に流れ出て損失します。
なお、ブルーベリーを冷凍すると霜や氷の塊によって細胞組織が損傷するため、アントシアニンを含む、多くの栄養成分を体に取り入れやすくなる可能性があります。
生のブルーベリーは、アントシアニンやビタミンEなど、私たちの体に嬉しい栄養素がたくさん含まれています。一方で、冷凍ブルーベリーも栄養成分の吸収がアップするという点で健康に役立つでしょう。
冷凍のものは体に悪いの?
結論から申し上げますと、冷凍ブルーベリーは体に良いと言えます。
なぜならすでにお伝えした通り、ブルーベリーは冷凍保存をすることで、アントシアニンを含む栄養素を体に取り入れやすくなる可能性があるからです。
さらに獲れたてを急速冷凍するため、鮮度も高く栄養素の損失も少ないのが特徴です。
しかし、一般的な家庭用の冷凍庫はマイナス18度以下に設定されています。しかし冷凍庫のドアの開閉が多いと庫内の温度も上がるため、保管している食品も影響を受けやすくなります。
体に良い冷凍ブルーベリーですが、家庭用の冷凍庫では長期保存は避けた方が良いと言えるでしょう。
参考記事:いちごの栄養成分で健康づくり~効能を活かした食べ方やレシピも伝授~ ※外部サイトに遷移します
ブルーベリージャムは栄養があるのか
ブルーベリージャムにも栄養があります。
なぜなら、ブルーベリーはジャムにしても不溶性食物繊維やアントシアニンの量は変わらないからです。
しかしジャムは砂糖をたくさん使用して加工するため、生のブルーベリーに比べてカロリーや糖質が上がります。
確かに栄養のあるブルーベリージャムですが、同時にカロリーや糖質も高くなるため、食べ過ぎには注意が必要と言えるでしょう。
ブルーベリーは食べすぎると体に悪影響?
ブルーベリーの食べ過ぎは体に悪いと言えます。
その原因として挙げられるのがブルーベリーに含まれる不溶性食物繊維です。
と申しますのも便秘予防に効果が期待される不溶性食物繊維は、摂り過ぎると便の体積が増えすぎる要因となるため、逆に便秘が酷くなる状態を引き起こすことも。
またアントシアニンなどのポリフェノールは水に溶けやすいため、長期間効果が持続しません。そこでブルーベリーは1度にたくさん食べるよりも、毎日こまめに摂取することが大切なのです。
参考記事:きな粉の栄養成分と効能~健康効果だけでなく注意点も解説~ ※外部サイトに遷移します
1日の摂取量はどのくらい
ブルーベリーは1日200gを目安に食べると良いでしょう。厚生労働省が定める「健康日本21」では、1日の果物摂取目標量を200gとしています。
栄養の多く含まれるブルーベリーですが、果糖も含まれています。果糖は摂り過ぎると中性脂肪が増えて肥満の原因になる可能性があります。
参考までにブルーベリー1粒は約2gあり、1パックで約150gです。洗うだけで手軽に食べられるブルーベリーですが、適量を守って食べると良いでしょう。
なおブルーベリーの果皮には食物繊維などの栄養が豊富に含まれているため、皮ごと食べるのがおすすめです。
まとめ
以上、ブルーベリーにはアントシアニンや不溶性食物繊維、ビタミンEなど私たちにとって嬉しい栄養素がたくさん含まれていることが分かりましたね。
さらに抗酸化作用が強いアントシアニンは、生活習慣病の予防だけでなく目の疲れや視力低下の予防にも効果が期待できます。
そして、ブルーベリーは冷凍することでアントシアニンが増加する点もポイントです。
しかし砂糖を多く使っているブルーベリージャムは、生のブルーベリーと比べて不溶性食物繊維やアントシアニンの量は変わらないものの、カロリーや糖質が高くなるため食べ過ぎには注意する方が良いでしょう。
今回の記事により、ブルーベリーをうまく取り入れていただけると嬉しいです。
参考文献 ※外部サイトに遷移します
J-GLOBAL 凍結と長期冷凍貯蔵によるブラックベリー果実中のアントシアニンと他の化合物含量の変化
生活協同組合 おおさかパルコープ 乳幼児に野菜・果物はどのくらい食べさせるの?
ブルーベリー果実の品種による加工適性と葉エキスを融合させたジャムの開発
監修:編集長 宮田 亘造 H2株式会社 シニアマネージャー
早稲田大学社会科学部卒業後、証券会社での新規開拓営業、製薬会社でのMRなどを経て香港中文大学MBA卒業。同時に北京大学MBAに交換留学、そして北京語言大学にて漢語修習生として学ぶ。帰国後、Webマーケティングのコンサルティング会社を経て、デジタルと医療の融合が患者への新しい価値提供ができると感じ、H2株式会社に入社。
監修:管理栄養士・調理師 前間弘美
武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科卒業後、管理栄養士として給食会社や病院に勤務。糖尿病・高血圧の方に向けた献立作成や調理、栄養管理・栄養指導などを担当。特に病院勤務では、働き盛りの方が血糖値、血圧そして食事の記録を時間を作って手書きで行う手間や、その先にある健康面における自己管理の難しさを目の当たりにしてきた。身近なスマートフォンをベースにデジタルヘルスを展開することに可能性を感じたのとあわせ、より多くの方の生活習慣の改善に携わりたいという想いからH2株式会社に入社。管理栄養士、調理師の資格を保有。
記事提供:H2株式会社
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提供元:ブルーベリーの栄養と効能~健康効果だけでなく注意点も詳しく解説~|【シンクヘルスブログ|H2株式会社】