2022.04.04
トマトの栄養と効能はやはりすごい!~加工品についても詳しく解説~
当記事を監修した専門家:管理栄養士・調理師 前間弘美、編集長 宮田亘造(詳しいプロフィールはこちらをご覧ください) ※外部サイトに遷移します
甘くてジューシーな赤いトマト。
トマトは大人だけでなく、子供が好きな野菜の上位に入り、彩りも良いため食卓に並ぶことも多いのではないでしょうか。
そこで今回はトマトの栄養と効能を分かりやすくお伝えしていきます。
さらに、トマトジュースやケチャップなどの加工品の栄養についてもご紹介しますので、最後までお付き合いください。
トマトの栄養と効能
トマトの90%以上は水分ですが、私たちの体に嬉しい栄養素も多く含まれています。
では、さっそく順に解説していきますね。
美容に良いリコピン
リコピンはトマトの赤色成分で、強い抗酸化作用があり肌のシミやしわなどの予防に役立ちます。
さらにリコピンの効力は、同じく抗酸化作用を持つβ-カロテンの2倍、ビタミンEの100倍とも言われています。
そしてリコピンは、熱に強いため加工しても効能を損なうことが少なく、油と一緒に調理することで、体に吸収されやすくなるのも特徴です。
身体の抵抗力を強めるビタミンC
トマトは、ストレスや風邪に対する抵抗力を強めるビタミンCが豊富で、大きめのトマト1個(約250g)で1日に必要なビタミンCの約1/3も摂れます。
さらにビタミンCは、鉄やカルシウムの吸収を良くする働きも期待出来ます。
参考記事:イチゴのカロリーと糖質量は少ない〜栄養素やとっておきのレシピも紹介〜 ※外部サイトに遷移します
身体機能を調整するβ-カロテン
トマトは、抗酸化作用のあるβ-カロテンの含有量も多いです。
β-カロテンは体内で必要な分だけビタミンAに変換され、免疫機能や視力を調整してくれます。
コレステロール値にも効果的な食物繊維
トマトは、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方を含みます。
ちなみに肉厚なトマトの独特の食感は、ペクチンという水溶性食物繊維が豊富なためです。
ペクチンは血中コレステロール値を下げる働きが期待出来ます。ペクチンを積極的に摂りたい方にはトマトの丸かじりがオススメですよ。
さらに不溶性食物繊維は、便のカサをふやす働きが期待できるため、便通を整えたい方にもトマトは嬉しい食材ですね。
ミニトマトの栄養成分はどう?
ミニトマトは普通のトマトと比べて、ビタミンCやカリウム・β-カロテン等の栄養素が多く含まれています。
それでは普通のトマトとミニトマトの栄養素を比べてみましょう。
このようにミニトマトのβ-カロテンやビタミンCは、普通のトマトの約2倍も多く含まれていることが分かりますね。
さらに、ミニトマトは洗うだけで手軽に食べることが出来る点も嬉しいです。
トマトは栄養がないのは本当か?
おそらくトマトはカロリーが低いため栄養がないと言われるのでしょうが、ビタミンC、β-カロテン、リコピンといった栄養素が豊富です。よって栄養がないとは言い切れないでしょう。
トマトを食べすぎると健康に悪い?
栄養豊富なトマトですが、食べすぎると健康に良くありません。
というのも、夏野菜であるトマトは水分が多く体を冷やす作用があるためです。
さらに、トマトは食物繊維も含むため、食べすぎると便がゆるくなる原因にもなります。
トマトは毎日だとどのくらいの量を食べると良いのか?
トマトはMサイズのトマトなら1日1個、ミニトマト(1個10g)なら12個くらいを目安にすると良いでしょう。
というのも、1日に必要な緑黄色野菜の120g(※)を満たすことが出来るからです。
(※)厚生労働省が定める「健康日本21」では、成人における1日の野菜摂取推奨量を350g以上(内120gは緑黄色野菜)としています。
しかし先程もお伝えした通り、トマトは体を冷やす作用もあるため、トマトだけでなくほうれん草や人参といった他の緑黄色野菜もバランスよく摂ると良いですね。
【生・焼く・煮る】トマトの栄養を効果的に摂る方法は?
トマトに含まれるリコピンの栄養を効果的に摂りたい場合は、焼く・煮るの調理法が良いです。
なぜならトマトを加熱すると、植物の細胞壁が柔らかくなり壊れるため、リコピンは体内で吸収されやすくなるからです。
よって、トマトを加熱したり油と一緒に摂取すると良いですね。
さらにトマトは加熱するとカサが減るので、一度にたくさん食べられます。
しかし、熱に弱いビタミンCを効果的に摂るには、生のトマトを選ぶことをオススメします。
このように、摂りたい栄養素によって調理方法を変え、トマトの栄養を効果的に摂りましょう。
参考記事:リコピンとは?効能・効果の観点からわかりやすく解説 ※外部サイトに遷移します
加工品(トマトジュース・トマト缶・トマトケチャップ・乾燥粉末)に栄養価の違いはあるの?
次に、生のトマトと加工品の栄養を比べてみましょう。
このように、加工品は生のトマトと比べると、ビタミンCは減るものの食物繊維やβ-カロテンはあまり変わらないことが分かりますね。
なおトマトケチャップは、加工時に食塩を使っているため塩分が高くなります。
また干すことでうまみの増すドライトマトは乾燥させて水分が抜けた分、生のトマトに比べてカロリーや食物繊維が増えています。
まとめ
トマトには、リコピンやビタミンC、β-カロテン、食物繊維などの栄養素が豊富に含まれていることが分かりましたね。
さらにトマトを加熱することで、生より2~3倍も多くのリコピンが摂れるのもポイントです。
しかし、夏野菜で水分の多いトマトには体を冷やす作用があるため、Mサイズのトマトは1日1個、ミニトマト(1個10g)は12個程度を目安にすると良いでしょう。
そしてビタミンCを摂りたい時は生のトマトを選び、リコピンを摂りたい時は加熱したトマトを食べると良いですね。
今回の記事により、トマトを美味しく食べて健康に役立てていただけると嬉しいです。
参考文献 ※外部サイトに遷移します
一般社団法人 全国トマト工業会 トマトの栄養/トマトのちょっといい話
農林水産省 味の再発見! 昔ながらのニッポンの郷土料理 第4回
農林水産作用 知っているかな?!やさい・野菜・Vegetables
独立行政法人農畜産業振興機構 夏野菜の効能について ~夏場の体調管理に夏野菜を!~
監修:編集長 宮田 亘造 H2株式会社 シニアマネージャー
早稲田大学社会科学部卒業後、証券会社での新規開拓営業、製薬会社でのMRなどを経て香港中文大学MBA卒業。同時に北京大学MBAに交換留学、そして北京語言大学にて漢語修習生として学ぶ。帰国後、Webマーケティングのコンサルティング会社を経て、デジタルと医療の融合が患者への新しい価値提供ができると感じ、H2株式会社に入社。
監修:管理栄養士・調理師 前間弘美
武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科卒業後、管理栄養士として給食会社や病院に勤務。糖尿病・高血圧の方に向けた献立作成や調理、栄養管理・栄養指導などを担当。特に病院勤務では、働き盛りの方が血糖値、血圧そして食事の記録を時間を作って手書きで行う手間や、その先にある健康面における自己管理の難しさを目の当たりにしてきた。身近なスマートフォンをベースにデジタルヘルスを展開することに可能性を感じたのとあわせ、より多くの方の生活習慣の改善に携わりたいという想いからH2株式会社に入社。管理栄養士、調理師の資格を保有。
記事提供:H2株式会社
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提供元:トマトの栄養と効能はやはりすごい!~加工品についても詳しく解説~|【シンクヘルスブログ|H2株式会社】