2022.03.14
チョコレートのカロリーと糖質は高い?~健康効果についても管理栄養士が詳しく解説~
当記事を監修した専門家:管理栄養士・調理師 前間弘美、編集長 宮田亘造(詳しいプロフィールはこちらをご覧ください) ※外部サイトに遷移します
「チョコレートは太る」
「チョコレートは健康に良い」
どちらも耳にしたことがあるのではないでしょうか?
チョコレートは種類も豊富で、仕事や家事の合間につまむなど手軽に食べることができるのも魅力の1つですよね。
そんな手軽さからつい食べ過ぎてしまう方もいると思いますが、チョコレートのカロリーと糖質は高く、食べ過ぎは肥満につながります。
そこで今回はチョコレートのカロリーや糖質について解説しつつ、どのくらいなら食べても良いのか、どんな健康効果があるのか、詳しくお伝えしていきます。
さらに太りにくいチョコレート選びのポイントもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
チョコレートのカロリーと糖質
チョコレートはカロリーや糖質が高い食べ物です。
なぜならチョコレートの主原料はカカオマスやココアバターで、その大本であるカカオ豆は、カロリーの高い植物性油脂が多く含まれているからです。
そしてチョコレートを作る際には、たくさんの砂糖を加えることが多いので糖質が高いと言えます。
ちなみにカカオマスは、カカオ豆の外皮を取り除いて磨砕してできるペースト状のものです。
一方でココアバターは、カカオ豆を搾油して得られる植物油脂のことを指します。
そしてこれらに乳製品や砂糖を加えることで、いくつかの種類のチョコレートに分類されます。
では早速、チョコレートの種類によってカロリーや糖質がどのように異なるのか見ていきましょう。
ミルク、ホワイトチョコレートを比較
まずはミルク、ホワイトチョコレートの材料の違いを説明します。
チョコレート色のカカオマスが入っているのがミルクチョコレートで、入っていないのがホワイトチョコレートです。
次にミルク、ホワイトチョコレートのカロリーと糖質を見ていきましょう。
・ミルクチョコレート100g:550kcal、糖質59.3g
・ホワイトチョコレート100g:588kcal、糖質58.2g
このことから、カカオマスの有無ではカロリー糖質共に大きな差がないことが分かりますね。
ダーク(ブラック)チョコレートについて
ダークチョコレートとは乳製品の含有量が少なく、カカオマスが40%以上のチョコレートのことです。
カカオマスが70~90%配合されている苦みの強いチョコレートは、砂糖の含有量も少ないため糖質量は低くなります。
ただし、カカオマスが多いチョコレートは、カカオマス由来の脂肪分が多いのでカロリーは高くなります。
板チョコのカロリーはどのくらいか
板チョコは1枚50g程度ですので、カロリーと糖質はそれぞれ以下の通りです。
・ミルクチョコレート:276kcal、糖質29.7g
・ホワイトチョコレート:294kcal、糖質29.1g
これはご飯の茶碗1膳のカロリーよりも多く、1/2膳分の糖質とほぼ同じです。参考までに、ご飯お茶碗1膳(160g)のカロリーは250kcal、糖質は61.0gです。
なお、一口チョコレートは1個5gのものが多いため、板チョコの約1/10、つまり1個約30kcal、糖質3g程度でしょう。
高カカオチョコレートのカロリー
先ほどお伝えしたように、カカオマスの割合が高まるとカロリーは高くなります。
ちなみに高カカオチョコレートの明確な基準はありませんが、カカオマスを70%以上配合されているものが多いように見受けられます。
チョコレートを使ったケーキ、クッキーのカロリー&糖質はどうか
一般的にはチョコレートを使ったケーキやクッキーは脂質が増えるため、フルーツが乗ったケーキやプレーンのクッキーに比べてカロリーが高くなります。
またケーキやクッキーに用いられるチョコレートは、砂糖を多く含んだものが主流ですので糖質も高くなるでしょう。
参考までに、菓子・嗜好品は1日に200kcalを目安に食べることが望ましいとされています。
そのため、チョコレートケーキはたまにお楽しみの間食として、チョコレートクッキーは1日4枚など、枚数を決めるなどして食べると良いでしょう。
チョコレートの健康効果
近年、チョコレートに含まれるカカオポリフェノールが注目を集めていますが、その効果を以下にまとめました。
・血圧低下:血管が広がり血圧が低下する
・動脈硬化予防:HDLコレステロール(善玉コレステロール)を増やすため、動脈硬化の予防につながる
・美肌効果:しみやそばかすの原因となる活性酸素を除去して、肌へのダメージを防ぐ
このようにカカオポリフェノールに健康効果があることは認められています。
ただ、食べ過ぎは食のバランスを崩すので注意してください。
参考記事:チョコレートはダイエットに良い?〜カカオの効果やお勧めランキングも紹介〜 ※外部サイトに遷移します
アーモンドチョコレートはどうか
アーモンドチョコレートは100gあたり562kcalと、カロリーはミルク、ホワイトチョコレートと大差ありません。
しかし、噛み応えがあるため少量でも満腹感を得られやすいです。
またアーモンドには食物繊維やビタミンEが多く含まれているので、腸内環境の改善や老化防止効果が期待できます。
もちろん食べ過ぎはカロリーの過剰摂取となり、肥満や生活習慣病につながる恐れがありますので、他の菓子と同様に1日に200kcal(10粒程度)を目安に食べましょう。
参考記事:ナッツ類と血糖値の関係〜見落としがちな点をシンプルに解説〜 ※外部サイトに遷移します
カロリー0のチョコレートは太らないのか
消費カロリーよりも摂取カロリーが上回った時に体重が増加するため、カロリー0のチョコレートは太りにくいと言えるでしょう。
また同じく太りにくいチョコレートとして、高カカオで砂糖の含有量が少ないチョコレートもおすすめです。
ちなみに先ほどカカオマスの割合が増えると、カロリーが高くなるとお伝えしました。
ただ、カカオマスに含まれる主な脂肪分はステアリン酸で、体内に吸収されにくい性質を持っています。
つまり、カカオマス由来の脂肪分は体脂肪として蓄積されづらいのです。
ですから、ダイエット中にチョコレートが食べたくなった時には、カロリー0のものや、高カカオのものを選ぶと良いでしょう。
まとめ
以上、チョコレートのカロリーと糖質について解説しました。
チョコレートは種類によってカロリーや糖質に大きな差が見られず、100gあたり550~600kcal、糖質58~60gと高カロリー高糖質です。
そのため食べ過ぎには注意が必要ですが、チョコレートにはカカオポリフェノールが含まれるので以下の健康効果が期待できます。
・血圧低下:血管が広がり血圧が低下する
・動脈硬化予防:HDLコレステロール(善玉コレステロール)を増やすため、動脈硬化の予防につながる
・美肌効果:しみやそばかすの原因となる活性酸素を除去して、肌へのダメージを防ぐ
また、チョコレートに含まれるカカオマス由来の脂肪分は、体脂肪として蓄積されづらい性質を持っています。
それでは当記事を参考に、チョコレートをほどほどに楽しんでいただけたら嬉しいです。
■参考文献
全国チョコレート業公正取引協議会 チョコレート類の表示に関する公正競争規約及び施行規則 ※外部サイトに遷移します
日本チョコレート・ココア協会 チョコレートの用語:そのI チョコレートの基本
日本チョコレート・ココア協会 チョコレート・ココア健康講座
文部科学省 食品成分データベース ※外部サイトに遷移します
eatsmart ※外部サイトに遷移します
農林水産省 「食事バランスガイド」の適量と料理区分 ※外部サイトに遷移します
公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット ポリフェノールの種類と効果と摂取方法 ※外部サイトに遷移します
株式会社明治 チョコレートの意外な話 太るってホント? ※外部サイトに遷移します
監修:編集長 宮田 亘造 H2株式会社 シニアマネージャー
早稲田大学社会科学部卒業後、証券会社での新規開拓営業、製薬会社でのMRなどを経て香港中文大学MBA卒業。同時に北京大学MBAに交換留学、そして北京語言大学にて漢語修習生として学ぶ。帰国後、Webマーケティングのコンサルティング会社を経て、デジタルと医療の融合が患者への新しい価値提供ができると感じ、H2株式会社に入社。
監修:管理栄養士・調理師 前間弘美
武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科卒業後、管理栄養士として給食会社や病院に勤務。糖尿病・高血圧の方に向けた献立作成や調理、栄養管理・栄養指導などを担当。特に病院勤務では、働き盛りの方が血糖値、血圧そして食事の記録を時間を作って手書きで行う手間や、その先にある健康面における自己管理の難しさを目の当たりにしてきた。身近なスマートフォンをベースにデジタルヘルスを展開することに可能性を感じたのとあわせ、より多くの方の生活習慣の改善に携わりたいという想いからH2株式会社に入社。管理栄養士、調理師の資格を保有。
記事提供:H2株式会社
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提供元:チョコレートのカロリーと糖質は高い?~健康効果についても管理栄養士が詳しく解説~|【シンクヘルスブログ|H2株式会社】