2022.02.28
やっぱりすごい!うなぎの栄養成分~体に嬉しい効果について詳しく解説~
当記事を監修した専門家:管理栄養士・調理師 前間弘美、編集長 宮田亘造(詳しいプロフィールはこちらをご覧ください) ※外部サイトに遷移します
夏のスタミナ源として、土用の丑(うし)の日に食べる方も多いうなぎのかば焼き。
そんな天然のうなぎの旬は、実は冬眠に向けて栄養をため込む冬です。
そこで今回は、古くから親しまれてきたうなぎについての栄養素や効能について、分かりやすくお伝えしていきます。
ぜひ最後までお付き合いください。
うなぎの栄養素と効能
うなぎには、私たちの体にとって嬉しい栄養素が多く含まれます。
では早速、順に解説していきますね。
健康に良い脂質DHA・EPA
うなぎは、DHAやEPAといった不飽和脂肪酸が豊富です。
DHAは、脳の発達促進や視力の低下予防・動脈硬化の予防改善、EPAは高血圧予防や炎症を抑える働きが期待できます。
DHAやEPAは、肉の脂に含まれる飽和脂肪酸(※)と違い、うなぎなどの魚油に含まれ健康に良い脂質です。
(※)私たちの体に必要な栄養素ですが、摂り過ぎることで血中コレステロールが増加し、心筋梗塞などの原因になります。
なお、DHA・EPAを含むn-3系不飽和脂肪酸の目安摂取量は、18歳以上の男性で1日2g以上のところ、うなぎ100gあたりでは2.4gも含まれています。
そして、DHAやEPAは私たちの体内では作ることができないため、健康の維持には積極的に摂りたい栄養素ですね。
参考記事:さばのカロリーは高いが糖質は低い~ダイエット中の食べ方についても詳しく解説~ ※外部サイトに遷移します
目や粘膜の健康を保つレチノール
ビタミンAの主成分であるレチノールは、脂溶性ビタミンに分類され目や皮膚の粘膜を健康に保ったり、抵抗力を高める効果が期待できます。
そしてうなぎのかば焼きを約1/3パック食べると、1日に必要なビタミンAをほぼ満たすことが可能です。
骨や歯をつくるカルシウム
うなぎは、骨や歯の構成成分になるカルシウムも豊富です。
カルシウムは私たちの体に最も多く存在するミネラルで、ストレスを和らげたり血が固まるのをサポートする働きも期待できます。
なお、カルシウムが豊富なことで有名な牛乳には、100mlあたり110mgのカルシウムが含まれています。一方でうなぎのかば焼きは100gあたりのカルシウム含有量が150mgで、牛乳よりも多いです。
カルシウムを積極的に摂りたい方には、うなぎは嬉しい食材ですね。
参考記事:きくらげの意外な栄養成分~体に嬉しい効能とデメリットもお伝えします~ ※外部サイトに遷移します
参考記事:【意外に知らない】わかめの栄養成分~健康効果を詳しく解説~ ※外部サイトに遷移します
疲労回復にビタミンB1
うなぎには疲労回復に効果があるビタミンB1も豊富に含まれ、魚介類ではトップクラスに入ります。
体力を消耗しやすい夏にも、うなぎは効果がある食材と言えますね。
男性に嬉しい効果あり?ビタミンE
脂溶性ビタミンに分類されるビタミンEは、抗酸化作用が強いため血中LDLコレステロールの酸化を抑えたり、老化防止、さらには生殖機能を維持する働きも期待できます。
筋肉の構成成分となるたんぱく質
魚介類に分類されるうなぎは、動物性たんぱく質食品です。
たんぱく質は体を作る構成成分というだけでなく、体の機能を調整する働きもしているため、不足すると抵抗力が弱くなったり筋力が低下します。
女性に嬉しい効果のあるコラーゲン
皮膚や軟骨の構成成分であるコラーゲンも、うなぎには含まれています。
コラーゲンは皮膚の弾力を守る働きも期待できるので、女性には嬉しい食材ですね。
うなぎは「栄養がない」「体に悪い」って本当なの?
先程もお伝えした通り、うなぎにはビタミンやミネラルが豊富に含まれるため、栄養がある食材と言えます。
ただし、脂溶性ビタミンであるビタミンAも含まれているため、食べすぎると頭痛などを引き起こす過剰症の問題もあり、注意が必要です。
なお、「うなぎと梅干しは食べ合わせが良くない」と聞かれた方も多いかと思いますが、実は医学的根拠はありません。
ただ梅干しは胃酸を分泌させて食欲を増進させるため、贅沢(ぜいたく)なうなぎをたくさん食べないように、いましめとして伝えられたという説もあります。
うなぎは高齢者の栄養補給にも
うなぎには高齢者(※)に不足しがちな、カルシウムや鉄や亜鉛・ビタミンA・ビタミンB1・DHA・EPAといった栄養素を含んでいる食べ物です。
(※)WHO(世界保健機構)の定義では、65歳以上の人を言います。
さらに年齢を重ねると、若い時に比べて食事量が減る上にメニューもかたよることが多いため、たんぱく質やビタミンやミネラルが不足する傾向にあります。
特に肉や魚、卵などのたんぱく質を摂る機会が少なくなると、栄養の状態が低くなる可能性もあるのです。
ですので、上記でご紹介した栄養素が含まれるうなぎは、高齢者の栄養補給におすすめしたい食材と言えます。
毎日食べるとどうなるのか
結論から申し上げますと、うなぎを毎日食べるのはあまり体に良くありません。
なぜなら繰り返しになりますが、うなぎにはビタミンAが豊富に含まれており過剰症の問題も出てくるからです。
栄養豊富なうなぎですが、毎日食べるのは控えた方が良いでしょう。
まとめ
以上、うなぎにはDHAやEPA・ビタミンAやカルシウムなどの、栄養素を豊富に含む食材であることが分かりましたね。
そして、市販のうなぎのかば焼きを約1/3パック(約50g)食べると、1日に必要なビタミンAをほぼ満たすことができるのもポイントです。
しかし、脂溶性ビタミンであるビタミンAには過剰症の問題もあるため、うなぎを毎日食べるのは控えた方が良いでしょう。
なおうなぎのビタミンやミネラル、たんぱく質は、高齢者の栄養補給にもお勧めです。
それでは今回の記事をきっかけに、栄養豊富なうなぎをうまく摂り入れていただけると嬉しいです。
参考文献 ※外部サイトに遷移します
身体によい脂肪酸とは:トランス脂肪酸とω(オメガ)脂肪酸の役割
厚生労働省 高齢者がよりよく生きるための日本人の食事を考える
監修:編集長 宮田 亘造 H2株式会社 シニアマネージャー
早稲田大学社会科学部卒業後、証券会社での新規開拓営業、製薬会社でのMRなどを経て香港中文大学MBA卒業。同時に北京大学MBAに交換留学、そして北京語言大学にて漢語修習生として学ぶ。帰国後、Webマーケティングのコンサルティング会社を経て、デジタルと医療の融合が患者への新しい価値提供ができると感じ、H2株式会社に入社。
監修:管理栄養士・調理師 前間弘美
武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科卒業後、管理栄養士として給食会社や病院に勤務。糖尿病・高血圧の方に向けた献立作成や調理、栄養管理・栄養指導などを担当。特に病院勤務では、働き盛りの方が血糖値、血圧そして食事の記録を時間を作って手書きで行う手間や、その先にある健康面における自己管理の難しさを目の当たりにしてきた。身近なスマートフォンをベースにデジタルヘルスを展開することに可能性を感じたのとあわせ、より多くの方の生活習慣の改善に携わりたいという想いからH2株式会社に入社。管理栄養士、調理師の資格を保有。
記事提供:H2株式会社
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