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2021.08.26

それ、NGな使い方かも?! 油(オイル)の使い分け、ちゃんとできている?


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亜麻仁油、えごま油といったオメガ3のオイルや、ココナッツオイル、MCTオイルなど、さまざまな機能性をもつ植物油(オイル)がメディアで脚光を浴びて市場を騒がせ、ここ数年健康オイルブームが続いています。
牛脂やラードなどの動物性の脂は、とりすぎると生活習慣病を招くことが知られてきた一方、植物性の油(オイル)は血液をサラサラにするなど、私たちの健康に嬉しい働きをしてくれることが広く認知されてきたことから、積極的に毎日の食生活にオイルを取り入れ始めた方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
栄養学の面から考えると油脂は脂質から成り、従来は“脂質=健康に悪い、太る”という印象がもたれて嫌煙されがちでしたが、最近は悪いイメージが徐々に払拭されつつあるようです。
今回は、家庭で調理に使うことが多い植物油(オイル)に着目して、種類に合わせた使い方のポイントを解説していきたいと思います。

オイル選び、どうしてる?

スーパーの食用油コーナーに行くと、さまざまな種類のオイルがズラッと並んでいますが、皆さんは普段何を基準に選んでいますか?種類が多すぎて選びきれない、なんて方もいらっしゃるかもしれませんが、なんとなく価格だけで決めているとしたらもったいない!さらに、オイルは種類によって特徴が異なるにも関わらず、どの油も同じように扱っているとしたら、そのオイルの良さを台無しにしてしまうNGな使い方をしてしまっているかもしれません。
目的に合ったものを選び、種類に合わせて正しく使い分けられるようになると、より健康的に油を楽しめるようになるだけでなく、料理上手にもなれちゃいますよ。

知っておきたいオイルの基礎知識

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はじめに、オイルを正しく選び、使うための基本として、含まれる脂肪酸の種類とその特徴を知っておくことが大切です。脂質は大きく分けて、常温で固体の“飽和脂肪酸”と常温で液体の“不飽和脂肪酸”の2つに分類されます。不飽和脂肪酸は、さらにオメガ3、6、9系脂肪酸の3つに分類され、植物性のオイルにはそれらが豊富に含まれています。脂肪酸は種類ごとにそれぞれ特徴が異なり、なかでもオメガ3、6は必須脂肪酸と言われ、体内では合成できないため食べ物から摂取する必要があります。まずは、オイルの種類によって、これらの脂肪酸の含有割合が異なることを知っておきましょう[1, 2]。

オイルの種類に合った調理・保存法を!

オイルを使う際に一番気をつけたいのが“酸化”を防ぐことです。脂質は酸化してしまうと、元はどんなに健康に良い機能性をもっていたとしても、健康に悪影響を与えるものに変化してしまいます。
脂質の酸化を引き起こす主な原因は、熱・光・酸素に触れること。酸化に対する耐性は含まれる脂肪酸の種類とその割合によって異なるため、美味しく健康に油を取り入れるためには、オイルの種類に合わせて調理法と保存法を使い分けることが大切です。
脂肪酸の特徴として、オメガ3は酸化に弱く、オメガ9は酸化に強いことから、オイルを使う際には、オメガ3が多いものはそのままドレッシング等の生食用に、オメガ9が多いものは揚げ物や炒め物の加熱調理にと、特徴に合わせて使い分けましょう。
 また、保存方法も同様に酸化しないように意識をすることが大切です。例えば、酸化しやすいオメガ3を多く含むオイルは、遮光できる容器に密閉し、冷暗所で保存をするように気をつけ、なるべく早く使い切ると良いでしょう[3]。

オイルの種類と特徴を知って正しく選び、使い分けよう!

日本で一般的に使われている、植物油の種類とその特徴をまとめてみました。種類によって、風味も大きく異なるので料理に合ったオイルを選べるようになると料理の仕上がりが変わるはずです [2, 4]。

オメガ9系脂肪酸が多い油

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オメガ6系脂肪酸が多い油

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オメガ3系脂肪酸が多い油

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毎日の食卓に、オイルを上手に取り入れよう!

オイルの種類による違い、ご理解いただけましたでしょうか?健康的な食生活を送るためには、脂肪酸のバランスも重要です。1つに偏らないよう、複数のオイルを毎日の食生活に取り入れると良いでしょう。

健康のためにオイルをとろうと意識をする人が増えるなかで、心配なのが食べ過ぎによるカロリー過多です。カロリーの摂りすぎは肥満の原因になり、さまざまな疾病を招くリスクが高まってしまいます。脂質は1gあたり9kcalと、ほかのエネルギー源となる糖質やたんぱく質(4kcal/g)と比べて倍以上のカロリーがあることを忘れずに、適量を守りながら上手に取り入れていきましょう。

【参考文献】(すべて2021年8月13日閲覧)

[1] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)|脂質」 ※外部サイトに遷移します

[2] 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

[3] 厚生労働省「e-ヘルスネット|不飽和脂肪酸」 ※外部サイトに遷移します

[4] (社)日本植物油協会「植物油の基礎知識」 ※外部サイトに遷移します

【プロフィール】管理栄養士 藤橋ひとみ

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I’s Food & Health LABO. (アイズフードヘルスラボ)代表
毎日の食事で心身のトラブルを予防・改善できる社会の実現を目指し、フリーランスの管理栄養士として活動中。 東京大学大学院、医学博士課程在籍。EBN(科学的根拠に基づく栄養学)の考え方を大切に、コラム執筆・監修、メディア出演等、健康情報を伝える活動や、食と健康の専門家のスキルアップ支援を行う。大の大豆・発酵好きで、国内外にてその魅力を発信している。著書「おいしく食べてキレイになる!おから美腸レシピ」

記事提供:リンクアンドコミュニケーション

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