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2021.05.19

アンケート企画:あなたの悩みに専門家が答えます(2)“飲む酢”で内臓脂肪を減らせますか?


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私たちは、インターネットなどの多種多様なメディアからさまざまな健康情報を入手することができますが、それって確かな情報でしょうか?専門家に聞いてみたいお悩み、ありませんか?
本企画では、リンククロスシル編集部が、アンケートで募集した健康に関するお悩みについて、専門家に聞いてみました。

第2回目は、70歳代男性より、内臓脂肪に関するお悩みです。管理栄養士・一ノ木菜摘さんに回答していただきました。

Q. 内臓脂肪を減らすために “飲む酢” を飲んでいますが効果はありますか?

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以前は気にならなかったのに、“お腹周りにお肉がついた気がする”、“ぽっこりしたお腹が凹まない”といったお悩みがある場合、それはもしかしたら、内臓脂肪が増加している可能性があります。それをそのままにしておくと“メタボリックシンドローム”通称“メタボ”になる危険があるので注意が必要です。メタボは、内臓脂肪蓄積のうえに血圧・血糖・血清脂質が基準値よりも高い状態であることを言います。内臓脂肪を減らしメタボの危険性を減らすためには、毎日の食事や運動に目を向けることが大切です[1]。

質問者様は、内臓脂肪を減らすために“飲む酢”を飲んでいるとのことですが、まずは、内臓脂肪を減らすための食事の基本について紹介し、そのうえで、ダイエットとお酢の関係について回答します。

内臓脂肪を減らすための食事の基本

内臓脂肪が増えてしまう原因は、“食べ過ぎ”と言われています。次に、食べ過ぎを防ぐポイントを5つ紹介しますので、参考にしてくださいね[1]。

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(1)自分に必要なエネルギー量を知る

食事などで摂ったエネルギーが、運動や生活活動による消費エネルギーを上回ると、上回った分のエネルギーは主に脂肪として蓄えられます。国が定めている1日の推定エネルギー必要量は、女性では、デスクワーク中心のお仕事をされている30〜49歳で2,050kcal、50~64歳で1,950kcal、65~74歳で1,850kcal、75歳以上で自立されている方は1,650kcalです。男性では、デスクワーク中心のお仕事をされている30〜49歳で2,700kcal、50~64歳で2,600kcal、65~74歳で2,400kcal、75歳以上で自立されている方は2,100kcalとなります。この値を目安にエネルギーを摂りすぎてないか確認するとよいでしょう[2]。

(2)間食を見直す

朝食・昼食・夕食以外の間食も考慮する必要があります。一般的に1日200kcal程度が適量と言われていますが、減量するなら3食と合わせて、1日の推定エネルギー必要量を超えないように間食を食べる量を調節しましょう。また、飲み物についても注意が必要です。砂糖が多く含まれる炭酸飲料などの清涼飲料水、コーヒー飲料や乳飲料ではなく、ゼロカロリーのお茶やコーヒー、炭酸水を選ぶと良いでしょう[3]。

(3)よく噛んで食べる

速食い(早食い)は肥満と密接な関係があると言われています。速食いをすると、よく噛まずに食べるため満腹感が得られず、食べ過ぎてしまうことが原因と考えられます。ゆっくりよく噛んで食べることで脳の満腹中枢が刺激され食べ過ぎを抑えることができます。食事の時間をきちんと確保して、1口30回以上は噛むように意識したいですね[4]。

(4)食物繊維の多い食品を摂る

食物繊維の摂取は、肥満やメタボの予防・改善への効果が期待されています。主に穀類・豆類・野菜類・果実類・きのこ類・海藻類など植物性食品に多く含まれており、人の体では消化・吸収されにくく、小腸を通って大腸まで達する食品成分です。
野菜だけを意識して摂ろうとすると効率が悪く、不足しがちであるため、ご飯を白米ではなく雑穀米、玄米に変えて摂ることや、きのこ類や根菜類、海藻類などを入れた味噌汁を摂るなど、さまざまな食品から摂るようにしていきたいですね[5, 6]。

(5)お酒はできるだけ控える

お酒を飲むときは、一緒に摂るおつまみに脂っこいものが多く、さらにお酒に含まれるアルコールにより食欲が促進することで食べ過ぎてしまう可能性があります。お酒を飲む場合、1日あたりビールだと約500ml、日本酒だと約1合程度にして、毎日ではなく休肝日を入れると良いでしょう。また、一緒に摂るおつまみは、カロリーの高い食品を選択しないように考慮することも大切です[7, 8]。

極端な食事制限は控えましょう

食べ過ぎは内臓脂肪を増やす可能性があるとお伝えしましたが、かといって極端に食事の量を減らしてしまうと、健康を損なうリスクがあるので注意しましょう。
さまざまな食品を取り入れて無理なく減量に取り組み、健やかな食生活を送っていただければと思います。

お酢のダイエット効果

最後になりましたが、お酢が内臓脂肪を減らすのに効果があるのかどうかについて回答します。

お酢のダイエット効果については複数の研究によって検証されており、なかには、体重や体脂肪を減らす結果を示す研究もあります。しかし、これらの研究は動物試験が多く、人を対象にした質の高い研究がまだ少ないのが現状です。そのため、“お酢”がダイエットに効果があると結論付ける十分な科学的根拠が得られていません[9, 10]。

お酢を内臓脂肪減少のために摂るのであれば、先に紹介した5つのポイントを踏まえ、食生活を見直したうえで摂られることをおすすめします。

お酢のダイエット効果については、こちらの記事で詳しくご紹介していますので、是非読んでみてください。

管理栄養士が解説!“お酢ダイエット”の本当の効果と上手な活用法

【参考文献】(すべて2021年5月8日閲覧)

[1]厚生労働省: e-ヘルスネット|メタボリックシンドローム改善のための基本戦略 ※外部サイトに遷移します

[2]厚生労働省: 日本人の食事摂取基準(2020年度版) ※外部サイトに遷移します

[3]厚生労働省: e-ヘルスネット|間食のエネルギー(カロリー) ※外部サイトに遷移します

[4]厚生労働省: e-ヘルスネット|速食いと肥満の関係 -食べ物をよく「噛むこと」「噛めること」 ※外部サイトに遷移します

[5]厚生労働省: e-ヘルスネット|食物繊維の必要性と健康 ※外部サイトに遷移します

[6]厚生労働省: e-ヘルスネット|食物繊維 ※外部サイトに遷移します

[7]厚生労働省: e-ヘルスネット|アルコールとメタボリックシンドローム ※外部サイトに遷移します

[8]文部科学省: 日本食品標準成分表2020年版(八訂) ※外部サイトに遷移します

[9]Kondo T, et al.: Vinegar Intake Reduces Body Weight, Body Fat Mass, and Serum Triglyceride Levels in Obese Japanese Subjects. Biosci Biotechnol Biochem., 2009; 73(8): 1837-43 ※外部サイトに遷移します

[10]Eleni I Petsiou, et al.: Effect and mechanisms of action of vinegar on glucose metabolism, lipid profile, and body weight. Nutr Rev., 2014;72(10): 651-61 ※外部サイトに遷移します

【回答者プロフィール】管理栄養士 一ノ木菜摘

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短大を卒業後、精神科病院で調理、給食管理などの栄養士業務を経験し、管理栄養士の資格を取得。精神科病院や地方の総合病院で栄養管理などの管理栄養士業務を経験するが、働き方に悩み、管理栄養士の仕事から離れる。その後、人間関係などに悩み食べることに苦しんでいる方を救ったことをきっかけに、摂食障害やダイエットに悩む方に向けてメンタルや食事の両面でサポートする活動をしている。

公式ブログ「幸せ食ライフ|管理栄養士 一ノ木菜摘ブログ」 ※外部サイトに遷移します

Twitter:https://twitter.com/hfl_yuzu_natsu ※外部サイトに遷移します

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