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2021.01.25

日本人に多い「聞いてもらえない!話し方」4NG|「口ぐせ」「口調」 「目線」「声」あなたは大丈夫?


聞きづらい話し方をする人、周りにいませんか? 「聞いてもらえない話し方」のよくある4大共通NGについて解説します(写真:JADE/PIXTA)

聞きづらい話し方をする人、周りにいませんか? 「聞いてもらえない話し方」のよくある4大共通NGについて解説します(写真:JADE/PIXTA)

日本を代表する一部上場企業の社長や企業幹部、政治家など、「トップエリートを対象としたプレゼン・スピーチなどのプライベートコーチング」に携わり、これまでに1000人の話し方を変えてきた岡本純子氏。

たった2時間のコーチングで、「棒読み・棒立ち」のエグゼクティブを、会場を「総立ち」にさせるほどの堂々とした話し手に変える「劇的な話し方の改善ぶり」と実績から「伝説の家庭教師」と呼ばれ、好評を博している。

その岡本氏が、全メソッドを初公開した『世界最高の話し方 1000人以上の社長・企業幹部の話し方を変えた!「伝説の家庭教師」が教える門外不出の50のルール』は発売後、たちまち9万部を突破するベストセラーになっている。コミュニケーション戦略研究家でもある岡本氏が「日本人に多い『聞いてもらえない!話し方』のよくある4大共通NG」について解説する。

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いまだ多くの人がテレワークに「やりづらさ」を感じる

緊急事態宣言の再発令により、「リモート勤務推進」の動きが強まっています。パーソル総合研究所の直近の調査では、従業員が100人以上の企業では7割超がテレワークを認める方針だそうで、「コミュニケーションはオンラインで」の流れは、さらに加速しそうです。

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通常ならば、ホテルや会議場で大々的に行われていたはずの見本市やコンファレンスなどもオンラインに移行しており、企業幹部のプレゼンコーチングを本業とする私も、プレゼンに登壇する幹部たちの「家庭教師」として、指導にあたる毎日です。

以前であれば、「コーチングは対面でしかできないもの」と思っていたのですが、「画面越しでも、遜色なく行える」というのは大きな発見でした。

加速するリモート時代には、ただでさえ「物理的距離」が離れているわけなので、「心の距離」をぎゅっと縮める工夫が必要となります。つまり、「相手とのつながりをつくる話し方」が、いままで以上に重要になっているのです。

しかし実際には、多くの人が残念ながら、それとは真逆の「遠い昔、はるかかなたの銀河系」まで聞き手との距離を広げてしまう「そもそも相手に聞いてもらえない話し方」をしてしまっています。

では、具体的にどのようなものでしょうか。ここでは主に「聞く気になれない話し方」よくある4つのNGポイントを紹介します。

「聞き手との距離をさらに広げてしまう」話し方のひとつめは、日本のリーダー層にも多い「あの口癖」になります。

「丁寧すぎる話し方」では説得力が弱くなる

【1】「……と思います」を連発する

新型コロナ感染拡大で、国民の不安が高まる中で、何かと不評を買っている菅首相ですが、会見で彼が繰り返す「口癖」がありました。

「……と思います」「……思っています」という言葉です。30分の会見で、なんと39回。ひとつの質問に7回もこの言葉を繰り返すシーンもありました。

・改めてコロナ対策の強化を図っていきたいと思います
・不要不急の外出などは控えていただきたいと思います
・国民の皆様と共に、この危機を乗り越えていきたいと思います

もちろん、時々使う分には問題はまったくないのですが、日本のリーダー層でもこれが癖になってしまっている人は本当に多いのです。英語で言えば、「I think」と言い続けるということ。

なぜこれがいけないかというと「I think(私が思いますには)」「I believe(私が信じているのは)」と言った時点で、それは、「ファクト=事実」ではなく、「単なる私見=オピニオン」となってしまうからです。

【避けるべき言い回し】

●「……と思います」
●「……と考えています」
●「……させていただきます」
●「……申します」

私見はエビデンスを持って実証できませんから、説得力も印象も弱くなってしまうのです。繰り返し使わないよう注意しましょう。

もうひとつ、相手との距離をつくってしまう話し方のNGは、「会話の口調が馬鹿丁寧すぎる」ことです。

【2】会話の口調が「馬鹿丁寧」すぎる

これは、例えばプレゼンの冒頭ですが、こんなふうにお話しする人はいないでしょうか。プレゼンに限らず、営業トークでも、似たような話し方をする人がいます。

本日はお招きいただきましてありがとうございます。〇〇〇株式会社の××と申します。

本日は、□□□と題しまして、◎◎◎◎についてお話しさせていただければと思います。

当社の事例をいろいろと紹介させていただきたいと思いますので、お聞きいただければと思います。それでは、どうぞよろしくお願いいたします。
とにかく、話し方が「馬鹿丁寧」すぎる。

プレゼンや初対面での会話は「最初の30秒が勝負」です。そこで、聞き手の心をつかみ、「これは面白そうだ」「聞く価値がある!」と思わせなければなりません。

しかし、こんなに堅苦しい感じで始められると、聞く気がそがれ、一気に眠くなってしまいます。

この内容なら、

皆さん、こんにちは!〇〇〇の××です。
本日は、当社の事例を交え、◎◎◎◎についてお話しします。

で済む話。回りくどい話でつぶす時間があれば、相手の心を「秒」でとらえる「つかみ」を入れるべきです。

かしこまった堅苦しい言い回しはなるべく避け、手短にシンプルに話すように心がけましょう。ちょっとだけ型を崩しても大丈夫。親しみやすさや個性のある語り口のほうが共感を呼びます。

日本では、「上下関係を重視し、丁寧な言い回しが礼儀正しい」と考えられていますが、リーダーシップ、強さ、有能さを強調したいときは、へりくだりすぎた言い回し・話し方は、かえって自分の信頼感を損ねる「仇」になります。

ほかにも、よくあるNGは「目線」「アイコンタクト」です。これは最近、「リモート会話」の機会が増えるにつれて、失敗している、損している人が目立ちます。

【3】「目」が合っていないまま会話する

「アイコンタクト」は、つながり作りの最強の武器です。「見つめ合う人の脳は同期する」ことは研究で実証されており、「目線を合わせること」で心理的距離がぐっと縮まるのです。

しかし、これを意識している人は案外多くありません。「カメラ=相手」と考え、その位置を「自分の目線の高さ」に合わせて、しっかりとカメラを見て話すことが大切です。

よくあるのが、パソコンのカメラが下にあり、相手を見下げた感じで映ってしまう、「あご出しポジション」、画面に映る相手の姿や自分の姿、スライドなどを見てしまい、相手と視線が合わない「視線ずれポジション」。

パソコンの角度や高さ、相手の顔を映し出す位置などを調整しながら、なるべく視線が合わせられるようにしてみましょう。

リングライトをセットするか、外光が顔に当たるような形にし、表情がしっかりと見えるようにすると、好印象になります。

「目を合わせ笑顔」がオンラインの基本

オンラインのプレゼンは、何百人を前にしたリアルの場より緊張感がなく、ラクにできるような印象があるかもしれませんが、プレゼンに登壇する企業幹部の人たちと話していると、多くの人が、「オンラインのほうがやりづらい」と感じているようです。

その最大の理由が「相手の顔や反応が見えず、話しづらい」というもの。対面のコミュニケーションでは相手の反応を確かめながら話ができるのですが、オンラインでは相手は画面の中、もしくは顔が見えません。まるで「独り言」や「壁打ち」のように、相手にボールが渡っている感触がないというわけです。

冒頭でも述べた、「物理的距離」が離れているリモート会話では、よりいっそう「心の距離」をぎゅっと縮める工夫が必要となります。

いつも以上に「目を合わせ、笑顔で元気よく!」これが、相手に愛されるオンラインの話し方の基本です。

最後のNGは、「声」にまつわるものです。

【4】「耳に残らない声」「延々と変化のない声」になっている

「小さい声」「聞き取りにくい声」は問題ですが、同様に、同じスピード、メロディー、音量で、「延々と変化のない声」も聞き手にはつらいものです。電車に乗って「ガタンゴトーン」と同じリズムを聞いているうちになんとなく眠くなってしまいますよね。

ただ声が大きければいいわけでもなく、滑舌がよければいいわけでもありません。実は、声は「変化」が肝なのです。

早口自体がいけないというわけではなく、「キーワードを強調して、ゆっくり言うことでメリハリが付けられるかどうか」。終始がなり立ててしまえば、政治家の辻立ちと同じです。

「時にささやくように、時に声を張り上げて」など、メロディーがあったほうが引き込まれるわけです。

大事なキーワードの前では一呼吸、つまり「間(ま)」を置くなど、声に変化をつけることで、メトロノームのように単調な話し方を脱することができ、「相手の心をつかむ話し方」ができます。

話し方は「科学」。「世界標準の方程式」を知ろう

コミュニケーションは「なんとなく」「周りがやっているように」では、実はなかなか効果を発揮しません。

前回、大きな反響をいただいた「日本人が苦手な「叱り方」、一気に上達する5秘訣」(2021年1月15日配信)でも解説したように、欧米では、コミュニケーションは「科学」で、多くの学者が研究し、その「解」を示している「学問」であり、一生を通じて学び続けるものです。それに対して、日本人は「なんとなく」「周りがやっているように」「その場の気分で」話しがちで、コミュニケーションがまだまだ「前例」を通して学ぶ「慣習」でしかありません。

話し方も「科学」です。リモート時代でも「つながりを深める話し方」のコツはたくさんあります。

「間違った常識」に縛られるのではなく、「世界標準の方程式」を知ることで、オンラインからリアルの話し方まで、すべて、うんとラクに、楽しくできるようになります。

「口」「目」「耳」。五官を意識し、「相手の五感を刺激する話し方」、そして「相手が『聞いてみたい!』と思う話し方」を、ぜひ身につけてください。

「日本人が苦手な「叱り方」、一気に上達する5秘訣」 ※外部サイトに遷移します

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提供元:日本人に多い「聞いてもらえない!話し方」4NG|東洋経済オンライン

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