2020.12.08
大雪(だいせつ)/冬対策をしつつ脳とからだにエネルギーを
牡蠣で不眠を乗り越えたい
冬本番といわれる「大雪」(12月7日〜)は、空が重たい灰色の雲に覆われて雪が降り、天地の陽気(エネルギー)が少なくなる時期です。季節の始まりの初候、雪国では積もった雪の重みで枝が折れないように雪吊りをして、木を守る準備をします。また、この時期は渡り鳥の大鷺(だいさぎ)を川や水田で見かけるようになり、魚では脂ののったブリが旬を迎えます。
季節が進む次候では、正月に向けてすす払いを始め、1年の汚れを落とします。屋外では椿の花が咲き、牡蠣やネギが旬を迎えます。特に牡蠣は精力をつけ、不眠を助け、解毒や神経強化に効果があるといわれています。年齢と共に味覚が鈍感になる人がいますが、これは亜鉛不足の可能性が。牡蠣には亜鉛が豊富なので、積極的に取り入れて、せっかくの冬の味覚を楽しみましょう。
そして年末に近づく末候は、魚の鮭(さけ)、野菜ではニラが旬のとき。いずれも鍋の具材などで活用したものですね。
冬眠のからだには栄養とエネルギーを
冬の深まりを感じるこの時期は、本来であればからだが冬眠するとき。生命維持のために必要な部分にエネルギーを集中させるので、脳にまで栄養がゆきわたらずボーっとしてしまい、集中力が鈍りやすいので注意が必要です。
いちばん大事なのは、からだを温めること。特に首元は血管が表面に出ていて、からだを冷やしやすいので、マフラーやネックウォーマーを活用。入浴時には、38-40℃前後のお湯に15〜20分つかって全身の血液循環をよくして。頭もリフレッシュできて、元気になれるでしょう。
(おなかの温め方は、2019年「大雪」の記事で)
こころとからだの二十四節気2019年<大雪>の記事はこちら ※外部サイトに遷移します
伊藤和憲(いとうかずのり)
鍼灸師・明治国際医療大学教授・鍼灸学部長・鍼灸臨床部長
1972年生まれ。鍼灸学博士。全日本鍼灸学会理事。明治国際医療大学鍼灸学部教授。明治国際医療大学大学院鍼灸学研究科教授、同大学大学院研究科長。2012年~2014年、厚生労働省科学研究費助成事業 地域医療基盤開発推進事業「慢性疼痛患者に対する統合医療的セルフケアプログラムの構築」, 2014年~2015年同研究助成事業「鍼灸における慢性疼痛患者の治療方針ならびに医師との連携に関するガイドライン」の研究班班長を務める。また、2016年より過疎化対策の一環として京都府南丹市にて養生の体験教室「MIYAMA 森の湯治場」、さらには奈良県宇陀郡曽爾村の美人プロジェクトを監修。明治国際医療大学附属鍼灸センター長を務め、「はり・きゅう」の治療に当たるとともに、慢性痛患者のためにセルフケアを指導している。
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文/伊藤和憲(鍼灸師・明治国際医療大学教授)
イラスト/中根ゆたか
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提供元:大雪(だいせつ)/冬対策をしつつ脳とからだにエネルギーを|ワコール ボディブック