2020.10.26
霜降(そうこう)/紅葉とともに秋の味覚の最盛期
深まりゆく秋を感じるころ
寒さが本格的になり、霜が降りる時期をさす霜降(10月23日〜)。始まりの初候は、「ヒーヨ、ヒーヨ」と鳴くひよどりの声を耳にするようになり、食べ物ではほっけが旬を迎えます。季節が進む次候では、ふいに強い雨が降ったと思いきや、アッという間に青空が広がる初時雨(はつしぐれ)が見られ、野菜では山芋、魚ではキンキが旬を迎えます。そして終わりである末候は、山々が色づき始め、紅葉が見られるようになります。秋の味の代表サツマイモや煮付けなどとして食されるカワハギが旬を迎えます。
早めの冷え対策で冬を乗り切る
急激に深まる寒さに対しては、それに立ち向かうからだの準備が必要です。これには体温調節や発汗調節が深く関わってきますが、そのために大切な自律神経が、疲弊しやすい時期でもあります。さらに、免疫力も低下しやすく、かぜやアレルギーなどを発症しやすくなります。さらに、寒さにより動きがにぶって循環も悪くなり、手足の冷えやむくみが目立つようになります。慢性的な疾患を抱えている人は体調を崩しやすく、つらい時期ともいえるでしょう。
何より大事なのは、からだを冷やさないこと。体温が1℃下がると免疫力が30%低下、代謝も13%減少することが知られています。まだ寒さに慣れていない時期だからこそ、冷え対策には手をかけて。(2019年「霜降」の記事を参照)
2019年「霜降」の記事 ※外部サイトに遷移します
からだを温める根菜類の活用を
この季節にもっともおいしくなるのが、じゃがいも・さつまいもなどの芋類です。これら土の中に埋まっている根菜類はからだを温める役割があるといわれて、冬に向かう今の時期、料理でたっぷり活用したいものです。さらに、甘味で潤いがあるじゃがいもは胃腸を守る作用があり、さつまいもは滋養強壮に役立つといわれています。
こころとからだの二十四節気2019年<霜降>の記事はこちら ※外部サイトに遷移します
伊藤和憲(いとうかずのり)
鍼灸師・明治国際医療大学教授・鍼灸学部長・鍼灸臨床部長
1972年生まれ。鍼灸学博士。全日本鍼灸学会理事。明治国際医療大学鍼灸学部教授。明治国際医療大学大学院鍼灸学研究科教授、同大学大学院研究科長。2012年~2014年、厚生労働省科学研究費助成事業 地域医療基盤開発推進事業「慢性疼痛患者に対する統合医療的セルフケアプログラムの構築」, 2014年~2015年同研究助成事業「鍼灸における慢性疼痛患者の治療方針ならびに医師との連携に関するガイドライン」の研究班班長を務める。また、2016年より過疎化対策の一環として京都府南丹市にて養生の体験教室「MIYAMA 森の湯治場」、さらには奈良県宇陀郡曽爾村の美人プロジェクトを監修。明治国際医療大学附属鍼灸センター長を務め、「はり・きゅう」の治療に当たるとともに、慢性痛患者のためにセルフケアを指導している。
https://www.yojyo1192.com/ ※外部サイトに遷移します
文/伊藤和憲(鍼灸師・明治国際医療大学教授)
イラスト/中根ゆたか
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提供元:霜降(そうこう)/紅葉とともに秋の味覚の最盛期|ワコール ボディブック