2018.03.16
新入社員が犯しがちな「同僚づきあい」のミス│同期と学生ノリ、独身お局社員に結婚ネタ・・・
同期は話しやすい相手であるからこそ、注意も必要です(写真:Masafumi_Nakanishi/iStock)
もうすぐ新年度。学生生活を終えて、社会人として働き始める方は期待と不安で胸がいっぱいの時期かもしれません。
入社するとまず受けるのが新人研修。そこでは「名刺の渡し方」など一般的なビジネスマナーが伝授されますが、実際の職場では「正しい」と言われているマナーだけでは立ち行かなくなる場面がしばしばあります。
本稿では、マナーやスキルより先に最低限知っておきたい仕事のルールについて、企業コンサルタントや手土産コンシェルジュとして活動する平原由紀子氏の「入社1年目女子 仕事のルール」から抜粋してお届けします。
「入社1年目女子 仕事のルール」 ※外部サイトに遷移します
同期との付き合いには節度が必要
同期ははじめて会社で出会う、いわば仲間。学生生活を終えて社会に入るのはワクワクすることですが、その反面、誰でも緊張した気持ちも抱えています。そういう時に出会う同期は、同じ気持ちが共有できる心強い存在です。
転職をすると同期入社の人がいない場合が多いので、いわゆる同期は新卒の会社だけで出会える、貴重な存在です。生涯にわたっての大事な友人になることもあるでしょう。だからといって学生時代の友人のように接すると、いろいろな問題が起こります。
たとえば社内でばったり会ったとき。つい話をしたくなりますが、ここは学校ではなく会社。仕事に関係のないことばかりを話していると、先輩や上司に「やる気があるの?」と思われてしまうこともあるでしょう。
また、友だちのような言葉遣いも要注意。ふだんは丁寧に話している新入社員が、電話で同期と話すときだけガラッと口調が変わり、くだけて話すのは、周りにいる人たちを不安にさせます。誰も聞いてないと思っていても、案外聞かれているものです。もちろん、仕事を離れた場でまで敬語を使う必要はないでしょうが、職場では節度をもって接することをおすすめします。
とはいえ、同期の存在はありがたいもの。仕事で困ったときに相談できるのは貴重ではないでしょうか。誰よりも状況がわかるだけに、的を射たアドバイスをもらえるものです。だからといって、つい自分の部署のことや、仕事の愚痴などを詳細にペラペラしゃべってしまうのは考えものです。聞いたほうは悪気なく自分の部署の同僚に話してしまうかもしれません。それが回りまわって上司の耳に――ということも。話しやすい相手であるからこそ、注意したほうがいいでしょう。
ここで、同期との付き合いで実際にあった失敗談を紹介します。
・ボーナスが上がり喜んでいたら、同期は上がっておらず気まずい思いをしました。(商社、管理職40代)
・同期をニックネームで呼んだり、内線電話でくだけた口調で話したら、「仕事中だから」と注意されました。(コンサルタント、40代)
これらの失敗談のように、「お給料やボーナスの額」は、たとえ同期でも言わないほうがいいですね。1年目はお給料もボーナスも全員同じという会社がほとんどですが、2年目からは「査定」がプラスされます。月々のお給料やボーナスも変わってくるのです。だからこそ実力が評価されて頑張れるということなのですが、うかつに金額を話さないほうが賢明です。
相手が自分より金額が多かったとしても、少なかったとしても、お互いにギクシャクしてしまいます。少なかったほうはショックですよね。今までのような付き合いがしにくくなることもあります。こうした余計なストレスは、避けたほうがいいでしょう。
このように書くと「同期は友だちではないのだから一線を引かなくてはならない。表面的な関係にしておいたほうがよい」と思われるかもしれませんが、そういうことではありません。同期は同じ職場で働く「同志」のような存在。
悩んだときには支え合う存在だからこそ、節度をもって付き合っていきましょう。
女性の先輩と男性の先輩、接し方は変えたほうがいい?
当たり前のことですが、一緒に働く先輩は一人ひとり違う性格をもっています。でも、特に男性と女性では、わかりやすい違いがあるものです。
それぞれの特徴を押さえておくと、思わぬ失敗やミスを防ぐことができます。まずは、先輩OLが経験した失敗談を紹介しましょう。
女性の先輩から取引先の状況を教えてほしいと言われたので、男性の先輩にしていたように大まかな説明をしたところ、「取引に至った経緯は?」「トラブルはどういうことから起こったか?」とかなり詳細に聞かれました。(商社、30代)
まず、男性の先輩に何かを報告するときは、結論を最初に伝えるようにしましょう。
私たち女性は、ついつい出来事の経緯を起こった順に伝えようとします。すると最後まで話を聞かないと結論がわかりませんが、こうした話し方は男性には通じません。よかれと思って説明しているのにもかかわらず、聞いているほうはイライラしてしまうのです。
はじめに結論を話してから、要点を簡潔に説明することが大事。
こうした話し方は、男性の先輩に対してだけでなく、外国の方と仕事をするときにも役立ちます。
また、男性の先輩は、「聞いていない」ことに反応します。何でもかんでも知りたいわけではないようですが、トラブルやほかの部署にかかわることなど、「これは伝えておいたほうがよいかも」と思うことは、伝えておくだけで丸く収まります。
時々、「男性の先輩がわかってくれない」という話も聞きますが、基本的に、男性は察しがよくない場合が多いのです。「言わなくてもわかってくれる」のではなく「言わないとわかってくれない」のです。意地悪でやってくれないわけではありません。
お願いしたいことなどは、わかってくれるのを待つのではなく、こちらから伝えるようにするとうまくいきます。
一方、女性の先輩の場合、男性よりも察しはよいかもしれないですが、細かい傾向があります。そのため、女性の先輩には、マメに報告するようにしたほうがよいでしょう。
冒頭の失敗例のように、資料を渡したり説明したりするときにも、入念に準備する必要があります。「少し不安だけど、まぁ大丈夫だろう」と適当にしたままにすると、必ずその点を突かれてしまいます。
女性の先輩を納得できるような準備ができるように、と訓練しておくと、わからないことを自分で確認するクセがつき、あなたの仕事力が高まるでしょう。
会社には人事異動がつきものです。男性の上司・先輩と一緒に仕事をしていた時は大丈夫だったことが、上司が女性に変わったら今までのようにいかなくなった――こうしたことはよくあります。もちろん、逆も同じです。男性と女性の傾向を知っておくと、仕事がやりやすいかもしれません。
年齢が離れた女性の先輩と、うまく付き合うコツは?
社会に出るまで家族や親戚以外で年齢が離れた女性に接することなどほとんどなかった、という方が多いのではないでしょうか。会社に入ると、いろいろな年代の女性がいるので少し緊張しますよね。同性なだけに、女性の先輩・上司と話すほうが緊張する、という方もいるでしょう。
ましてや何年も会社にいて、会社のことを知り尽くしている、いわゆる「お局さま」のような方には、恐くて近寄れないという方もいるかもしれません。「お局さま」というと、意地悪で社員をいじめる陰湿なイメージですが、実際はそんな人がたくさんいるわけではありません。会社に長く勤務しているベテランの女性のことを、そのように言うのだと思います。
「私には姉がいなかったので歳上の女性にどう接したらよいかわからず、いつも遠巻きに見ていました。でも私の同期のひとりはとてもフレンドリーに接していて、仕事で大変なときも助けてもらっていました。私は結局距離が開いたままでしたが、恐がらずにこちらから歩み寄り、いろいろ教えてもらえばよかった、と後から思いました」
こういった話を、うかがったことがあります。年齢の離れた女性を、「恐い」と思って気を使いすぎて、距離を空けてしまったら、相手も近寄りづらくなってしまいます。自分のことを恐がっている人にはなかなか歩み寄れません。
一方で、無邪気に頼ってくれる人には、相手も心を開くものです。これは年齢の離れた女性に限らず、一般的に「仕事はできるけれど、自分に愛想のない人」よりも「仕事は多少できなくても、自分に心を開いて接してくれる人」のほうをかわいがるものなのです。必要以上に気を使う必要はありませんが、少しだけ歩み寄ってみてはいかがでしょうか? 会ったとたんに「マズい!」という顔をしてバタバタと立ち去られてしまったら、いつまでたっても距離は縮まりませんよね。
たとえば、廊下ですれ違ったら笑顔であいさつをし、会社の化粧室で会ったらひと言声をかけてみる。最初はその程度でよいのです。慣れてきたら、雑談や質問をしてみるとだんだん関係が変わっていきます。
実際に接してみたら、いろいろなことを教わることができるはずです。女性ならではの悩みを打ち明けたりすることもできるでしょうし、いざというときに味方になってくれるかもしれません。自分で垣根をつくらないで飛び込んでみると、たくさんの学びがあるはずです。
親しくなった同性の先輩にも「礼儀」は必要
とはいえ、「親しき仲にも礼儀あり」は、同性の先輩であっても同じです。ここで、先輩OLの失敗談を紹介します。
上司と取引先の40代の女性の話になり「あの人あの歳で一度も結婚したことがないんですよ。彼氏もいないみたいですし痛いですね」と言ったら上司の顔がひきつりました(上司は40代で独身の女性、元広告代理店、現在管理職30代)
上司に親近感をもっているからこそ、こういう会話ができるのですが、気をつけたいですね。「上司のことを言っているわけではないから」とまったく悪気がないだけに言われたほうも反応に困ります。
もちろん面と向かって怒ったりすることはないと思いますが、こういうささいな言葉こそ、なんとなく心に残ってしまいます。相手に「年齢が離れている」ということを実感させてしまうのです。
年齢のこと、または恋愛や結婚などプライベートな話題に自分から踏み込むのは避けましょう。先輩が自分から話題に出した場合はいいでしょうが、最初は当たり障りのない会話にとどめておくのが賢明です。いい関係になって、少しずつ距離が縮まれば、そういう会話も自然とできるようになるものです。
考えすぎると何も話せなくなってしまうかもしれませんが、「このことを話したら相手はどう思うのかな」と想像力を働かせた会話が大事。これは誰と話すときでも心掛けるといいことですよ。
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提供元:新入社員が犯しがちな「同僚づきあい」のミス│東洋経済オンライン