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10月10日は世界メンタルヘルスデーです。ぜひ、この機会に心と向き合う時間をとってみてはいかがでしょうか。自身の思考パターンを振り返るとともに、あらかじめ、うつ病のときによくおこる具体的な思考パターンを知り、バランスのよい思考パターンへ整える方法を知ることで、心の健康を保つ手助けになるでしょう。

誰でもかかりうる“うつ病”とは

うつ病は決してめずらしい病気ではありません。日本人の15人に1人が経験する身近な病気です。
年齢や職業に関係なく誰でもかかります。几帳面で責任感や正義感が強く、他人から信頼される真面目な人、その一方で、上手な手抜きができず、自分一人で責任を抱え込んでしまいがちな人がなりやすいともいわれています。性格や心の弱さのせいではありません。
うつ病では、抑うつ気分や不安感などの気分の症状、また意欲低下や焦燥感など行動の症状、全身倦怠感や頭痛、動悸などの身体の症状が生じます。

思考パターンに着目する理由

思考パターンが及ぼす心身の影響について知っておくとよいでしょう。気分や行動、身体の反応は思考に影響されます。例をひとつあげてみましょう。

カフェであなたをじっとみる人がいます。
・きっと雰囲気が素敵で見てくださっているのかな。嬉しいな。カフェでの作業もはかどるな。自然に笑顔になる。
・きっと気づかぬうちに何か迷惑をかけて、非難の目を向けられているに違いない。何が悪かったのかな。落ち込むな。この場所にいるのがいたたまれないから、もう少し長居するつもりだったけど、外に出よう。お腹も痛くなってきた。

この例からも分かるように、同じ体験をしても、それをどのように捉え、考えるかでその時に感じる気分や行動、身体の反応はずいぶん異なります。うつ病は、思考、気分や行動、身体の反応が負のスパイラルに陥っている状態なのです。

要注意！3つの思考パターン

うつ病のときによくおこる具体的な思考パターンがあります。3つの思考パターンを紹介します。

１．自分のことをマイナスに考えすぎる

自分の能力を過度にマイナスに捉えてしまう、また過度に自分を責めてしまう傾向があります。

２．周りの人やものごとをマイナスに考えすぎる

十分に考えずにうまくいかないと決めつけてしまう、また他人の気持ちを深読みしすぎる傾向があります。

３．今後のことを前向きに考えられない

「どうせだめだ」とはじめからあきらめてしまう、また現状がいつまでも変わらないと思い込む傾向があります。

バランスのよい思考パターンへ整える6つのステップ

心の健康を保つためには、バランスのよい思考パターンへ整えることが大切です。6つのステップを紹介します。ただし、6つのステップが難しいと感じる場合や、つらく感じる場合には、ひとりで解決しようとせずに、専門家に相談しましょう。

1， あなたのストレスに気づいて、問題を整理してみましょう 。
2， その問題がどのような状況で起き、その結果どのような感情を引きおこしているのか調べてみましょう。
3， あなたの思考パターンがあなたの感情や行動にどのように影響しているのか調べましょう。
4， あなたの思考パターンの特徴的なくせに気付きましょう。
5， 思考パターンの内容と現実とのズレに注目して、自由な視点で現実にそった柔らかいものの見方に変える練習をします。
6， 考え方が変わってきたら問題を解決する方法や人間関係を改善する方法も練習してみましょう。

心の健康を保つために

心の健康を保つためには、思考パターンに着目するだけでなく、十分な休養、バランスのよい食事、適度な運動、リラックスできる時間や、誰かに相談することも有効です。また、気になる症状が続く場合には、医療機関を受診しましょう。

■参考文献（すべて2024年9月11日閲覧）

厚生労働省, うつ病の認知療法・認知行動療法（患者さんのための資料） ※外部サイトに遷移します

■プロフィール

管理栄養士・学術修士（心理学）　なかで かおる
一人でも多くの方の心身の調子を整えるため、食と心の領域で活動中。学術修士では、食行動と動機づけに関する研究を実施。栄養疫学と健康心理学を軸に、食の領域では、特定保健指導やジムでの栄養指導、コラム執筆、研究補助等、心の領域では、コーチングセッションやコラム執筆、研究補助等を行う。

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記事提供：株式会社Wellmira

『世界中の誰もが、自然に健康になれる社会を創る』をミッションとし、「テクノロジー・エビデンス・専門家ネットワークを活用し毎日の健康を自然にサポートできる社会システムの構築」を目指しています。

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