2024.06.24
長期戦で成果の実る「低糖質ダイエット」のポイントは?
キーポイントは「植物ベース」と「白い糖質は茶色い糖質に」
今回は、「低糖質ダイエットで、リバウンドしない人は植物性のたんぱく質、未精製の炭水化物を意識して食べている」という研究論文(※)をご紹介します。
(※)出典:Low-carbohydrate diets emphasizing healthy, plant-based sources associated with slower long-term weight gain (ハーバード公衆衛生大学院 2023年12月27日)
●この研究は、2023年12月27日にJAMA Network Openに掲載されました。
研究の内容は
この研究は、米国で実施されているコホート研究に参加した計12万3,332人の健康な成人を約20年間の追跡し、食事と体重を分析したものです。低糖質ダイエットを下記の郡に分け、4年ごとの食事と体重の自己報告を分析調査しています。
(1)動物性タンパク質と脂肪に重点を置いた動物性低糖質ダイエット
(2)動物性タンパク質、動物性の脂肪、加工パンやシリアルなどを食べる低糖質ダイエット
(3)植物ベースのタンパク質と脂肪に重点を置いた野菜ベースの低糖質ダイエット
(4)植物性タンパク質、健康的な脂肪、精製(白い)糖質を少なくする低糖質ダイエット
論文で発表された研究結果は
研究結果では、(3)と(4)のように植物性食品が中心の糖質制限を続けている人は、体重増加が長期的に少ないことが分かり、特に、(4)の玄米・麦ごはん・雑穀・ライ麦パン・全粒粉パンなどの、食物繊維が多く含まれる精製されていない全粒穀物を食べている人は、体重管理が良好である傾向がみられました。一方、(1)と(2)のように動物性食品が中心の糖質制限をしている人は、体重が増加しているという結果になりました。
長期的で実る糖質制限ダイエットのポイントは
この研究の主任である同大学院の栄養学科准教授のチーサン氏は、
「長期的な体重管理という観点からみると、糖質制限ダイエットはすべてが同じではないことが示された。」
「低糖質の食事をしていても、動物性のタンパク質や脂肪、精製された穀類を多く食べている人は、体重に好ましい影響はみられなかった。」とむすんでいます。
水谷俊江 /管理栄養士 2級ファイナンシャル・プランニング技能士
記事提供:株式会社Wellmira
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