2024.06.24
熱中症に注意!1日に必要な水分ってどのくらい?
去年5〜9月に熱中症と診断され、救急搬送された方は約9万人います[1]。熱中症予防に水分や塩分をとりましょう!とよく聞きますが、実際どのくらいの量をとれば良いのでしょうか。今回は水分についてどのくらいとれば良いかを、注意点も一緒にお伝えしていきます。
脱水になると何が起きる?
成人の身体は60%水分でできています。例えば、体重が60kgの成人男性では、36kgが水分です[2]。体の水分が失われる(脱水になる)ことで体内にどのようなことが起きるのでしょうか。脱水の程度と症状について一覧にまとめてみました。
*環境省,熱中症環境保健マニュアル2022 [2]を参照して作成
ここの“色”を見れば、脱水が簡単にわかる!
体内の水分が失われると重篤な症状が現れることはわかりましたが、自分が脱水であるかを知るのに簡単な方法はあるのでしょうか。
正常な尿の色は薄い黄色です。ところが体内の水分量が減っていくと黄色からオレンジ色、最終的には茶褐色へと変化していきます。薄い黄色より濃く感じた際は脱水が疑われるので、すぐに水分をとるようにしましょう[3]。
1日にどのくらい水分をとればいいの?
1日の水分排出量は、尿・便で1.6L、呼吸や汗で0.9Lなので、合わせて2.5Lとなっています。果たして、飲み物で全て補わなくてはならないのでしょうか。日本人の場合、食べ物(食事)からも多くの水分をとっています。大体食事からとっている水分が1.0L、体内で作られる水が0.3Lあるので、飲み物としては1.2L必要です。しかし運動やサウナなど発汗した際は、さらに水分を補給する必要があります。また夏バテなどで食事が十分に食べられていない場合、飲み物から多めに水分をとるよう注意した方が良いでしょう[2,4]。
水分補給の注意点は?
熱中症予防のための水分補給で気をつけたい大切なポイントを2点ご紹介します。
(1)熱中症予防には、経口補水液
水分と塩分を手軽に補給することができます。推奨量は1日500〜1000mLです。スポーツドリンクでも良いですが、糖分が多く含まれていることに注意しましょう[4]。
(2)アルコールやカフェインは利尿作用があるので注意!
暑くなると飲みたくなるアルコールは、一旦吸収した水分がそれ以上の水分とともに尿で失われてしまいます。またコーヒーやお茶、エナジードリンクに含まれるカフェインにも同様に利尿作用があります。このような飲料を飲む際は水も一緒に摂取するよう心がけましょう[2,5]。
水分補給をしっかりとして、熱中症予防をしよう!
救急搬送される方の半分は高齢者の方です。老化に伴い、体内の水分量が減っていることや暑さを感知しにくくなることも一因です。脱水は自分ではなかなか気付けません。喉が渇いた、と感じたらすでに脱水は始まっています。朝起きた時、運動した時、寝る前など生活の区切りで水分を摂るようにしましょう[1,2] 。
【参考文献】(すべて2024年4月18日閲覧)※外部サイトに遷移します
[3] Healthdirect Australia,urine colour chart
[4] 厚生労働省,日本救急医学会,熱中症診療ガイドライン2015,p10
[5] 内閣府食品安全委員会, 生活の中の食品安全−食品中のカフェインについて
【プロフィール】管理栄養士・介護福祉士 飯塚里奈
2歳1歳児のママ、離乳食と幼児食を現在進行形で実践中。また介護施設で長年勤務している経験から、『どの世代の人も心から食を楽しめるサポート』をコラム執筆、料理教室、カウンセリングを通して行っている。
株式会社Wellmira
『世界中の誰もが、自然に健康になれる社会を創る』をミッションとし、「テクノロジー・エビデンス・専門家ネットワークを活用し毎日の健康を自然にサポートできる社会システムの構築」を目指しています。
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