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2024.05.31

「1日1切れの魚」が中高年に必須な"科学的裏付け"|医師が勧める「50歳前後から変えるべき食習慣」


中高年に襲い掛かる将来の健康不安について「病気を遠ざけ、人生の質を底上げしてくれるのは、小さな健康習慣の積み重ね」と語る現役医師・森勇磨氏(イラスト:Turn.around.around/PIXTA)

中高年に襲い掛かる将来の健康不安について「病気を遠ざけ、人生の質を底上げしてくれるのは、小さな健康習慣の積み重ね」と語る現役医師・森勇磨氏(イラスト:Turn.around.around/PIXTA)

30代を過ぎ、40代を迎えたころから年々増え続ける、不調の数々。

健康診断で指摘された、中性脂肪やコレステロール値の高さ……。いま、中高年に襲い掛かる将来の健康不安について「病気を遠ざけ、人生の質を底上げしてくれるのは、小さな健康習慣の積み重ね」と語るのは、チャンネル登録者数75万人超の人気YouTube「予防医学ch」を運営する現役医師・森勇磨氏。

100冊分の健康書ベストセラーを1冊に要約した『予防医学で健康不安は消せる! 100年長生き』を上梓したばかりの同氏が、中高年の突然死を防ぐ食習慣について、解説します。

『予防医学で健康不安は消せる! 100年長生き』 クリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします

50歳前後で「食習慣」を変えるべき理由

なんとなくだるい、やる気が出ないなど、だんだん無理がきかなくなって老いへのリアリティが増すのが、50歳前後ではないでしょうか。

生活習慣病の存在をますます無視できなくなるのも、50代です。だからこそ、50歳からは食習慣を変えてほしい。そうした思いで書いたのが、手前味噌ですが、『50歳からの病気にならない最強の食生活』です。

たとえば、中性脂肪やコレステロールの代謝が悪くなる「脂質異常症」は、女性は更年期頃から、男性は30代あたりからどっと増えます。

といっても、コレステロールも、中性脂肪も、本来は体にとって必須なものです。

ただ、肝臓でつくられたコレステロールは「LDL」に乗って全身に運ばれ、これが多すぎると血管の壁にたまり、動脈硬化を進めてしまう。そこで、たまったLDLを血管の壁から回収してくれるのが「HDL」です。そのため、LDLは悪玉、HDLは善玉といわれるのです。

そして、女性の場合、女性ホルモンの関係で更年期の頃からLDLコレステロール値が上がりやすいことがわかっています。

女性ホルモン「エストロゲン」の分泌量が低下すると、LDLの数値が上がりやすくなることがわかっています。そのため、40代までと同じ食事や生活をしていても、LDLの数値は徐々に悪化してしまいます。

『最新予防医学でここまでわかった 50歳からの病気にならない最強の食生活』より

ということで、50代になったら(くどいようですが早いに越したことはありません)、食生活をちょっと変えてほしいのです。

UCLA准教授の津川友介さんは、病気のリスクを下げる健康習慣をまとめた『ヘルズ・ルールズ』の「食事」の章で、「何を食べ、何を食べるべきではないか」を端的に紹介しています。引用させてもらいましょう。

ずばり、数多くの信頼できる研究によって健康に悪いと考えられている食品は、(1)赤い肉(牛肉や豚肉のこと。鶏肉は含まない)と加工肉(ハムやソーセージなど)、(2)白い炭水化物、(3)バターなどの飽和脂肪酸の3つである。

逆に、健康に良い(=脳卒中、心筋梗塞、がんなどのリスクを下げる)と考えられている食品は、(1)魚、(2)野菜と果物(フルーツジュース、じゃがいもは含まない)、(3)茶色い炭水化物、(4)オリーブオイル、(5)ナッツ類の5つである。

『HEALTH RULES 病気のリスクを劇的に下げる健康習慣』より

なかでも「健康に良い食べ物の筆頭」に挙げている魚については、67万人のデータから導き出された研究結果として、魚の摂取量の多い人ほど死亡リスクが低く、1日60gの魚を食べていた人は、まったく食べていない人に比べて12%死亡率が低かったことを紹介しています。

スーパーなどで売られている鮭や白身魚などの切り身1切れが80g前後ですから、1日1切れで60gはクリアできます。刺身であれば、3~4切れでしょうか。それだけで死亡リスクを下げられる可能性があるのです。

中高年以降は「魚ファースト」に切り替える

循環器内科医の池谷敏郎さんも『「100年心臓」のつくり方』で、「『心臓の健康』といったらコレ!」と、EPAとDHAを挙げます。

EPA、DHAはアジ、イワシ、サバといった青魚に多く含まれる油です。

EPAは末梢血管をしなやかに開いて、血小板の活性を抑え、血流をよくしてくれる働きがあり、DHAは脳に働きかけて、うつ病や認知症の予防に役立つ可能性がある、と池谷さんは説明します。

さらに、EPA、DHAには中性脂肪やLDLコレステロールを減らし、HDLコレステロールを増やす働きもある、とも。実際、中性脂肪値の高い人に使われる「ロトリガ」という薬の主成分は、EPAとDHAなのです。魚がいかに大事か、わかっていただけたでしょうか。

ただ、特に肉を食べたほうがいいシチュエーションとしては、貧血があるときです。

肉は、鉄分の接種源としては非常に優秀。動物性食品を一切食べないビーガンの人は、爪が割れたり、白髪になって髪がパサパサになったりしやすく、その原因の1つに鉄分不足があります。

ですから、貧血の人を中心に肉も意識的に食べてほしいのですが、一般的には、中高年以降の健康を守ってくれるのは、肉よりも魚。ぜひ魚ファーストの食生活に切り替えましょう。

命にかかわる病がズドンとくる、脂質異常

生活習慣病の予防と治療に詳しい医師の岡部正さんは、『ズボラでも中性脂肪とコレステロールがみるみる下がる47の方法』の「はじめに」で、脂質異常者は自覚症状がないからと油断していると大変なことになる「警告としての生活習慣病」だ、と訴えています。

それは高血圧や糖尿病も同じで、自覚症状がないからといってほったらかしにしていると、じわじわ動脈硬化を進め、ある日突然、心筋梗塞や脳卒中などをズドンと引き起こすのです。

“ズドン”の前に中間警告をハッキリしてくれるのは、尿酸値ぐらいです。

尿酸値が高くなると痛風という形で症状が出ます。そして、足で痛風が起きていたら、腎臓や心臓にも痛風のもと(尿酸塩結晶)ができているかもしれませんし、動脈硬化が進んでいる可能性も高いのです。

痛風以外の生活習慣病はほとんど症状がありませんが、健康診断で問題を指摘された人は、「“ズドン”に一歩近づいてしまった」と比較して、健康習慣を1つでも多く取り入れていただきたいと思います。

健康法にはヒットとホームランがあります。エビデンスは“統計学的に信頼性の高い結果”であって、エビデンスのある健康法はいわば“ヒットを打てる確率が高いもの”です。

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一方で、自身の体調が劇的に良くなるなど、ホームランが打てるものは、実はエビデンスのないもののなかに隠れていることもあります。

といっても、まず取り入れるべきはエビデンスのある健康法といえるでしょう。

特に、体の健康を保ち、病気を防ぐ健康習慣は、豊富なエビデンスをもとに正解がだいたい決まっています(加工肉の食べ過ぎが一部のがんを増やすなど)。なおかつ、「これさえやれば大丈夫」というものではないので、ヒットを積み重ねる意識が大事です。

まずはご紹介した食習慣など、無理なくできそうな健康習慣をなるべく多く取り入れてもられたらうれしいです。

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提供元:「1日1切れの魚」が中高年に必須な"科学的裏付け"|東洋経済オンライン

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