2024.03.31
糖尿病足病変とは~原因から初期症状・予防法まで解説~
当記事の執筆は、シンクヘルスブログ編集部が担当しました。
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糖尿病のある方は、『水虫』や『タコ』など足のトラブルに要注意です。
なぜなら糖尿病の方は、足のトラブルなどの初期症状をきっかけに、何らかの感染症とあわさることによって糖尿病足病変が発生するからです。
糖尿病足病変は放置して悪化すると、足を切断しなくてはいけないことも。
今回は、糖尿病足病変のメカニズムと治療や予防についてお伝えしていきます。ぜひ最後までご覧ください。
糖尿病足病変の原因とメカニズム
ここからは、糖尿病足病変のメカニズムについてお伝えしましょう。
まず運動神経の障害により筋肉の萎縮がおこるため、足裏のアーチが変形し足底圧が特定の部位にかかります。これにより靴擦れ・たこ・ケガなど足のトラブルが起こりやすくなるのです。
さらに、触覚神経の障害が起こると痛みを感じにくくなるので、足のトラブルに気づかないまま悪化してしまいます。
加えて自律神経の障害による発汗の低下は、皮膚の乾燥や皮膚のバリア機能低下を引き起こし、細菌感染をおこしやすい状態になってしまうのです。
足のトラブルが起こりやすい・ケガに気づきにくい・感染しやすい状態では、できた傷などから簡単に細菌感染をおこして潰瘍ができてしまいます。
そこに血流障害が起こっていると、酸素や栄養が足先まで届きにくくなるので傷が治りが遅くなったり、新たな潰瘍や壊疽を起こしたりてしまうのです。
参考記事:糖尿病だと感染症になりやすい? ~理由と対処法をシンプルに解説~ ※外部サイトに遷移します
糖尿病足病変の初期症状とリスク要因
糖尿病足病変の初期症状は多岐にわたりますが、代表的なものをまとめました。
・足趾の変形
・陥入爪(※)
・爪白癬
・足白癬
・靴ずれ
・乾燥・亀裂
・うおのめ、たこ
※陥入爪:爪の周囲が皮膚に食い込む状態
これらの初期症状が進行していくと、以下のようなより治療に時間がかかる症状があらわれます。
・蜂窩織炎(ほうかしきえん)※1
・壊死性筋膜炎※2
・足潰瘍(皮膚の欠損)
・壊疽(組織の壊死)
※1蜂窩織炎:皮膚とその下部の組織に細菌が感染して炎症が起こる病気
※2筋膜(筋肉を覆う結合組織の表面)に沿う形で皮膚の深い箇所で壊死が広がる病気
ちなみに蜂窩織炎や壊死性筋膜炎は、糖尿病足病変によって小さな傷ができ、そこに細菌が感染することによって発生します。
一方、足潰瘍や壊疽は細菌感染をきっかけに、傷が悪化することで発生します。特に壊疽は、進行すると足を切断しなくてはいけないこともあるので、予防や速やかな治療が必要です。
なお次の項目に当てはまる方は、糖尿病足病変になるリスクが高いといえるためご注意ください。
参考記事:傷の治りが遅いのは糖尿病が原因?~仕組みと対応をわかりやすく解説~ ※外部サイトに遷移します
早期治療がポイント
糖尿病足病変の治療のポイントは、放置しないことが大事です。
「水虫がある」「足に傷ができた」「足が赤く腫れている」等の症状がある方は、糖尿病の先生に相談したり、皮膚科を受診したりしましょう。
ちなみに、糖尿病足病変は重症になると入院して治療をしたり、最悪の場合下肢切断をしたりしなくてはいけない場合もあるのです。
辛い思いをする前に、まずは小さな傷のうちから早期に治療を開始しましょう。
予防は適切なフットケアから
糖尿病足病変は、適切なフットケアによって予防することができます。
では、具体的なフットケアのポイントを6つご紹介しましょう。
(1)異常が出たらすぐに連絡
外傷や腫れ・痛みなどが出たら、すぐに受診をしてください。「次の外来の日まで様子を見よう…」と放置するのは禁物です。
(2)禁煙
喫煙は末梢の血流を低下させてしまいます。禁煙に努めましょう。
(3)毎日足をチェック
足を清潔に保ち、異常がないか毎日確認してください。見えにくい場合は鏡を使うと見やすくなります。
(4)足に合った靴を選択
かかとの高い靴は避け、履く前に異物が入っていないか確認することが大切です。
(5)爪を正しく丁寧に切る
深爪しないように注意することが必要になります。また、ストレートにカットするのが良いです。爪が厚くなって割れやすい状態や陥入などがあれば、医師に相談しましょう。
参考記事:足の巻き爪は切り方が原因? 〜治療から対策までシンプルに解説〜 ※外部サイトに遷移します
(6)熱湯に注意
熱湯は皮膚を傷つけるので、お湯の温度を確かめてから入浴することが大切です。また、冬場のコタツや暖房器具は、体から離して低温やけどをしないように注意しましょう。
まとめ
以上糖尿病足病変について、理解は深まりましたでしょうか?
最後に今日の話を以下4点にまとめました。
あなたのこれからの生活が少しでも楽しいものになるように、足元には気を付けて毎日を過ごしてもらえると嬉しいです。
参考文献 ※外部サイトに遷移します
学研メディカル秀潤社(2018),糖尿病・内分泌疾患ビジュアルブック 第2版,p125‐133
執筆者:副編集長 白石香代子
山口県立大学家政学部栄養学科卒業後、人材業界を中心にセールスやコンサルタントとして交渉力・語彙力など幅広いコミュニケーションスキルを培う。その後、中国大連にて日系企業のフードアドバイザー、日本人学校の食育セミナー講師として活動。現在、シンクヘルス株式会社とクリニックでの栄養士業務、特定保健指導を兼任。その他、中国高齢者施設の栄養監修なども手掛けている。
記事提供:シンクヘルス株式会社
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