2023.12.13
「骨年齢20歳」88歳現役社長が実践する3つの習慣|「¥マネーの虎」に出演、呼び名は「歩く百億円」
88歳、まだまだ現役社長の吉川社長の目標は、「90歳で一番イケてる自分を作る」(写真:吉川さん提供)
歳をとるにつれて、「もう歳だから」「あとは余生を楽しめればいい」のような、弱気な発言が増えたりしませんか。でも、ちょっと待ってください。
「今が『余生』だなんて、なぜそう思うの? これからが人生本番!」。そう語るのは、かつて「¥マネーの虎」などのテレビ番組に出演し、「歩く百億円」と呼ばれている吉川幸枝さん。88歳となった現在も、超健康体(骨年齢20歳、臓器年齢20代前半、虫歯なし等)を保ちながら現役で社長を続けられるヒミツとは……。
本稿は、『人生は80歳からがおもしろい』より、一部抜粋・再構成のうえお届けします。
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歳に抗いたかったら、まず鏡を見る
あなたは、一日何回、自分の姿を見ますか。いつ見るか、自分なりの決まりはありますか。
「もうこんな歳で、身なりや顔なんて、ほとんど気にしたことがない」
そんな答えもかえってきそうですが……。
ダメダメ、歳なんて関係ない! 毎日、自分チェックをしてくださいね。
小さなことかもしれませんけど、小さなところを怠ることから、いろいろ崩壊しちゃうの。
なぜ、見たくもないものを見ることをおすすめするのか。
私は、無意識が一番老化を促進させると思っているからです。
テレビに出ている芸能人を見てください。彼女たちがずっときれいなのは、一流のメイクをしてもらっているからとか、一流の服やアクセサリーで着飾っているからだけではありません。
常に、人から見られているから。そして、人から見られることを意識しているからです。
そうすると、ちょっとしたことが気になるようになります。
「あら、ちょっと、あごまわりがふっくらしたかしら?」
「今日は、ちょっと目の下にくまがあるかな?」
「天候のせいか、お肌につっぱりがあるな」
そんなことに気づきます。気づくと、気になって、どうにかしたくなります。
その「どうにかしたくなる気持ち」が大事なのです。
でも、気づかなかったら、どうしようもない。
だから私は、家の要所要所に、鏡を置いています。
玄関、リビング、トイレ、廊下……。
鏡に映った自分を見て、表情や様子をチェックするんです。
家の中に、自分の姿を意識せざるを得ない仕組みを作ってしまう、ということね。
「顔、悪うなってるぞ」
鏡って、あるがままの姿を映し出すでしょ。
これは、見た目だけの話ではありません。
例えば、イライラしたり、落ち込んだりしていると、鏡にもそういう顔が映っちゃう。
そういう時、私は「顔、悪うなってるぞ」って、自分に言い聞かせるの。
そうやって鏡の自分に言い聞かせると、心に区切りがついて、気持ちが前向きに切り替わって、自然と体も元気になるんですよね。
ちなみに、鏡を一番設置してほしいのが玄関です。
玄関の鏡は、外から帰ってきた自分を真っ先に映します。
仕事で疲れていたり、イラついて荒っぽくなっていたりすると、そういう姿がそのまま現れます。
そういう自分を家に持ち込んでも、一つもいいことはありません。
だから、玄関の鏡にそんな自分が映ったら、そこで心の汚れを払って、心をできるだけきれいに、真っ白にするの。
「頭の中のつまらんものを、家にまで入れるなよ」って、自分を自然体に戻してから、家の中に入るようにするんです。
健康で若々しい自分でいるには、そうやって鏡でチェックして、自分を正す習慣をつけることが欠かせないと思っています。
もっと言うと、鏡を見たら笑顔を作るようにするといいです。
鏡の自分を見た瞬間に、ニコッと笑えるようになれたら、大したもんです。
瞬時に微笑むことができるってことは、いつ、どこで、誰に対しても、即座ににこやかに微笑みを向けられるってことですからね。
鏡を見て、「笑顔上手」になる
さらに言うと、イライラした顔、怒った顔は、表情を老けさせます! 思い浮かべてください。不機嫌そうな人と、笑顔にあふれる人、印象が全然違いますよね。
目があった瞬間に笑顔を向けられたら、誰だっていい気分になります。
相手のことを「いい人だな」「素敵な人だな」と思います。
笑顔一つで印象が良くなって、あなたの価値が瞬時に上がります。
これ、全て瞬間の勝負。自分の価値を上げるも下げるも、瞬間が大事ってこと。
笑顔に限らず、大事なものというのは、「瞬間」に現れるものです。
その瞬間、物事にどう反応するか、どんな表情や態度を示すか。
瞬間にこそ、その人の生き様や心根が、パッと出るものだと思います。
だからこそ、日ごろから鏡で自分をチェックしていただきたいの。
瞬時にいい反応ができる自分になっていただきたいんです。
そういうことを、いちいち思い出させてくれるのが鏡という存在です。
今日という日が、あなたにとって、人生で一番若い日だから。
そんな自分を目に留めながら、生きていきましょうよ。
健康を保つには、もちろん運動は大切です。
これはみなさんわかっているから、毎日早朝にウォーキングしたり、「1日1万歩!」なんて目標を定めて、体を動かそうとしていますよね。
「大声ウォーキング」でストレス解消
それは、運動することが、筋力を高めたり、高血圧や動脈硬化を防いでくれたり、いい効果がいろいろあるからなんですけど、意外と見過ごされているのが、ストレス解消になるってこと。
ストレスって、頭で考えても消えにくいものです。ストレスが心にも体にも良くないことはわかっているけど、なくしたいと思ってもなくならないですよね。
いい歳になると、何かツラいことがあっても、「私、平気よ、これくらい」と、澄ました顔で、なんてことない感じを装ったりしますけど……。
それでストレスが消えたように見えても、一片の汚れが残って、きれいには消え切らない。
ストレスをスッキリと消すには、体を動かして発散するのが一番なんです。
自宅でストレッチをする吉川さん(写真:吉川さん提供)
例えば、歩くことや、走ることです。
実際、一定の動きをくり返すウォーキングやランニングなどをした時に分泌されるセロトニンという物質は、ストレス解消効果があるそうですよ。
ここで、私が秘密にしている日課を紹介したいと思います。
それは、歩いたり走ったりする時、大声を出すこと。ただ歩くだけではありません。
例えば、「うわー!」「バカヤロー!」って叫びながら歩くの。人が少ない早朝がおすすめです。名づけて、「大声ウォーキング」。
大きな声を出すのも、ストレス解消にとても役立ちます。これは、なんとなくイメージできるのではないでしょうか(もちろん、大声出して人の迷惑にならないように、場所は選んでくださいね)。
じつは、大声を出すこともセロトニンを出すことになるようです。
つまり、大声ウォーキングをすれば、ストレス解消効果のあるセロトニンがドバドバ出るわけ! やらない手はないですよね。
「路上で大声を出すのは、ちょっと……」という場合は、カラオケでもいいわよね。
大声を出して、リズムをとって、楽しく歌って。
カラオケは運動ではないけれど、運動と同じような効果があるらしいです。それどころか、「自律神経が整う」「脳が活性化する」「老化を食い止める」「認知症を予防する」なんていう、私たちシニアが大喜びしちゃういいことが満載なようです。
運動が苦手な人は、カラオケを趣味にするといいんじゃないかしら。カラオケボックスに行かなくても、1日1分、歌ってみることから始めてみましょうよ。
「少し嫌がる」「少し無理する」が可能性を引き上げる
歳なんだから、もう頑張らなくていい。
できるだけ無理せず、ラクに生きていい。
歳を重ねれば重ねるほど、みなさんそう思いますよね。
でも、それはどうでしょう。
頑張らずラクばかりするということは、成長しないということでもあります。
成長しなければ、そのぶん若さも健康も損なわれ、枯れていきます。
「若いわけでもないのに成長なんて」と思うかもしれないけれど、健康や若々しさを保つには、いくつになっても成長が必須!
だって、定年も過ぎれば、日々、体力も心の状態も、放っておいたら自然とマイナスに傾いていくのです。だったら、少しずつでもプラス側に向けて努力しないと、どんどん老いていくばかりです。
そのためには、「少し無理すること」が大切です。
もちろん、無理しすぎるのはいけません。
頑張りすぎず、自分を甘やかしすぎず。
例えば、「もうちょっと横になっていたいな」「歩きたくないな」などという時、「いや、起き上がってコーヒーでも飲もう」「途中まで頑張って歩いてみよう」と、少し自分を奮い立たせる。
そのためにはラクを「少し嫌がる」ことも大切です。
ある高齢の女性が、こんな話をしていました。
「重い荷物を持って歩くのがしんどい」と子どもに言ったら、手押し車(シルバーカー)をすすめられた。
「使ってみようかとも思ったけれど、手押し車を使う姿に抵抗を感じ、『なんだかイヤだな』と思った」
やっぱりまだ手押し車は使いたくないから、重いものは持たないようにしつつ、少し無理してでも、手で荷物を持って歩こう。そう思ったのだそうです。
この女性の場合、「抵抗を感じた、イヤだなと思った」=ラクを少し「嫌がった」わけね。
若さのために、ほどよく嫌がり、ほどよくほしがる
もちろん、体調や健康状態によっては、便利なものは使ったほうがいい場合もあるでしょうけど、できるのであれば頑張ってみる、少し無理してみるといい。
例えば、こんなふうに想像したらいいのかも。
これを受け入れてしまったら、「また、シワが1つ増えるかも」「また、腰が1センチ曲がるかも」……これは、ちょっと受け入れがたいですよね。つまり、少しラクを嫌がるわけです。
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その少しラクを嫌がることの連続が、健康や若さを保つことにつながるんじゃないでしょうか。
便利な世の中ですから、ちょっと気を緩めたら、どんどん何かに依存していってしまいそうだから。依存するってことは、自分を甘やかすってことでもあると思うの。
歳をとりたくないと思うことは、「健康や若さをほしがる」とも言えます。
「ほしがる」と言うと下品に響きますけど、全然恥ずかしいことじゃありません。
ほしいものを貪欲に求める。それが健康や若さを保つ基本なんです。
ただ、ほしがって何かを頑張りすぎたりすると、心や体が疲れてしまいます。
五分五分でバランスよく、ほどよく嫌がり、ほどよくほしがることが肝要です。ポイントは、「少し」ですからね。心にとどめてみてください。
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提供元:「骨年齢20歳」88歳現役社長が実践する3つの習慣|東洋経済オンライン