2023.05.24
もずくの栄養成分と効能効果~健康に効果的な食べ方も伝授~
当記事を監修した専門家:管理栄養士・調理師 前間弘美、編集長 宮田亘造(詳しいプロフィールはこちらをご覧ください) ※外部サイトに遷移します
ぬるぬるとした粘りとつるんとした食感が特徴的なもずく。
「低カロリーだし、健康によさそう」と何気なく食べている方もいらっしゃるかもしれません。
もずくはあっさりしているので栄養が無さそうに見えますが、実はすごい成分が豊富に含まれた食品なのです。
そこで今回は、もずくの栄養成分や効能効果について紹介いたします。効果的な食べ方もお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
もずくの栄養成分
もずくは低カロリーなので、栄養価も低いように思われがちです。しかし、食物繊維が豊富でミネラルも含まれているもずくは健康効果の高い食品なのです。
腸内環境を整える食物繊維
食物繊維は、体内で消化されずに大腸まで運ばれる成分です。腸の中でさまざまな働きをし、便秘や動脈硬化、心臓疾患などの予防にも役立ちます。
さらに、もずくのぬめり成分には水溶性食物繊維(※)の一種であるフコイダンが豊富で、その含有量は藻類の中でもトップです。
そしてフコイダンには余分なナトリウムやコレステロールを排出して、血圧や血糖値の上昇を抑える働きがあるほか、さまざまな健康効果が期待されています。
(※)食物繊維には水に溶けやすい水溶性と溶けにくい不溶性があります
骨粗しょう症を予防するミネラル
もずくには、丈夫な骨をつくるカルシウムやマグネシウムが含まれています。
この2つの栄養素は、互いに干渉しながら私たちの体の中でさまざまな働きをするので、バランスが重要だと考えられています。
もずくは、カルシウムとマグネシウムのバランスがよいという点でも、オススメの食品です。
もずくのデメリットや危険性とは
体によい成分を持つもずくですが、食べすぎには注意が必要です。食べ過ぎにはどのようなデメリットや危険性があるのか、解説していきます。
食べ過ぎは下痢の原因になる
もずくに豊富な水溶性食物繊維は、 便を柔らかくする作用があります。そのため、摂りすぎると水分量が過剰になって下痢を起こしやすくなるのです。
もちろん適度な量であれば、便秘改善効果が期待できます。もずくは適量を食べるように心がけましょう。
妊婦さんがもずくを食べても大丈夫?
妊婦さんであっても、もずくを適度に食べる分には問題ありません。
とはいえ、もずくに含まれるヨウ素が体に悪影響を及ぼす、という噂を聞いて不安に感じる方もいらっしゃるでしょう。
確かに、ヨウ素の摂りすぎは甲状腺の働きを弱める可能性があり、摂取量に上限(18歳以上男女共に3,000μg、妊婦・授乳婦は2000μg)が設けられています。
ただし普通の食生活でこの上限に達することはないので、安心してもずくを食べてくださいね。
むしろ、ヨウ素は妊婦さんや授乳中の方に大切な栄養素です。
ヨウ素は甲状腺ホルモンの合成に必要なミネラルで、妊娠中や授乳期には胎盤や母乳を通じて赤ちゃんに移行し、発育を促進します。つまり妊婦さんや授乳中の方にとって、適度な量のヨウ素を摂取することはとても重要なのです。
一日どれくらい食べていいの?
妊娠の有無にかかわらず、一般的な生もずくのパック「1個」程度が目安です。
もずくの食べ過ぎでヨウ素過剰症になる可能性は低いです。とはいえ、もずくばかり食べると栄養バランスが崩れてしまいます。いろいろな食品を食べるよう意識して、健康な体を保ちましょう。
もずく酢は体によいのか
もずく酢は体によいと考えられます。なぜなら、もずく酢は体によい栄養成分を含むもずくに味付けをしたものだからです。
もずくともずく酢は栄養成分に大きな違いはありません。そのため、もずくは体によいといえます。
ダイエットに向いている?
ずばり、もずく酢はダイエットに向いているといえます。というのも、もずく酢は1パックあたり約17kcalと低カロリーなうえに、水溶性食物繊維が豊富で血糖値の急上昇を抑える作用があるからです。
血糖値の上昇をゆるやかにすると、インスリン(血糖値を下げるホルモン)による血中の糖質を脂肪としてためる作用を抑制できます。
また、もずくを酢で和えることで食物繊維が柔らかく体内に取り入れやすい形になります。食物繊維は老廃物を排出し腸内環境を整える働きもあるため、もずく酢はダイエットに向いているといえるでしょう。
参考記事:お酢にダイエット効果があるってホント?~飲み方やタイミングも解説~ ※外部サイトに遷移します
もずくの栄養を活かした効率的な食べ方をご紹介
先ほど紹介したもずく酢もよいですが、味噌汁やお吸い物に調理して食べるのもオススメです。
フコイダンは、水に溶けやすく茹でると体内に取り入れやすくなります。そこで、味噌汁やお吸い物などの汁物に入れると、効率的にフコイダンを摂取できるのです。
もずくとめかぶの栄養面での違い
同じ海藻類で見た目も似ている「もずく」と「めかぶ」。実はめかぶはわかめの根元部分で、もずくとは種類が全く違います。
では、栄養成分を比較してみましょう。
上の表より、めかぶの方がもずくよりも全体的に栄養価が高いことがわかります。しかし、カロリーはもずくの方が低くダイエット向きですね。
また、血圧や血糖値の上昇を抑える水溶性食物繊維であるフコイダンの含有量はもずくの方が多いとされています。
どちらも健康によい食材なので、目的にあわせて食事に取り入れましょう。
参考記事:めかぶの栄養と効能効果〜ヌルヌル成分に秘めた働きを管理栄養士が解説〜 ※外部サイトに遷移します
まとめ
以上、もずくの栄養成分と効能効果について解説しました。
それでは最後にまとめますともずくは、
となります。
もずくは、低カロリーで栄養豊富なのでダイエット中にもピッタリな食材です。
当記事を参考に、日々の食卓にもずくやもずく酢を取り入れてみてくださいね。
参考文献 ※外部サイトに遷移します
国立健康・栄養研究所 食生活の10のポイント|妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針
飯田薫子、寺本あい 「一生役立つ きちんとわかる栄養学」
J-stage オキナワモズク由来フコイダンの 細胞運動阻害作用
監修:編集長 宮田 亘造
早稲田大学社会科学部卒業後、証券会社での新規開拓営業、製薬会社でのMRなどを経て香港中文大学MBA卒業。同時に北京大学MBAに交換留学、そして北京語言大学にて漢語修習生として学ぶ。帰国後、Webマーケティングのコンサルティング会社を経て、デジタルと医療の融合が患者への新しい価値提供ができると感じ、H2株式会社に入社。
執筆者:管理栄養士・料理家 前間弘美
武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科卒業後、管理栄養士として給食会社や病院に勤務。糖尿病・高血圧の方に向けた献立作成や調理、栄養管理・栄養指導などを担当。特に病院勤務では、働き盛りの方が血糖値、血圧そして食事の記録を時間を作って手書きで行う手間や、その先にある健康面における自己管理の難しさを目の当たりにしてきた。身近なスマートフォンをベースにデジタルヘルスを展開することに可能性を感じたのとあわせ、より多くの方の生活習慣の改善に携わりたいという想いからH2株式会社に入社。管理栄養士、調理師の資格を保有。
記事提供:H2株式会社
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提供元:もずくの栄養成分と効能効果~健康に効果的な食べ方も伝授~|【シンクヘルスブログ|H2株式会社】