2023.05.10
まさにフルーツの王様!キウイの栄養と効能効果~管理栄養士が徹底的に解説~
当記事を監修した専門家:管理栄養士 大熊麻未、編集長 宮田亘造(詳しいプロフィールはこちらをご覧ください) ※外部サイトに遷移します
その外観からはとても想像がつかないほど、断面は鮮やかなキウイフルーツ。
甘味と酸味のバランスが絶妙で、唯一無二の味わいが魅力的な果物です。
さて、そんなキウイにはどのような栄養成分が含まれているのでしょうか?
そこで今回は、キウイに含まれる栄養成分と効能効果について解説いたします。キウイを皮ごと使ったお手軽レシピのご紹介もしているので、ぜひ最後までお付き合いください。
キウイの栄養と効能効果
美肌をサポートするビタミンC
ビタミンCは、肌の構成要素であるコラーゲン作りをサポートします。また抗酸化作用がありますので、シミやくすみの原因となる活性酸素を取り除く効果も期待できます。
ビタミンCは人の体でつくられず、貯蔵もできない成分です。
ちなみに可食部100gあたりのビタミンCの量は、ゴールドキウイ140mg、グリーンキウイ71mgです。
なお、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」において、成人のビタミンC摂取推奨量は100mg/日と設定されています。つまり、ゴールドキウイを1個食べると満たすことができますね。
高血圧を予防する効果のあるカリウム
カリウムは私たちの体の調子を整えるミネラルの一種です。
カリウムはナトリウムを排出する働きがあるため、塩分の摂りすぎを調節してくれるのに役立ちます。なぜなら、カリウムは腎臓でナトリウムの吸収を抑制し、尿中への排泄を促すため血圧を下げる効果があるからです。
一般的な大きさのキウイ1個に含まれるカリウム量は300mgで、この量は果物の中でトップクラスです。
別名「腸のお掃除屋さん」食物繊維
食物繊維には水に溶けやすい水溶性食物繊維と、水に溶けにくい不溶性食物繊維にわかれます。
不溶性食物繊維には、水分を吸収して便のカサを増やす働きがあります。さらに、有害物質を吸着して便と一緒に排出し腸内をきれいにしてくれる効果も。
そして水溶性食物繊維の働きは、
などがあります。
上の表のとおり、キウイにはどちらの食物繊維も含まれます。とくにグリーンキウイには不溶性食物繊維が豊富です。
実は食物繊維は消化吸収されないため、エネルギー源にはなりません。しかし、健康な体を保つための重要な成分なので、日々の食事に取り入れていきましょう。
キウイ特有成分のアクチニジン
アクチニジンは、キウイだけに含まれるタンパク質分解酵素です。とくにグリーンキウイに多く含まれます。
タンパク質分解酵素とは、その名の通りタンパク質を分解する働きをもつ酵素です。調理前のお肉を柔らかくするほか、胃の中の食べ物の消化を促します。
ただしアクチニジンは加熱により酵素としての働きを失います。たんぱく質分解酵素の働きを活かしたい場合は、生のキウイを使うようにしましょう。
一方でゼリーを作る時に生のキウイを入れると、アクチニジンの働きでゼラチンが固まりにくくなることも。その際は加熱したキウイを使うと、ゼリーが固まりやすくなりますよ。
関連記事:キウイのカロリーと糖質は低い?~栄養や健康効果も分かりやすく解説~ ※外部サイトに遷移します
ゴールドキウイの特筆すべき栄養成分
果肉が黄色いゴールドキウイは、グリーンキウイと比べると酸味が少ないのが特徴です。両者の違いは、その色と味わいだけでしょうか。
実は、ビタミンCの量が大きく違います。ゴールドキウイにはグリーンキウイの約2倍のビタミンCが含まれています。
ビタミンCの抗酸化作用は、シミやしわといった老化防止に役立ちますので、美肌になりたいときはゴールドキウイを選ぶとよいですね。
なおビタミンCは熱に弱いため、ゴールドキウイは生のままで食べるのがオススメです。
皮まですごい!キウイの皮に含まれる栄養成分
いつもは何気なく捨ててしまっているキウイの皮。無意識にしていたその行為、実はとてももったいないのです。
キウイは皮ごと食べると、果肉だけを食べるよりも多くの食物繊維やビタミンを摂取することができます。
キウイを皮ごと食べる際のポイント
グリーンキウイを皮つきのまま食べると、口の中に柔毛が残りザラザラとした違和感が広がります。そこでカットする前に丸めたアルミホイルで皮の表面を軽くこすると、かんたんに柔毛が取り除けますよ。
しかし、スムージーのようにキウイを混ぜて食べるときは、産毛が生えていても気になりにくいです。
一方ゴールドキウイは皮がツルンとしているため、手を加えなくてもあまり違和感なく食べられます。
キウイの効果的な食べ方
ポイント1:目的に合った種類を選ぶ
繰り返しになりますが、キウイは果肉の色によって栄養成分が異なります。その効果を存分に得るために、目的に合った種類を選ぶことが大切です。
お通じを良好にしたいのであれば、食物繊維が豊富なグリーンキウイ。お肌の調子を整えたいのであれば、ビタミンCが豊富なゴールドキウイを選ぶとよいですよ。
とはいえキウイだけに頼るのは控え、バランスのよい食事を意識しましょう。
ポイント2:食べる時間帯
食べる時間帯は朝や昼間などの活動量の多い時間帯がオススメです。
なぜなら夜はエネルギー消費が少ないため、余分なエネルギーは脂肪として蓄積されるからです。
朝食や15時のおやつなどに、キウイを食べるとよいですね。
キウイはダイエットに向いている?
答えはYESです。
それは、キウイには脂質がほとんど含まれていないからです。脂質は私たちの体にとって大切な栄養成分ですが、摂りすぎると肥満の原因となることも。
なお、グリーンキウイのほうがゴールドキウイよりもカロリー・糖質共に低いのでダイエットには向いています。
ゴールドキウイを食べると睡眠の質が良くなるって本当?
現時点ではNOです。
残念ながら、ゴールドキウイが睡眠の質を改善するという内容の著名な研究結果は見当たりません。
しかし、睡眠の質が改善されるという噂があるのも事実です。噂の根源は、おそらくキウイの栄養成分にあると思われますが、わたしたちはキウイを美味しく食べながら、立証される日を楽しみに待ちましょう。
キウイは毎日食べても大丈夫?
答えは、もちろんYESです。
繰り返しになりますが、キウイには魅力的な栄養成分が含まれています。つまり、食べ過ぎなければ毎日食べても問題はありません。
参考までに、厚生労働省の「健康日本21」では1日に200gの果物を摂ることを推奨しています。
キウイは2個で200gですので、1日2個を目安に食べるとよいですね。
毎日食べるとニキビや肌に効果はあるの?
こちらは、条件付きでYESです。
ニキビなどの肌荒れは外部からのケアも大切ですが、腸内環境や肌を作るための栄養成分といった内部からのケアも非常に重要です。
その点キウイには、肌を作るために欠かせないビタミンCと、腸内環境を整えるための食物繊維が入っているので、頼りになる食品といえます。
ただし、他にも摂取すべき栄養成分はたくさんあります。
たとえば、肉や魚に多く含まれるたんぱく質は、皮膚の材料となるので健康的な肌に必要な栄養素です。つまりキウイを食べつつ、バランスのよい食事をすることが美肌への近道なのです。
キウイは冷凍できる?キウイに適した保存方法
キウイは冷凍保存しても大丈夫な食材です。
ただし、キウイは追熟(※)させてから食べる果物なので、冷凍すると追熟が進みません。そこで、充分追熟させて食べ頃になたものを冷凍しましょう。
(※)果物を収穫後、一定期間置き完熟させること
一度冷凍保存したキウイを解凍すると水っぽくなります。冷凍したものはそのまま食べるよりも、ソースやジャム、スムージーの材料にしたほうが美味しく食べられますよ。
キウイの鮮度について
キウイの食べ頃は、縦に持って軽く押したときの柔らかさで確認できます。押したときに少し指が入る柔らかさになったら、完熟の合図で食べ頃です。
固いキウイは完熟前なので、食べ頃になるまで常温で追熟させましょう。
また、リンゴやバナナと一緒にビニール袋に入れておくと、追熟のスピードが早まります。なぜなら、リンゴやバナナが出すエチレンガス(植物が出すホルモンの一種)には熟成を進める作用があるからです。
なお、すぐに食べない場合は冷蔵庫の野菜室へ移動させれば追熟が遅くなります。
キウイは保管する環境によって、熟すスピードが変わります。自分の食べたいタイミングに合わせて、保管方法を変えるといつでも美味しいキウイが食べられますね。
キウイを皮ごと使ったお手軽レシピのご紹介
キウイの皮はそのまま食べると口当たりがよくありません。しかし他の食材と一緒にミキサーにかけてしまえば、あまり違和感なく食べられます。
かんたんに作れるので、時間のない朝や間食にもオススメです。ぜひお試しくださいね。
【グリーンキウイスムージー】
【作り方】
(1)グリーンキウイを皮ごと1/4に、小松菜を3㎝ほどの長さに切る
(2)(1)を滑らかになるまでミキサーにかける
(3)(2)にヨーグルトを加え、全体がなじむまでミキサーで混ぜたらできあがり
※甘さが足りない場合は、お好みでラカントなどの甘味料を加えてください
【ワンポイント】
グリーンキウイは丸めたアルミホイルで表面をこすると、簡単に柔毛を取り除くことができますよ。
まとめ
以上、キウイの栄養成分と健康効果について解説しました。
それでは最後にまとめますと、
となります。
キウイの美味しさを存分に味わいながら、栄養効果を意識して、日々の食事に取り入れていきたいですね。
【参考文献】※外部サイトに遷移します
J-Stage
JAグループ
監修:編集長 宮田 亘造
早稲田大学社会科学部卒業後、証券会社での新規開拓営業、製薬会社でのMRなどを経て香港中文大学MBA卒業。同時に北京大学MBAに交換留学、そして北京語言大学にて漢語修習生として学ぶ。帰国後、Webマーケティングのコンサルティング会社を経て、デジタルと医療の融合が患者への新しい価値提供ができると感じ、H2株式会社に入社。
執筆者:管理栄養士 大熊麻未
十文字学園女子大学人間生活学部 食物栄養学科卒業。卒業後は一般企業にてOEM開発や外食事業に従事。その後は学校給食に携わり、食物アレルギーや衛生管理の指導にあたる。また生活習慣病予備軍の方に向けた保険指導を行い、検査数値改善のサポートに尽力する。
記事提供:H2株式会社
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