2022.12.23
やはり卵は最強食品!~栄養成分と効能効果を管理栄養士が解説~
当記事を監修した専門家:管理栄養士 大熊麻未、編集長 宮田亘造(詳しいプロフィールはこちらをご覧ください) ※外部サイトに遷移します
日本では古来から滋養強壮食品として重宝されてきた卵。
世界各国で食されているだけあって、和洋中どの調理方法においても美味しく食べられる万能食材です。
さて、卵はスーパーで売られている安価なものから、希少価値の高いブランド品まで種類が豊富ですが、どのような栄養素が詰まっているかご存知ですか?
今回は、卵の栄養成分と効能効果の解説をはじめ、お手軽レシピのご紹介もしていきます。
それでは参りましょう。
卵の栄養成分と効能
体の構成に必要なタンパク質
タンパク質は人間の体を作っている大切な成分です。
筋肉だけでなく骨や爪も主成分はタンパク質ですので、毎日摂り続ける必要があります。
市販の卵1個(Mサイズ・正味50g)に含まれるタンパク質は、なんと6.1gです。
参考までに、タンパク質の多いイメージがある木綿豆腐は3.5g(50gあたり)です。このように比較してみると、卵に含まれるタンパク質がいかに多いかおわかりいただけると思います。
身体維持に必要な脂質
脂質は摂り過ぎると肥満など健康を損ねることになりますが、人間にとって必要な栄養素です。
ちなみに卵に含まれる脂質はほとんど卵黄の中にあり、卵黄の約30%が脂質です。
なお、卵の脂質の中にはレシチンというリン脂質の一種が含まれています。リン脂質は人間の細胞膜(※)を構成する主な成分で、生命維持や脳機能などに深く関わっています。
また、リン脂質は動脈硬化や高血圧症の予防効果が期待されています。
※私たちの体を構成する細胞を包む膜のこと
参考記事:マヨネーズのカロリーは高いが糖質は低い〜健康に良いかを含めてポイント解説〜 ※外部サイトに遷移します
・卵には脂質が多いって本当?
卵に含まれる脂質は多いのか、他の食品と比べてみましょう。
このように、卵の脂質は決して多くないとわかりますね。
卵黄には脂質が含まれているから…と、食べるのを避けてきた方も今日からは是非食べてくださいね!
美容や疲労に効果のあるビタミン
卵には脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンの両方が含まれています。
脂溶性ビタミンとしては抗酸化作用のあるビタミンAやビタミンEによる、肌のシミやシワなどを予防する効果が期待できます。
また、卵には水溶性ビタミンであるビタミンB群も多く、疲労回復や皮膚を健康に保ってくれるのです。
身体活動をサポートするミネラル
卵には様々なミネラルが含まれていますが、中でもカルシウムや鉄分など、日本人に不足しがちな栄養成分が多い食品です。身体活動をサポートするミネラルは、サプリメントなどの栄養補助食品からも摂取できますが、できることなら普段の食事から摂りたいですね。
卵はすごい?「完全栄養食品」と言われるには理由があった
一般的に「完全栄養食品」とは、「厚生労働省が策定した『日本人の食事摂取基準』で定められた栄養素を過不足なく摂れるもの」と言われています(定義はありません)。
卵の構成成分を見ると、人に必要な栄養素が満遍なく含まれているため、世間ではそのように呼ばれることも。
完全栄養食と呼ばれるもう1つの理由として、卵には良質なタンパク質が含まれていることも挙げられています。卵に含まれるタンパク質は、牛肉や牛乳よりも体に吸収されやすいことが分かっています。
また市販の〈完全栄養食品〉という名称が入った商品に共通してる点、それは手軽に食べられることです。
その観点で見ても、特に(ゆで卵)はスーパーやコンビニで簡単に手に入れられ手軽に食べられる食品です。
こうやって見てみると、卵には「完全栄養食品」と言えるだけの理由がバッチリそろっていますね!
完全栄養食といえど足りない栄養成分もある
残念ながら、卵は全ての栄養素を摂れるほどパーフェクトな食材ではありません。
なぜなら、卵には食物繊維とビタミンCは含まれていないからです。これらの栄養成分は体にとって非常に重要なので、食事の際は野菜や果物を一緒に摂ることで補いましょう。
卵以外の完全栄養食品と呼べる食品
栄養価が高い食品は他にもたくさんあります。
しかし、卵ほど簡単に手に入れ食べられる食品は少ないでしょう。つまり、もっとも身近にある完全栄養食品はやっぱり卵というわけです。
筋トレ男子必見!筋力アップに効果的なゆで卵の数は?
結論から申し上げますと、残念ながら今のところは、筋力アップと卵の個数に言及した研究結果はありません。
しかし、卵は筋トレに励む方々から絶大な信頼を集めているという事実もあります。
とくに卵の白身にはタンパク質が多く脂質が少ないので、積極的に白身のみを召し上がっている方も多いのではないでしょうか。とはいえ体の代謝の面から見ますと、必ずしもタンパク質の摂取量に比例して筋肉が増えるわけではありません。
実際に、筋力アップを目的としてタンパク質を意識的に多く摂取している方は、糖質と脂質を極端に控えているケースも。
ところが体は、糖質の摂取量が足りていないと、タンパク質を分解してエネルギー源として使います。つまり、タンパク質が本来の機能として働けなくなります。
そのうえ、使われなかったタンパク質は、脂肪として蓄えられることもあるのです。卵は、安価な上に良質なタンパク質が手軽に摂れる食品ではありますが適量摂取を心がけましょう。
生卵とゆで卵の栄養価に違いはあるの?
答えはNOです。
ゆで卵にすることで熱に弱い栄養成分はわずかに減りますが、ほとんど変わりません。ですので、お好みの食べ方で召し上がってくださいね。
烏骨鶏(うこっけい)やうずらの卵の栄養価
わたしたちがいつも食べているのは鶏卵です。
一方で鶏卵と高級で有名な烏骨鶏の卵や、中華丼に入っているうずらの卵などとの違いは大きさだけでしょうか?ということで栄養価を下の表で確認していきましょう。
鶏卵と比べると、烏骨鶏卵とうずらの卵には脂質が多く含まれていることが分かります。
最近は手軽にタンパク質を摂取する目的で、間食にうずらの卵の水煮を食べる方が増えているようです。しかし表に示した通り、脂質が多いので食べすぎには注意しましょう。
【簡単】卵を使ったお手軽レシピをご紹介
卵に不足している食物繊維とビタミンCを一緒に摂れるレシピです!
【スクランブルエッグサンド(1人前)】
《作り方》
1,卵を溶いて、塩・胡椒で味をつける
2,マヨネーズを油代わりに使い、スクランブルエッグを作る
3,トマトはスライスし、レタスは食べやすい大きさにちぎる
4,トーストしたマフィンにバターを塗って、2と3をはさんで出来上がり
《POINT》
マヨネーズを使うことで、卵がフワフワに仕上がります。
また、コショウを効かせると、塩味が薄くても美味しく食べられますよ。
まとめ
以上、卵の栄養と効能効果を解説しました。
それでは最後にまとめますと卵には、
・良質なタンパク質が豊富に含まれている
・食物繊維とビタミンCは含まれていないため、他の食品で補う必要がある
・ゆで卵をたくさん食べた分だけ筋肉が増えるわけではない
となります。
卵はそのまま食べても良し、煮ても焼いても炒めても良しの食品です。
その変幻自在な特長を活かし、毎日の食卓に登場させてあげてくださいね。
参考文献 ※外部サイトに遷移します
・e-ヘルスネット リン脂質
・女子栄養大学 栄養学科 実践栄養栄養学科 卵は食べ過ぎても大丈夫?
・健康長寿ネット レシチン・コリンの効果と摂取量 三大栄養素のたんぱく質の働きと1日の摂取量 ミネラル成分の鉄分の働きと1日の摂取量
監修:編集長 宮田 亘造
早稲田大学社会科学部卒業後、証券会社での新規開拓営業、製薬会社でのMRなどを経て香港中文大学MBA卒業。同時に北京大学MBAに交換留学、そして北京語言大学にて漢語修習生として学ぶ。帰国後、Webマーケティングのコンサルティング会社を経て、デジタルと医療の融合が患者への新しい価値提供ができると感じ、H2株式会社に入社。
執筆者:管理栄養士 大熊麻未
十文字学園女子大学人間生活学部 食物栄養学科卒業。卒業後は一般企業にてOEM開発や外食事業に従事。その後は学校給食に携わり、食物アレルギーや衛生管理の指導にあたる。また生活習慣病予備軍の方に向けた保険指導を行い、検査数値改善のサポートに尽力する。
記事提供:H2株式会社
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提供元:やはり卵は最強食品!~栄養成分と効能効果を管理栄養士が解説~|【シンクヘルスブログ|H2株式会社】