2022.12.19
雑穀米は糖質制限ダイエットにいいの?~白米・玄米と徹底比較~
当記事を監修した専門家:管理栄養士 松原知香、編集長 宮田亘造(詳しいプロフィールはこちらをご覧ください) ※外部サイトに遷移します
白米に雑穀を混ぜて炊き上げる「雑穀米」。
白米に足りない栄養を補えるので、健康意識の高い方にとっては定番の健康食品ですね。
栄養豊富な一方、糖質制限をしている方にとっては糖質量が気になるところ。
そこで今回は、「雑穀米は糖質制限ダイエットに向いているのか」についてさまざまな角度から検証してみました。
白米以外に玄米やもち麦米とも比較しましたので、ぜひ最後までご覧ください。
雑穀米に糖質はどれくらい入っているのか
気になる雑穀米の糖質量は、茶碗1杯分(150g)あたり53.2gです。同じ量の白米が糖質57.2gなので若干少ないですね。
白米を雑穀米に変えれば糖質を減らせると思っていた方は、期待していたほど糖質オフにならないと感じるのではないでしょうか。
そもそも雑穀とは麦やヒエ、アワといった穀物を指し、日本雑穀協会では「雑穀とは主食以外に日本人が利用している穀物の総称」としています。雑穀米は、それら雑穀を何種類かブレンドして白米とともに炊き上げたものです。
十六穀や十八穀などありますが当然、穀物にも糖質は含まれているので、白米を雑穀米に変えたからといって糖質オフにはならないといえます。
白米、玄米、もち麦米との比較
続いて、玄米やもち麦米など、雑穀米と同じく健康意識の高い方が好んで召し上がる主食との糖質量を比較してみました。
雑穀米は白米についで2番目、玄米やもち麦米よりも糖質量が多いという結果になりました。糖質量だけを見ると玄米やもち麦米のほうが魅力的に感じますね。
しかし、雑穀米の本当の魅力は糖質量ではないのです。
含まれる栄養素に違いはあるのか
雑穀米の魅力は、糖質よりも健康な体作りに役立つ栄養素にあるといっても過言ではありません。
玄米やもち麦米には食物繊維が豊富なので、期待できるのは便通をよくするといった腸内環境を整える効果が一般的です。
一方、雑穀米にはさまざまな穀物が含まれているため、特徴的な栄養素やその健康効果も多岐にわたります。その中で例として1つあげるなら、黒米に含まれるポリフェノールの抗酸化作用です。
黒米は、アントシアニンなどポリフェノールを含み、これらには体のサビといわれる活性酸素を除去する働きがあります。
いつまでも若々しい体でいたい方にはオススメの栄養ですよ。
【結論】糖質制限ダイエットにいいのは〇〇!
糖質量だけを比較すると、糖質制限ダイエットに向いているのはもち麦米です。
雑穀米はダイエットというよりも、健康な体作りに役立つ栄養を補うサプリメントのようなものとして考えるとよいでしょう。
ちなみに、レンジで温めるだけで手軽に雑穀米が食べられる便利なパックご飯もあります。メーカーによっては雑穀米にもち麦を混ぜて糖質量を抑えている商品もあり、糖質制限をしながら雑穀米を取り入れたいという方は、そういった商品を活用するとよいですよ。
雑穀米はどんな人にもオススメなのか
健康にいい栄養が補える雑穀米は、子供から大人まで食べていただけます。
先ほどご紹介したパックご飯の雑穀米も便利ですが、人数が多いご家庭ではコスト面がやや心配ですよね。
家族みんなで雑穀米を食べたい方は、白米に混ぜて炊くだけで雑穀米を作れる雑穀ミックスも販売されていますよ。1回分ずつ個包装になっているものもありますので、忙しいときでも軽量いらずで簡単に雑穀米を作れます。
糖尿病の人はどうか
糖尿病の方にも雑穀米はオススメです。
ただし、糖尿病にオススメとはいえ食べ過ぎてしまっては糖質量がオーバーしてしまいます。糖尿病の方が雑穀米を食べる際は、決められた量を守りつつ、白米を雑穀米に置き換えるのがよいでしょう。
子供は食べ始める時期に注意
体にいい雑穀米はお子さんにもオススメですが、月齢によっては避けたほうがよい場合もあります。
たとえば、離乳食期のお子さんは消化機能が未発達なので、雑穀米を与えると消化器官に負担がかかってしまいます。また、雑穀米には黒豆が入っていることもあります。お子さんによってはよく噛まずに飲み込んでしまい喉に詰まる可能性もあり、注意が必要です。
子供に雑穀米を食べさせるなら、
・離乳食が完了してから
・噛む力が弱いうちは黒豆など粒の大きい雑穀が入っていないものから食べさせる
以上の2点に気を付けましょう。
雑穀米は日常的に食べるのが大事
日常的に雑穀米を食べることは、高血圧予防に効果的です。
2020年に発表された研究結果によると、雑穀米を食べる頻度が高い方は低い方に比べて高血圧になりにくいという報告があります。
いつものご飯を白米から雑穀米にすると、カリウムやカルシウムなど血圧に関わるミネラルの摂取量が増えるため、高血圧になりにくいと考えられます。
このような効果を期待するのであれば、一時的ではなく日常的に雑穀米を食べることが重要ですよ。
まとめ
雑穀米は玄米やもち麦米と比べると糖質は高いですが、さまざまな雑穀を含んでいるため、1種類の穀物では摂れない栄養を補えます。
また、近年の研究では糖尿病や高血圧の予防にも効果的であることがわかってきており、今後の研究結果にもますます期待が高まりますね。
それでは、ぜひ毎日のご飯を雑穀米に変えて、健康的な毎日をお過ごしください。
【参考文献】※外部サイトに遷移します
監修:編集長 宮田 亘造
早稲田大学社会科学部卒業後、証券会社での新規開拓営業、製薬会社でのMRなどを経て香港中文大学MBA卒業。同時に北京大学MBAに交換留学、そして北京語言大学にて漢語修習生として学ぶ。帰国後、Webマーケティングのコンサルティング会社を経て、デジタルと医療の融合が患者への新しい価値提供ができると感じ、H2株式会社に入社。
執筆者:管理栄養士 松原知香
宮城学院女子大学食品栄養学科卒業。幼少期、入院中に絶食を経験し食べて健康に過ごす大切さを感じて管理栄養士を目指す。卒業後は食品メーカーにて介護食の営業に従事。病院や老人ホームの管理栄養士をはじめ医師、看護師、薬剤師への商品紹介や研修会を通して、業務上での悩み解決や患者様・利用者様のQOL(生活の質)向上に尽力。情報にあふれた現代で「誤った情報に惑わされずに、日々の食事を楽しめる人を増やしたい」という思いからH2株式会社に入社。
記事提供:H2株式会社
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提供元:雑穀米は糖質制限ダイエットにいいの?~白米・玄米と徹底比較~|【シンクヘルスブログ|H2株式会社】