2022.12.14
糖尿病とラーメンの上手な付き合い方~血糖値が上がりにくい食べ方のコツを紹介~
当記事を監修した専門家:管理栄養士 大熊麻未、編集長 宮田亘造(詳しいプロフィールはこちらをご覧ください) ※外部サイトに遷移します
日本が誇る食文化のひとつとも言えるラーメン。
ラーメン人気は衰え知らずで、最近ではご当地ラーメンを食べるだけの目的で旅行するという方もいるようです。
しかし糖尿病の方や血糖値が気になる方の中には、「ラーメンは好きだけど我慢している」「罪悪感を持ちながらラーメンを食べている」という方も多いはず。
そこで今回は、ラーメンを食べた時の血糖の上がり方や、血糖値を上げにくい食べ方の工夫等も紹介いたします。ぜひ最後まで読んで理解を深めていってくださいね。
ラーメンは血糖値を上げやすいのか
血糖値の上がりやすさは、
・糖質の量と質
・糖質と一緒に食物繊維やたんぱく質を食べるか
で決まります。
それでは、「ラーメンは血糖を上げやすいのか?」について見ていきましょう。
ラーメンの糖質・カロリーをチェックしよう
一般的なしょうゆラーメンのカロリーは434kcal糖質63.7gです。
これはごはん茶碗1.5膳分以上の糖質量。残念ながらラーメンの糖質は多めです。
糖質の量は直接血糖値に影響しますが、これは麺の量に比例します。一般的なラーメン店の麺の量は180gですが、お店によって幅があり、2倍近い麵が入っているお店も。麺の量が増えると糖質がどんどん増えてしまうのでご注意を。
一方、カロリーについては「あれっ意外にカロリーが低いな」と感じられた方もいらっしゃったのではないでしょうか。
ただしラーメンと一言でいっても、こってりしたものから、さっぱりしたものまでたくさんの種類がありカロリーも大きく変ります。特にスープに背脂などの油脂類が入ったものはカロリーが高くなる傾向が。
参考までに、こってり系のラーメンはお店によって950kcalほどもあり、とても高カロリーです。カロリーの摂り過ぎはその日の血糖値というより、カロリーオーバーが続いて肥満になることが問題です。
肥満になると細胞の血糖を取り込む力が低下し、血糖値が高くなりやすい体質になるからです。
関連記事:肥満と糖尿病の関係 ※外部サイトに遷移します
ラーメンは血糖が急上昇しやすいのか
糖尿病の方や血糖値が気になる方は、血糖値の急上昇も避けたいところ。
たとえ同じ量の糖質を摂っても、同時に(できれば事前に)食物繊維やたんぱく質などをとれば、食後の血糖の上昇を緩やかにできます。一般的なラーメンには、野菜やたんぱく質が少ないことから、食後の血糖値が急上昇する可能性があるといえるでしょう。
「たんぱく質がいいなら、チャーシューを追加しよう」という方、ちょっと待ってください!
脂身の多いチャーシューは、たんぱく質より動物性脂質をとり過ぎてしまう可能性が。実は脂質を摂ることで血糖値スパイクは避けられますが、一方で糖質×脂質の組み合わせは体脂肪として蓄積されやすいので要注意です。
脂身の少ないチャーシューか、なければ煮卵でたんぱく質を補いましょう。
インスタントラーメンはどうか
これまで、ラーメン店などで食べるラーメンを中心にお話してきましたが、今度はカップラーメンやインスタントの袋麺のカロリー・炭水化物量を紹介します。
【インスタントラーメンのカロリー・炭水化物量】
上の表の通り、飲食店で食べるラーメンと比べてインスタントラーメンは、比較的カロリーが控えめです。
小さめのカップラーメンを選べば糖質も多くはありません。ただし、これだけではラーメン店のラーメン以上に食物繊維とたんぱく質が足りません。サイドメニューの工夫次第でバランスがよくなります。
そこでおにぎり等は追加せず、サラダチキンと野菜サラダなどを組み合わせるのが良いでしょう。袋麺なら野菜や卵と一緒に煮込むこともできますね。
血糖値が上がりにくい食べ方
エネルギーや糖質多めのラーメンですが、やっぱりラーメンが食べたいというときもありますよね。そんな時に役立つコツを紹介いたします。血糖値を上手にコントロールするために、ぜひやってみてください。
注意すべき麺の量
ラーメンの糖質を抑えるためには麺の量を減らすのが一番です。ラーメンを食べるときは、1玉までとして、替え玉や大盛はガマン!また、ラーメンに炒飯や白ごはんをプラスするのは控えましょう。
もし、お家で作るなら糖質カット麺というものあります。一度チャレンジしてみるのもいいですね。
血糖値スパイクを防ぐコツ
血糖の急上昇(血糖値スパイク)を防ぐには食物繊維をしっかりとりたいところ。もし野菜たっぷりのラーメンがあれば、そちらがオススメ。麺よりも野菜を先に食べるとなお効果的です。大好きなラーメン屋さんに行く前に何か野菜を食べておくなんてことも血糖コントロールの技のひとつですね。
さらに、食後運動することも血糖を下げるには効果的。食後血糖値が上がり始めるタイミングに合わせて軽めの運動をしてみましょう。ラーメンを食べた後ウォーキングなどはいかがでしょうか。
「〆のラーメン」が食べたくなる理由
お酒を飲んだ後にラーメンを食べる方も多いのではないでしょうか。
「〆のラーメン」が食べたくなるのは、アルコール作用でいつもより食欲旺盛になっているからです。
また、アルコールは血糖値の急上昇急降下を引き起こす特徴がありますので、急降下のタイミングでラーメンが食べたくなっているのかもしれません。
しかし、アルコールやおつまみですでにカロリーオーバーになっていることが予想されますので「〆のラーメン」はやめておきましょう。
日ごろから出来る取り組み
ラーメンが大好きで、おいしいラーメン屋巡りをを楽しみにしている方もいらっしゃると思います。
現在の血糖値の状態にもよりますが、「ラーメンを食べるのが生きがい」という方にとっては、ラーメンと無縁の生活をするのは難しいところ。その代わり普段からできる血糖コントロールのためのチャレンジはいかがでしょうか。
ぜひオススメしたいのが、ずばり体重管理です。というのも体脂肪が多いと糖質の多い食事をとったときに血糖が上がりやすくなるからです。脂肪を減らし、筋肉の量を増やして食後の血糖値が上がりにくい体をめざしましょう。
まとめ
ラーメンの栄養成分から、血糖値の上がり方を説明しました。
まとめますと、
・ラーメンは種類にもよるがカロリー、糖質とも高いものが多く、血糖値を上げやすい
・麺を1玉にして、大盛やご飯ものの追加をやめれば糖質は抑えられる
・血糖の急上昇を予防するために、ラーメンを食べる前に野菜やたんぱく質を食べるといい
・ラーメンを食べた後に軽い運動をすると血糖が上がりにくい
・〆のラーメンはやめる
・普段から体脂肪を減らし、筋肉量を増やして、糖質の多いラーメンを食べても血糖が上がりにくい体質を作っておくことも大切
となります。
それでは当記事を参考に、ラーメンと上手にお付き合いいただければ幸いです。
【参考文献】※外部サイトに遷移します
監修:編集長 宮田 亘造
早稲田大学社会科学部卒業後、証券会社での新規開拓営業、製薬会社でのMRなどを経て香港中文大学MBA卒業。同時に北京大学MBAに交換留学、そして北京語言大学にて漢語修習生として学ぶ。帰国後、Webマーケティングのコンサルティング会社を経て、デジタルと医療の融合が患者への新しい価値提供ができると感じ、H2株式会社に入社。
執筆者:管理栄養士 大熊麻未
十文字学園女子大学人間生活学部 食物栄養学科卒業。卒業後は一般企業にてOEM開発や外食事業に従事。その後は学校給食に携わり、食物アレルギーや衛生管理の指導にあたる。また生活習慣病予備軍の方に向けた保険指導を行い、検査数値改善のサポートに尽力する。
記事提供:H2株式会社
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提供元:糖尿病とラーメンの上手な付き合い方~血糖値が上がりにくい食べ方のコツを紹介~|【シンクヘルスブログ|H2株式会社】