2022.12.12
ダイエットの天敵か?小麦粉の糖質とカロリー量~米粉や全粒粉との違いも解説~
当記事を監修した専門家:管理栄養士 大熊麻未、編集長 宮田亘造(詳しいプロフィールはこちらをご覧ください) ※外部サイトに遷移します
パンやパスタなどの原材料である小麦粉。
洋食と小麦粉は切れも切れない関係で、現在の日本食は欧米化がとどまるところを知りません。
一方で、糖質制限ダイエットの流行から小麦製品を摂らない方も出てきました。
悪者にされがちな小麦粉のカロリーや糖質量はどの程度なのでしょうか。
今回は小麦粉の栄養価だけでなく、米粉や片栗粉と比較しましたのでぜひ最後までお付き合いください。
小麦粉のカロリーと糖質
小麦粉の種類は、含まれるタンパク質の「質」と「量」によりいくつかに分かれますが、ここでは代表的な「薄力粉」について説明します。
上の表からも分かる通り、小麦粉は重量の8割を糖質が占めている高糖質食品です。
さて、調理をしていると小麦粉の出番は多いですが、「つなぎ」として小麦粉を大さじ1杯使うだけでも7gほど糖質を摂ることになります。
そのため糖質を気にされている方は「塵も積もれば山となる」とならないように頭に入れておきましょう。
薄力粉と強力粉でカロリー・糖質量が違うのか
薄力粉はお菓子作りや天ぷらに、強力粉はうどんやパンなどに使われる小麦粉で、違いはたんぱく質の割合です(強力粉のほうが多く含まれている)
上の表の通り、薄力粉のほうがカロリーは少ない糖質が多いという結果でした。
それにより、糖質を気にされている方の中には、薄力粉はやめて強力粉を使おうと思われた方がいるかもしれません。
しかし薄力粉を使うレシピで強力粉を使って作ると、いまひとつの仕上がりになりますのでやめておいたほうが良さそうです。
米粉や片栗粉との比較
米粉は文字通り米を粉状にしたものです。
一方で片栗粉は本来カタクリの根から抽出するのですが、現在はじゃがいものでんぷんから作られているものがほとんどです。
それでは、米粉・片栗粉と小麦粉(薄力粉)のカロリー・糖質量を比較しましたのでご覧ください。
上の表の通り、カロリーも糖質も大差はないといえます。
調理特性や食感などはかなり違いますので、それぞれ合った使い方をするとよいですね。
また、調理するときに小麦粉の一部を米粉や片栗粉に置き換えると、小麦粉100%で作ったものとは違う仕上がりが味わえます。
小麦粉はダイエットに悪いのか?
小麦粉そのものが体に悪いことはありません。
しかし、小麦粉が主原料の料理(ピザ・パスタ・ケーキなど)には高カロリーのものが多いため、ダイエット中に食べる時は注意しましょう。
糖質オフダイエットにはどうか
小麦粉は糖質量が多いので、食べすぎると糖質オフ中は不向きな食材です。
しかし、糖質は体のエネルギー源となる大切な栄養素なので、まったく食べないのはオススメできません。
糖質オフの食生活であれば、ロカボの基準を取り入れましょう。ロカボでは1日の糖質量を70~130g(1食当たり20~40g、間食10g)に抑えることを推奨しています。
一般的にパスタ1人前は乾麺の状態で80~100g使っている飲食店が多いです。乾燥パスタの糖質量は乾麺80gのとき糖質58.7g、乾麺100gのとき糖質73.4gとなりロカボの基準を大きく上回ります。
参考記事:ピザのカロリーと糖質は高め〜ダイエット中はトッピングも気をつけよう〜 ※外部サイトに遷移します
小麦粉の代用にオススメなのは?
用途によってオススメしたいものが変わります。
天ぷらや唐揚げの衣には米粉
天ぷらや唐揚げの衣を作りたいときは米粉がオススメですよ。
つまり米粉は小麦粉に比べて給油率が低いからです。
給油率は使用する食材にもよりますが衣の量にも左右されるので、薄くつけることを意識するとカロリーの増加が抑えられます。
パン作りには全粒粉
パンを作る時に使うのは小麦粉の中で「強力粉」と呼ばれるものです。
強力粉と全粒粉の栄養価は上の表の通りで、全粒粉はカロリーが少ない糖質も少ないとお分かりだと思います。
そしてなによりも目を引く違いは食物繊維の量でしょう。
食物繊維には排便を促す作用や、食後の血糖値の急上昇を抑える働きがあるので積極的に摂りたい栄養素です。
全粒粉で作ったパンは強力粉で作ったものよりも、小麦の風味を強く味わい感じられる深い仕上がりになりますよ。
まとめ
以上、小麦粉のカロリーと糖質についてお伝えしました。
小麦粉はカロリーも糖質も高い食品だとわかりましたね。
食味を下げずに小麦粉の代用をする場合は、
・揚げ物の衣は給油率の低い米粉
・パン作りには糖質が少なく食物繊維の豊富な全粒粉
がオススメですのでお試しください。
参考文献
ロカボオフィシャルサイト ※外部サイトに遷移します
中国学園大学 米粉の粒度の違いによる揚げ物の調理性と嗜好について ※外部サイトに遷移します
監修:編集長 宮田 亘造
早稲田大学社会科学部卒業後、証券会社での新規開拓営業、製薬会社でのMRなどを経て香港中文大学MBA卒業。同時に北京大学MBAに交換留学、そして北京語言大学にて漢語修習生として学ぶ。帰国後、Webマーケティングのコンサルティング会社を経て、デジタルと医療の融合が患者への新しい価値提供ができると感じ、H2株式会社に入社。
執筆者:管理栄養士 大熊麻未
十文字学園女子大学人間生活学部 食物栄養学科卒業。卒業後は一般企業にてOEM開発や外食事業に従事。その後は学校給食に携わり、食物アレルギーや衛生管理の指導にあたる。また生活習慣病予備軍の方に向けた保険指導を行い、検査数値改善のサポートに尽力する。
記事提供:H2株式会社
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